16 / 16
エピソード15
しおりを挟む
復讐に関しての提案がある・・・そうアーシャに言われたエラは、アーシャの言葉に耳を立てる。
「実は、知人から聞いた話なのですが・・・明後日、マッカーサー家が仮面舞踏会を開くそうです」
仮面舞踏会とは最近、中流や上流階級の中で流行っている、仮面をつけ身分素性を隠して行われる舞踏会のこと。
エラは何度か仮面舞踏会に参加したことがあるが感じたのは楽しさより、怖さと不気味さだった。
「それで・・・?」
(仮面舞踏会を開催することを、何故私に知らせるのだろうか)
アーシャの意図が読み切れず、エラはアーシャを見つめる。
「エラ様もその舞踏会に参加されては?」
「はっ!?・・・ですが」
「大丈夫です・・・。仮面舞踏会ですのでエラ様の正体に気づく者はいないでしょうし
・・・・招待状はこちらで用意します。」
アーシャは、エラを自信ありげの表情で見つめる。
「・・・私がその舞踏会に参加したとして、何かメリットがありますか」
(確かに、アーシャの言う通り仮面をつけていれば私の正体は分からないだろうか。
でも、声まで隠せるわけではないし、100パーセントバレないとは言いきれない。
そんなリスクを負ってまで仮面舞踏会に参加するメリットが私にあるのだろうか)
「1つ質問です」
そういったアーシャは、顔の前に人差し指を立てる。
「エラ様は、どういった方法でジョン殿に復讐なさるおつもりですか?」
アーシャの真剣な顔にエラは考えを巡らせる。
(アーシャさんは私にに協力してくれると言った・・・けれどアーシャさんの事を完全に信用出来ない・・・)
「それは・・・・言えません」
「まだ、私の事を信用できませんか?」
エラは重々しく頷く。
信用できない。
アーシャは頭が良いから利用できる。
でも、全部を信用したら反対に自分が利用されるかもしれない。
「まあ・・・仕方がないことですね」
「・・・ごめんなさい」
「いえいえ。構わないですよ。
それより、貴方がどんな計画を立てているにせよ、マッカーサー家の弱みを握っておいて損はないでしょう・・・・そうは思いませんか?」
(確かにそうだ。マッカーサー家の弱みを握れば、次期当主であるジョン様の弱みを握ったも同然)
「・・・そうですね。でも、その舞踏会に行ったら弱みが握れるのですか?」
何か、マッカーサー家は、世間に知られたら悪い事を舞踏会でするのかもしれない。
仮面舞踏会は、お互いに素性を見せなくていいため違法売買の場として利用している人も少なくない。
もし、そんなことを王家であるマッカーサー家がしてるとすればこれ以上無いほどのスクープだ。
「いえ・・・弱みが握れるかどうかは分かりませんがマッカーサー家には悪い噂があります。舞踏会に行けばその手がかりが掴めるかもしれません」
「悪い噂?」
「定かではないので、まだ申し上げられませんが・・・もしそれが事実だとすれば貴方の復讐が可能になります・・・どうなさいますか?」
(悪い噂・・・なんだろう。)
ジョンのところにいた時、エラはそのような噂を耳にしたことがない。
「わかりました・・・仮面舞踏会に行きます」
エラはアーシャの目を真っ直ぐ見据えて言う。
「実は、知人から聞いた話なのですが・・・明後日、マッカーサー家が仮面舞踏会を開くそうです」
仮面舞踏会とは最近、中流や上流階級の中で流行っている、仮面をつけ身分素性を隠して行われる舞踏会のこと。
エラは何度か仮面舞踏会に参加したことがあるが感じたのは楽しさより、怖さと不気味さだった。
「それで・・・?」
(仮面舞踏会を開催することを、何故私に知らせるのだろうか)
アーシャの意図が読み切れず、エラはアーシャを見つめる。
「エラ様もその舞踏会に参加されては?」
「はっ!?・・・ですが」
「大丈夫です・・・。仮面舞踏会ですのでエラ様の正体に気づく者はいないでしょうし
・・・・招待状はこちらで用意します。」
アーシャは、エラを自信ありげの表情で見つめる。
「・・・私がその舞踏会に参加したとして、何かメリットがありますか」
(確かに、アーシャの言う通り仮面をつけていれば私の正体は分からないだろうか。
でも、声まで隠せるわけではないし、100パーセントバレないとは言いきれない。
そんなリスクを負ってまで仮面舞踏会に参加するメリットが私にあるのだろうか)
「1つ質問です」
そういったアーシャは、顔の前に人差し指を立てる。
「エラ様は、どういった方法でジョン殿に復讐なさるおつもりですか?」
アーシャの真剣な顔にエラは考えを巡らせる。
