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「光栄でございます。」
淡々とした返事に王太子は頬を赤らめている。
彼と接していると自分が人形にでもなった気分だった。
ままごとの様な中身のない毎日に辟易してくる。
そんなある日、自分の部屋で窓を眺めながら変わらない景色を見ていたときだった。
王妃様が訪問してきたのだ。
急ぎ身支度を整えて急ぎ王妃様の部屋に向かった。
対面すれば薄情な人間だと思われ、冷たい視線を向けられるだろう。
王妃様は多く話したことはないが、ジョセフ様と謁見する際、優しい眼差しで見守ってくれていた。
今となっては、私は王妃様にとって息子を誑かした悪女のはずだ。
扉の前で少し深呼吸を繰り返し扉を開けた。
そこには冷たい視線も温かい視線ではなくただ真剣に私の顔を見つめる王妃様が座っていた。
「王妃様にご挨拶申し上げます。」
「突然ごめんなさい。座って…。」
私の挨拶に王妃様は、返事をするとすぐ座る様に言った。
「……突然で驚いたことでしょう。」
王妃様を前にして、言葉が出てこなかった。
「……申し訳ありません。」
「………。」
王妃様は私をしばらく見つめた後、静かに口を開いた。
「貴方はジョセフを愛してるのね。」
「…っ‼︎」
はっきりと告げられたその一言に私は驚いた。
何も言い返せず驚く私に王妃様は全てを悟った様な顔をした。
「そうだったのね…貴方には申し訳ない事をしましたね。」
そういうと王妃様は私の前で頭を下げた。
私は慌てて王妃様の足元に跪き頭を上げて欲しいと懇願した。
「王妃様っ!おやめください…!」
王妃様は優しい笑みを浮かべた。
それは前から知っている表情だった。
「申し訳ありません…私は王妃様に気にかけていただける様な人間ではありません…。」
首を横に振って王妃様の足元で泣き崩れた。
本心なんて伝える事ができない。
自分はこの鳥籠の中でじっとしたまま過ごして、外の状況もわからない。
私がここで自分の気持ちを打ち明けてしまえば、ジョセフ様やジョナサンがどうなるか、考えるだけでも恐ろしかった。
泣き続ける私を王妃様は顔を上げさせてくれる。
「もう我慢する必要はありません。私も王太子に話を聞いて驚きましたが、その後ジョセフが必死に貴方を取り返そうと方々動き回っている事を耳にしたのです。」
ジョセフ様は私を諦めていなかった。
それが嬉しく胸が熱くなった。
「私宛にも貴方のことで手紙が送った様なのだけど、何も届いていないの。それで噂と今何が起きてるのか矛盾してる気がしてここにきたのです。」
王妃様はそう言うと私の頭を撫でてくれた。
その手はとても暖かかった。
淡々とした返事に王太子は頬を赤らめている。
彼と接していると自分が人形にでもなった気分だった。
ままごとの様な中身のない毎日に辟易してくる。
そんなある日、自分の部屋で窓を眺めながら変わらない景色を見ていたときだった。
王妃様が訪問してきたのだ。
急ぎ身支度を整えて急ぎ王妃様の部屋に向かった。
対面すれば薄情な人間だと思われ、冷たい視線を向けられるだろう。
王妃様は多く話したことはないが、ジョセフ様と謁見する際、優しい眼差しで見守ってくれていた。
今となっては、私は王妃様にとって息子を誑かした悪女のはずだ。
扉の前で少し深呼吸を繰り返し扉を開けた。
そこには冷たい視線も温かい視線ではなくただ真剣に私の顔を見つめる王妃様が座っていた。
「王妃様にご挨拶申し上げます。」
「突然ごめんなさい。座って…。」
私の挨拶に王妃様は、返事をするとすぐ座る様に言った。
「……突然で驚いたことでしょう。」
王妃様を前にして、言葉が出てこなかった。
「……申し訳ありません。」
「………。」
王妃様は私をしばらく見つめた後、静かに口を開いた。
「貴方はジョセフを愛してるのね。」
「…っ‼︎」
はっきりと告げられたその一言に私は驚いた。
何も言い返せず驚く私に王妃様は全てを悟った様な顔をした。
「そうだったのね…貴方には申し訳ない事をしましたね。」
そういうと王妃様は私の前で頭を下げた。
私は慌てて王妃様の足元に跪き頭を上げて欲しいと懇願した。
「王妃様っ!おやめください…!」
王妃様は優しい笑みを浮かべた。
それは前から知っている表情だった。
「申し訳ありません…私は王妃様に気にかけていただける様な人間ではありません…。」
首を横に振って王妃様の足元で泣き崩れた。
本心なんて伝える事ができない。
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私がここで自分の気持ちを打ち明けてしまえば、ジョセフ様やジョナサンがどうなるか、考えるだけでも恐ろしかった。
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「もう我慢する必要はありません。私も王太子に話を聞いて驚きましたが、その後ジョセフが必死に貴方を取り返そうと方々動き回っている事を耳にしたのです。」
ジョセフ様は私を諦めていなかった。
それが嬉しく胸が熱くなった。
「私宛にも貴方のことで手紙が送った様なのだけど、何も届いていないの。それで噂と今何が起きてるのか矛盾してる気がしてここにきたのです。」
王妃様はそう言うと私の頭を撫でてくれた。
その手はとても暖かかった。
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