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エピソード15

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 復讐に関しての提案がある・・・そうアーシャに言われたエラは、アーシャの言葉に耳を立てる。

「実は、知人から聞いた話なのですが・・・明後日、マッカーサー家が仮面舞踏会を開くそうです」

 仮面舞踏会とは最近、中流や上流階級の中で流行っている、仮面をつけ身分素性を隠して行われる舞踏会のこと。

 エラは何度か仮面舞踏会に参加したことがあるが感じたのは楽しさより、怖さと不気味さだった。

「それで・・・?」

(仮面舞踏会を開催することを、何故私に知らせるのだろうか)

 アーシャの意図が読み切れず、エラはアーシャを見つめる。

「エラ様もその舞踏会に参加されては?」

「はっ!?・・・ですが」

「大丈夫です・・・。仮面舞踏会ですのでエラ様の正体に気づく者はいないでしょうし

・・・・招待状はこちらで用意します。」

 アーシャは、エラを自信ありげの表情で見つめる。

「・・・私がその舞踏会に参加したとして、何かメリットがありますか」

 (確かに、アーシャの言う通り仮面をつけていれば私の正体は分からないだろうか。

でも、声まで隠せるわけではないし、100パーセントバレないとは言いきれない。

 そんなリスクを負ってまで仮面舞踏会に参加するメリットが私にあるのだろうか)

「1つ質問です」

 そういったアーシャは、顔の前に人差し指を立てる。

「エラ様は、どういった方法でジョン殿に復讐なさるおつもりですか?」

 アーシャの真剣な顔にエラは考えを巡らせる。

 (アーシャさんは私にに協力してくれると言った・・・けれどアーシャさんの事を完全に信用出来ない・・・)

 「それは・・・・言えません」

「まだ、私の事を信用できませんか?」

 エラは重々しく頷く。

 信用できない。

 アーシャは頭が良いから利用できる。

 でも、全部を信用したら反対に自分が利用されるかもしれない。

「まあ・・・仕方がないことですね」

 「・・・ごめんなさい」

「いえいえ。構わないですよ。

それより、貴方がどんな計画を立てているにせよ、マッカーサー家の弱みを握っておいて損はないでしょう・・・・そうは思いませんか?」

(確かにそうだ。マッカーサー家の弱みを握れば、次期当主であるジョン様の弱みを握ったも同然)

 「・・・そうですね。でも、その舞踏会に行ったら弱みが握れるのですか?」

 何か、マッカーサー家は、世間に知られたら悪い事を舞踏会でするのかもしれない。


 仮面舞踏会は、お互いに素性を見せなくていいため違法売買の場として利用している人も少なくない。

 もし、そんなことを王家であるマッカーサー家がしてるとすればこれ以上無いほどのスクープだ。

「いえ・・・弱みが握れるかどうかは分かりませんがマッカーサー家には悪い噂があります。舞踏会に行けばその手がかりが掴めるかもしれません」

「悪い噂?」

「定かではないので、まだ申し上げられませんが・・・もしそれが事実だとすれば貴方の復讐が可能になります・・・どうなさいますか?」

 (悪い噂・・・なんだろう。)

 ジョンのところにいた時、エラはそのような噂を耳にしたことがない。

 「わかりました・・・仮面舞踏会に行きます」

エラはアーシャの目を真っ直ぐ見据えて言う。
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