責任を取らなくていいので溺愛しないでください

番外編

明けちゃった（６）

　グレイクは太く長い肉槌を、蜜で溢れた彼女の蜜窟の入り口に擦りつけてきた。くちゅくちゅという淫猥な音と、掠れた彼女の喘ぎ声が響く。その声が突然止まったのは、グレイクが深く口づけをしてきたから。
　シャンテルは舌を絡め合う心地よさに心酔し、ゆっくりと瞼を閉じようとするが、ぐぐっと圧迫感がお腹の中に迫ってきた。思わず、目を見開く。
　ふと、唇が離れる。

「相変わらず、君の中は温かくて、きつくて、そして俺に絡みついて、気持ちがいい……」

　グレイクはシャンテルが逃げないようにと、その腕の中に彼女をすっぽりと包み込んだ。あまりにもの圧迫感に彼女は腰を引きそうになったが、逃げ場所などどこにも無い。遠慮なくその中をグレイクの熱槌が攻め立てていき、あっという間に奥まで到達する。

「あっ、あ……」

　シャンテルが少し身じろぐと、グレイクはその腰に手を添え、そこを固定した。

「すまん、動かないでくれ……」
　ふぅとグレイクは熱い息を吐く。彼は何かに耐えている。
　その姿がいじらしくて愛おしくて、シャンテルは彼の頭に手を伸ばした。ぽふっと、その頭を包み込み、自分の胸元へと引き寄せると、そこに熱い吐息が触れた。だから彼女の中がきゅっとうねって、彼の熱杭へと絡みつく。

「……っ。シャンッ……」

　グレイク低く呻いて顔を上げると彼女の肩を勢いよく掴む。この後何が起こるかを察したシャンテルは同じようにグレイクの肩に手をかけた。
　ゆっくりと腰を引いたグレイクは、少し仰け反って腰を打ち付ける。彼の抽送によってたわわな乳房は揺れ、力無い足もだらんと揺れ動く。

「……んっん……、レイ、レイっ……」

「シャンっ……」

　激しく肌のぶつかる音、繋がったところから聞こえてくる淫猥な音、そして彼女と彼の呻くような声と激しい息遣い。それら全てが混ざり合い、快感を高めていく。

「あ、あ……ああー」
　絶頂を間近に迎えた彼女は、掠れた声で呻く。

「シャンっ……」

　ドクン、と中で彼が震えた。と、シャンテルも絶頂を迎える。
　トクトクとお互いの震えを感じた。最後の一滴まで彼女の中に注ぎ込むように、グレイクはぐっと腰を押し付けた。そして、彼女の胸にその顔を埋める。そうするといつも、彼女は優しく頭を撫でてくれるのだ。

　どれくらいそうしていたか。ずるりと、彼は中に入っていた己を引き抜いた。シャンテルが身じろぐと、中からとろりとした子種が溢れる。

「シャン……結婚しよう」
　愛する婚約者を抱きしめながら、グレイクはその言葉を吐き出した。

「え、と。え？　その。まだ、その、授かったとはかぎらないと思うのですが」

「ああ。だが、俺は。君が避妊薬を飲んでいるのを知ってる。だから、今日は、飲ませない」

「え、あ。はあ、はい」

「では、次の年明けの鐘は三人で聞こうな」

　嬉しそうに笑ったグレイクは、またシャンテルの胸元に顔を埋めたので、彼女は優しくその頭を撫でるのだった。



――――☆☆――――☆☆――――

　あの後、逃げるように部屋に戻ってきたローガンではあるが、この後、隣の部屋で何が繰り広げられようとしているかは、安易に予想がついた。

　とりあえず、シャンテルはまだ眠っているようだ。すぐにコトは進まないだろう。

　美味しいお菓子でも食べながら、今後の身の振り方を考えようと思い、シャンテルの部屋からこそっと持ってきたお菓子をつまんだ。

　あのノック音を聞いたときに、恐らく彼が来たんだろうなと思って、ポケットに忍ばせたそれ。

　さて、この年明け。誰を誘って遊びに行くべきか。

　ローガンの頭の中には一人、誘いたい相手が思い浮かんだのだが、その人物はその誘いにのってくれるだろうか。

　そんなことを考えながら、お菓子を口の中に放り込んだ。

【明けちゃった：完】