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聖女(5)*
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アズサもこの年までに、二人の男と付き合った経験はあるが、二人目の男とは就職して二か月後に別れた。こういった性交渉の知識は人並みにある。多分。
当時、付き合っていた男が人並みであれば。多分。
屹立する肉棒を右手でそっと握りしめた。
「うっ」
先ほどから、ニールからはうめき声しか聞こえてこない。
「熱い」
触れた肉茎はさらりとしておりながらも、熱くて芯を帯びている。
「今、楽にして差し上げます」
アズサは握った棒を上下にしごき始めた。遠慮はせずに、少しだけ力を込めて動かす。
がたがたとベッドが音を立てたのは、ニールが手足をばたつかせながら、抵抗しようとしているからだろう。
だが、それも次第に静まり返り、また喉の奥から熱っぽいくぐもった声が聞こえてきた。
アズサも先端が見え隠れするほど強く、そしてゆっくり柔らかくしごく。
彼の反応を見ては、手の動きを徐々に速める。
「んぐっ」
びくびくと蠢いた。
「うっ……」
どびゅっと、白濁した液体がアズサに向かって放たれ、それは彼女の顔を汚した。震える肉棒は長らく吐精し続ける。
「あら。こんなに汚して、イケない子ですね」
顔についた粘膜を指ですくうと、彼の唇の上になすりつけた。
「あなたのものですよ?」
恍惚とした笑みを浮かべながらニールを見下ろす。先ほどまで興奮のため紅く染められていた頬は、今では羞恥によって青白い。
(あぁ、なんて気持ちがいいの? あのアンヒム団長が、悔しそうな顔をしてる)
アズサの胸がキュンと疼く。
それでも彼の下半身は、まだ主張し続けている。
「あら、すごい。やはり、一度くらいでは、ダメですね」
アズサはニールの太股をまたぎ、彼と垂直になる形で座った。
「可哀相なアンヒム団長にご奉仕ししますね」
彼の雄茎に顔を近づけると、ハッとした彼が手足を暴れさせた。
「や、め、ろ」
口枷の下から、彼はそれを伝えてきた。いや、アズサにはそう聞こえた。
「もう、わがままですね」
アズサはふと思い出す。よく職場の飲み会で話題にあがるのが、宿泊を伴う出張のときに、男性社員がそういったところでそのようなサービスを受けるというものだ。どこの出張のあそこはよかった、あそこはダメだったと、次から次に情報が出てくることに驚いたときもある。
だか、慣れとは恐ろしく、あの人はまた行ったのね、と心の中で呆れるようになるまで時間はかからなかった。
そのとき、彼らは何を言っていたのか? 赤茶色の口腔消毒液がどうのこうのと言っていなかったか?
アズサはニールの逸物を口に含む前に、自身と彼に浄化の魔法をかけた。これこそアズサがここにきて手に入れたチート能力の一つである。だが、本来はこのようなタイミングで使うものではない。
「これで綺麗になりましたね。あなたのものを濡らさないと、私の中には入らないでしょう?」
アズサの顔に飛び散った白濁液も綺麗になくなっているし、彼の唇に塗った彼自身の液も消えていた。
うふふと妖艶に微笑んだアズサは、彼の息子に手を添える。
「あ、おっきい」
思わず心の声が漏れた。びくんと、彼の愚息が震える。
「や、やめ……っ……、!!」
アズサは大きく口を開き、一気に彼の剛直を口に入れた。
「んぐっ……」
彼女の小さな口の中いっぱいを彼が満たす。
歯を立てないように、舌先で筋を舐めあげる。ピクピクと肉棒は小さく動く。ある程度舐め尽くしたあとは、口をすぼめて顔を上下に動かし始めた。
喉の奥まで届くくらい、彼のものは長い。
アズサが動くたびに、口の中のものはぐんぐんと質量を蓄え始める。けして美味しいものではないのだが、自分の手によって育てている感じがして、愛おしくすら思え始めた。
