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幸い部屋の主人であるアマリアがこの鍵を持っていた。
早速と壁や家具に手をつきながら浴槽に入り、床の戸の鍵を開けて中を確認した。
部屋の劣化はあるものの、物を置くくらいなら当たり障り無いと判断してまた鍵をかけた。
ここにお金を貯めて資金を稼ぐ事にした。
そしてアマリアは、もう一つその資金で家を購入するつもりだが、それではいつかバレてしまうだろうとカモフラージュとして小さな家…別荘を公に買う事にした。
そうすれば、新しい新居を買う時に、伯爵やイワンの意識が別荘へと移るだろうという判断だった。
これでいいと一息ついた時、戸を叩く音が鳴った。
慌ててノートを鍵付きのデスクにしまい返事をした。
そこには不貞腐れたイワンが立っていた。
「イワン…?どうかしたの?」
正直昨日の事があってから目を合わすのは恥ずかしかった。
「君がベッドからいなかったから…。」
そういうとイワンはアマリアの腰を抱き寄せて顔を近づけてくる。
「…イワン…。」
「君の返事なんてもう聞かない…僕の好きにさせてもらうよ。」
そういうとイワンはアマリアにキスをした。
アマリアは、ダメだと分かっていたが、卒業するまでだと自分に言い聞かせて彼のキスを受け入れた。
唇を離し、アマリアが目を開けると目を見開いてこちらを見ているイワンがいた。
「…どうしたの?」
恐る恐る彼に質問をする。
「アマリア…君が受け入れてくれるなんて…。」
嬉しそうにこちらを見つめてくる。
その笑顔に見惚れてしまう。だが…。
「イワン…私たちの関係に名前をつけてはダメ…。形にしてはいけないの…。」
そうしてイワンにキスをアマリアからした。
彼は嬉しそうに答える。
だがアマリアは内心、この期限付きの関係が終わる日をどうしようもないくらいもどかしくてたまらなかった。
それから、イワンとアマリアは2人きりになると恋人同士の様にハグをしたり、キスを重ねた。
夜には誰も寝静まると、イワンがいつもアマリアの部屋を訪ねてくる。そこで愛を交わすことも。
屋敷ではそんな生活だが、アマリアは学校に戻らねばならない。
明日には出発だというと時、イワンと2人でお茶を楽しんでいると不機嫌な顔で彼がアマリアを見つめる。
「イワン…寂しいかもしれないけど、休みの日には帰ってくるから…。」
アマリアが諭すと、イワンはふっと一息付き口を開く。
「…アマリアは寂しく無いの?君と離れ離れになるなんて…いっそ学校を辞めてしまえばいいのに…。」
イワンが俯く姿に胸が痛くなる。だがアマリアは年上としてイワンを諭した。
「ごめんなさい…でも私薬学を学ぶのがとても好きなの…これだけは譲れないわ…。お願い…わかって…。」
アマリアの懇願にイワンは渋々わかったと返事した。
早速と壁や家具に手をつきながら浴槽に入り、床の戸の鍵を開けて中を確認した。
部屋の劣化はあるものの、物を置くくらいなら当たり障り無いと判断してまた鍵をかけた。
ここにお金を貯めて資金を稼ぐ事にした。
そしてアマリアは、もう一つその資金で家を購入するつもりだが、それではいつかバレてしまうだろうとカモフラージュとして小さな家…別荘を公に買う事にした。
そうすれば、新しい新居を買う時に、伯爵やイワンの意識が別荘へと移るだろうという判断だった。
これでいいと一息ついた時、戸を叩く音が鳴った。
慌ててノートを鍵付きのデスクにしまい返事をした。
そこには不貞腐れたイワンが立っていた。
「イワン…?どうかしたの?」
正直昨日の事があってから目を合わすのは恥ずかしかった。
「君がベッドからいなかったから…。」
そういうとイワンはアマリアの腰を抱き寄せて顔を近づけてくる。
「…イワン…。」
「君の返事なんてもう聞かない…僕の好きにさせてもらうよ。」
そういうとイワンはアマリアにキスをした。
アマリアは、ダメだと分かっていたが、卒業するまでだと自分に言い聞かせて彼のキスを受け入れた。
唇を離し、アマリアが目を開けると目を見開いてこちらを見ているイワンがいた。
「…どうしたの?」
恐る恐る彼に質問をする。
「アマリア…君が受け入れてくれるなんて…。」
嬉しそうにこちらを見つめてくる。
その笑顔に見惚れてしまう。だが…。
「イワン…私たちの関係に名前をつけてはダメ…。形にしてはいけないの…。」
そうしてイワンにキスをアマリアからした。
彼は嬉しそうに答える。
だがアマリアは内心、この期限付きの関係が終わる日をどうしようもないくらいもどかしくてたまらなかった。
それから、イワンとアマリアは2人きりになると恋人同士の様にハグをしたり、キスを重ねた。
夜には誰も寝静まると、イワンがいつもアマリアの部屋を訪ねてくる。そこで愛を交わすことも。
屋敷ではそんな生活だが、アマリアは学校に戻らねばならない。
明日には出発だというと時、イワンと2人でお茶を楽しんでいると不機嫌な顔で彼がアマリアを見つめる。
「イワン…寂しいかもしれないけど、休みの日には帰ってくるから…。」
アマリアが諭すと、イワンはふっと一息付き口を開く。
「…アマリアは寂しく無いの?君と離れ離れになるなんて…いっそ学校を辞めてしまえばいいのに…。」
イワンが俯く姿に胸が痛くなる。だがアマリアは年上としてイワンを諭した。
「ごめんなさい…でも私薬学を学ぶのがとても好きなの…これだけは譲れないわ…。お願い…わかって…。」
アマリアの懇願にイワンは渋々わかったと返事した。
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