(アーシャさんは私にに協力してくれると言った・・・けれどアーシャさんの事を完全に信用出来ない・・・)
「それは・・・・言えません」
「まだ、私の事を信用できませんか?」
エラは重々しく頷く。
信用できない。
アーシャは頭が良いから利用できる。
でも、全部を信用したら反対に自分が利用されるかもしれない。
「まあ・・・仕方がないことですね」
「・・・ごめんなさい」
「いえいえ。構わないですよ。
それより、貴方がどんな計画を立てているにせよ、マッカーサー家の弱みを握っておいて損はないでしょう・・・・そうは思いませんか?」
(確かにそうだ。マッカーサー家の弱みを握れば、次期当主であるジョン様の弱みを握ったも同然)
「・・・そうですね。でも、その舞踏会に行ったら弱みが握れるのですか?」
何か、マッカーサー家は、世間に知られたら悪い事を舞踏会でするのかもしれない。
仮面舞踏会は、お互いに素性を見せなくていいため違法売買の場として利用している人も少なくない。
もし、そんなことを王家であるマッカーサー家がしてるとすればこれ以上無いほどのスクープだ。
「いえ・・・弱みが握れるかどうかは分かりませんがマッカーサー家には悪い噂があります。舞踏会に行けばその手がかりが掴めるかもしれません」
「悪い噂?」
「定かではないので、まだ申し上げられませんが・・・もしそれが事実だとすれば貴方の復讐が可能になります・・・どうなさいますか?」
(悪い噂・・・なんだろう。)
ジョンのところにいた時、エラはそのような噂を耳にしたことがない。
「わかりました・・・仮面舞踏会に行きます」
エラはアーシャの目を真っ直ぐ見据えて言う。
0
お気に入りに追加
53
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
すべてが嫌になったので死んだふりをしたら、いつの間にか全部解決していました
小倉みち
恋愛
公爵令嬢へテーゼは、苦労人だった。
周囲の人々は、なぜか彼女にひたすら迷惑をかけまくる。
婚約者の第二王子は数々の問題を引き起こし、挙句の果てに彼女の妹のフィリアと浮気をする。
家族は家族で、せっかく祖父の遺してくれた遺産を湯水のように使い、豪遊する。
どう考えても彼らが悪いのに、へテーゼの味方はゼロ。
代わりに、彼らの味方をする者は大勢。
へテーゼは、彼らの尻拭いをするために毎日奔走していた。
そんなある日、ふと思った。
もう嫌だ。
すべてが嫌になった。
何もかも投げ出したくなった彼女は、仲の良い妖精たちの力を使って、身体から魂を抜き取ってもらう。
表向き、へテーゼが「死んだ」ことにしようと考えたのだ。
当然そんなことは露知らず、完全にへテーゼが死んでしまったと慌てる人々。
誰が悪い、これからどうするのか揉めるうちに、自爆していく連中もいれば、人知れず彼女を想っていた者の復讐によって失脚していく連中も現れる。
こうして彼女が手を出すまでもなく、すべての問題は綺麗さっぱり解決していき――。
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
もうすぐ、お別れの時間です
夕立悠理
恋愛
──期限つきの恋だった。そんなの、わかってた、はずだったのに。
親友の代わりに、王太子の婚約者となった、レオーネ。けれど、親友の病は治り、婚約は解消される。その翌日、なぜか目覚めると、王太子が親友を見初めるパーティーの日まで、時間が巻き戻っていた。けれど、そのパーティーで、親友ではなくレオーネが見初められ──。王太子のことを信じたいけれど、信じられない。そんな想いにゆれるレオーネにずっと幼なじみだと思っていたアルロが告白し──!?
大嫌いなあの人が地獄に落ちるまで
じんじゅ
大衆娯楽
人生30年も生きれば、自分とは合わない苦手な人や、好きじゃない人と出会うのは当然である。その中でも、こいつだけは…という【大嫌いな人】に因果応報、自業自得、報いが訪れる話である。同じように日々のストレス感じる生活の中で、少しでも読んだ方々の溜飲が下がり、これから出てくる人間と皆さんの【大嫌いな人】に報いがありますように…。
目を覚ましたら、婚約者に子供が出来ていました。
霙アルカ。
恋愛
目を覚ましたら、婚約者は私の幼馴染との間に子供を作っていました。
「でも、愛してるのは、ダリア君だけなんだ。」
いやいや、そんな事言われてもこれ以上一緒にいれるわけないでしょ。
※こちらは更新ゆっくりかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる