愛しい貴方へ

はなおくら

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「…タケトル…。」

 名前を呼んだ瞬間、居た堪れなくなり目を覆った。そのまま沈黙が訪れた。

 怒らせたのではないかと、目を開けるとタケトルが顔を真っ赤にしていた。

 一国の王が、まるでひとりの少年の様に感じた。

「タケトル様…。」

 タケトルの可愛らしい表情に、もう一度名を呼んだ。ビクッと動くだけで返答がない。

 その姿が可愛く思い、自分から抱きしめた。

 すると抱きしめられている事に気がついたタケトルがハッとして口を開いた。

「名を呼ばれる事がこんなにも胸が熱いとは…。そなたを愛おしく思う。」

「陛下…もう…私…。」

 愛の言葉を聞き、我慢ができなくなったスサリアの懇願にタケトルも理性を失った。

 タケトルの大きなものがスサリアの中に入る。

「ああっ…。」

「久しぶりできついと思うが…痛かったら言ってくれっ…。」

「いいえ!貴方のものが中にあると思うだけで、もうおかしくなってしまいそうです…。」

「スサリアっ…!あまり煽らないでくれっ…。」

 タケトルが余裕を無くした表情がさらにスサリアの体を刺激する。

「動くぞ…。」

「はい…。」

 タケトルが腰を動かすと、スサリアは快感のあまり声を上げた。

「ああっ…んーっ…!」

 あまりの気持ちよさに、声を荒げる。顔を上げると眉間に皺を寄せて動く彼の姿がある。

 上半身だけ起こして、彼の口にキスをすると、まるで獣の様に噛み付く様激しいキスが帰ってきた。

「タケトル様…タケトル様っ…!あっ…もっとあなたを近くに…っ!」

 愛おしくてたまらずもっともっとと、欲が出てしまう。

「かわいい…私のスサリア…くっ…もうでそうだ…いくぞっ…くっ…。」

 そういうとタケトルはスサリアの中に果てた。

「はぁはぁ…はぁはぁ…。」

 息を乱すタケトルを見上げていたが、スサリアは一度もイっていなかった。

 それでもタケトルの事を微笑んで見つめていると、スサリアの中に入っていたタケトルの物が大きくふくれ上がった。

「ひゃっ…これは…‼︎」

「すまない先にイッてしまったな…次は共にイこう…。」

 そういうと、タケトルはスサリアを四つん這いにさせて動き出した。

「あっ…あっ…奥に当たっておりますっ…ダメっ…。」

「そなたのいいところはわかっている。この体制でしたできない事も…顔をあげよ。」

 そういうとタケトルはスサリアの顎を持って後ろからキスを深めて、下の方では動きを早めた。

「あっ…ダメっ…そんなに激しくされたら…。」

 タケトルに与えられる刺激に、理性を抑えられなくなってくる。
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