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妹の身代わりに

6.

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 二人で絡み合って抱き合っていた。だが、そうしているだけでも再び熱を取り戻そうとしてくるから不思議だった。

「アル?」
 それに気付いたデルタは彼の顔を覗き込む。

「ごめん。一回じゃ足りない」

「仕方のない子ね」
 そう言葉を口にしたデルタの顔が、少し恐ろしく見えた。

「え?」

 形勢逆転、という言葉がデルタの頭の中に浮かんだ。ふふっと笑いながら、アルセンを仰向けにさせる。その上にデルタが重なる。

「さっきと違ってもいいんじゃない?」

 アルセンは何が起こるのかという不安と期待でゴクリと喉を鳴らす。それでも己が屹立しているから不思議だった。
 デルタは仰向けになったアルセンを跨いで、両膝をつく。先ほど、アルセンにこれほどかと注ぎ込まれた白濁したものが零れてこようがかまわない。

「ねえ、アル。あなた、落馬して大怪我したんですって?」
 ふふっと笑うデルタの笑みは妖艶と表現するのが適しているのかもしれない。
「私が馬の乗り方、教えてあげようか?」

 ゆっくりと腰を沈めるデルタは、先ほど彼を受け入れた蜜口にその先端を当てがった。もちろん、抵抗なくそれがすんなりと入る。

「きちんと手綱ももたないと、ね」
 お腹の上で中途半端に止まっていたナイトウェア。それを上から脱ぐと、アルセンの首にかける。

「おい、デ、デルタ、な、何を?」

「だから、馬乗り」
 膝をついたデルタが、アルセンの首にかけたナイトウェアを両手でしっかりと掴むと、またゆっくりと腰を沈め、これ以上進まないという限界まで行きつく。

「ねえ、たまには女性に組み敷かれるのも悪くはないんじゃない?」

 デルタのそれに、アルセンが顔を歪ませているのは、けして屈辱だからではない。

「動いてもいいかしら?」

 ゆっくりとデルタは腰を浮かし、そして沈める。彼の首にかけたナイトウェアでバランスを保とうとするが、少し不規則に揺れてしまう。先ほどと違う角度でなかで暴れ出すアルセン。

「やっぱり、これは邪魔なだけだったわね。アルは暴れ馬、だしね」
 結局、デルタは彼の両肩に自分の手を添えた。うまく手綱は握れなかったようだ。

「……はっ、んん……」
 両膝をついて、デルタの方から腰を動かしてくるのだが、暴れ馬であるアルセンだって我慢の限界だ。下から突き上げるかのようにそれに応える。

「あっん、……いっちゃう、いっちゃう……」

「イけよ。俺ので」

 デルタは彼の首元にすがりついた。ドクドクとなかが波打っているため、もう動くことができない。というのに、アルセンは疲れを知らない馬のようにその腰の動きをやめない。

「や、やめ……。今、イッてるからぁ……」

「言っただろ。暴れ馬だって。それに俺はまだイッてないから」

 仰向けのまま、規則正しいリズムで腰を振り続けたアルセンだが、やがて力尽き、彼女の中で爆ぜた。
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