だが、そこまでだった。
アズサの肩を掴み、彼女を雄芯から引き離す人物がいた。
当時、付き合っていた男が人並みであれば。多分。
屹立する肉棒を右手でそっと握りしめた。
「うっ」
先ほどから、ニールからはうめき声しか聞こえてこない。
「熱い」
触れた肉茎はさらりとしておりながらも、熱くて芯を帯びている。
「今、楽にして差し上げます」
アズサは握った棒を上下にしごき始めた。遠慮はせずに、少しだけ力を込めて動かす。
がたがたとベッドが音を立てたのは、ニールが手足をばたつかせながら、抵抗しようとしているからだろう。
だが、それも次第に静まり返り、また喉の奥から熱っぽいくぐもった声が聞こえてきた。
アズサも先端が見え隠れするほど強く、そしてゆっくり柔らかくしごく。
彼の反応を見ては、手の動きを徐々に速める。
「んぐっ」
びくびくと蠢いた。
「うっ……」
どびゅっと、白濁した液体がアズサに向かって放たれ、それは彼女の顔を汚した。震える肉棒は長らく吐精し続ける。
「あら。こんなに汚して、イケない子ですね」
顔についた粘膜を指ですくうと、彼の唇の上になすりつけた。
「あなたのものですよ?」
恍惚とした笑みを浮かべながらニールを見下ろす。先ほどまで興奮のため紅く染められていた頬は、今では羞恥によって青白い。
(あぁ、なんて気持ちがいいの? あのアンヒム団長が、悔しそうな顔をしてる)
アズサの胸がキュンと疼く。
それでも彼の下半身は、まだ主張し続けている。
「あら、すごい。やはり、一度くらいでは、ダメですね」
アズサはニールの太股をまたぎ、彼と垂直になる形で座った。
「可哀相なアンヒム団長にご奉仕ししますね」
彼の雄茎に顔を近づけると、ハッとした彼が手足を暴れさせた。
「や、め、ろ」
口枷の下から、彼はそれを伝えてきた。いや、アズサにはそう聞こえた。
「もう、わがままですね」
アズサはふと思い出す。よく職場の飲み会で話題にあがるのが、宿泊を伴う出張のときに、男性社員がそういったところでそのようなサービスを受けるというものだ。どこの出張のあそこはよかった、あそこはダメだったと、次から次に情報が出てくることに驚いたときもある。
だか、慣れとは恐ろしく、あの人はまた行ったのね、と心の中で呆れるようになるまで時間はかからなかった。
そのとき、彼らは何を言っていたのか? 赤茶色の口腔消毒液がどうのこうのと言っていなかったか?
アズサはニールの逸物を口に含む前に、自身と彼に浄化の魔法をかけた。これこそアズサがここにきて手に入れたチート能力の一つである。だが、本来はこのようなタイミングで使うものではない。
「これで綺麗になりましたね。あなたのものを濡らさないと、私の中には入らないでしょう?」
アズサの顔に飛び散った白濁液も綺麗になくなっているし、彼の唇に塗った彼自身の液も消えていた。
うふふと妖艶に微笑んだアズサは、彼の息子に手を添える。
「あ、おっきい」
思わず心の声が漏れた。びくんと、彼の愚息が震える。
「や、やめ……っ……、!!」
アズサは大きく口を開き、一気に彼の剛直を口に入れた。
「んぐっ……」
彼女の小さな口の中いっぱいを彼が満たす。
歯を立てないように、舌先で筋を舐めあげる。ピクピクと肉棒は小さく動く。ある程度舐め尽くしたあとは、口をすぼめて顔を上下に動かし始めた。
喉の奥まで届くくらい、彼のものは長い。
アズサが動くたびに、口の中のものはぐんぐんと質量を蓄え始める。けして美味しいものではないのだが、自分の手によって育てている感じがして、愛おしくすら思え始めた。
だが、そこまでだった。
アズサの肩を掴み、彼女を雄芯から引き離す人物がいた。
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