再びあなたに会えて…

はなおくら

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 そして茶会当日、ジョセフの家紋が代々懇意にしている家から茶会の招待状が届いた。

 初めての茶会に緊張で向かう馬車の中、顔をこわばらしていると、ジョセフが手を重ねてきた。

「大丈夫、気軽に話を楽しめばいい。」


「はい…。」

 俯く私にジョセフは笑っていった。

「粗相をしても気にしなくていい。君らしさを出してくれればいいんだ。何も遠慮することはない。」

 彼の励ましに元気を取り戻し力強く頷いた。

 茶会が開かれている庭園に入ると、すでに到着した貴族たちがこちらの様子を伺っている。

 少し物怖じしそうになるが、隣にいるジョセフを見つめて背筋を伸ばした。

 白い視線に貴族たちが何を考えているか伺える。

 すると招待状を送ってきた主催者が前に出てきた。

「お越しいただきましてありがとうございます。」

「お招き頂き感謝する。」

 ジョセフが返事をすると、主催者はにこりと笑って後にした。

 主催者の挨拶の後、こぞってご婦人たちがジョセフの周りを取り囲んだ。

 押されたせいか、私だけ群れよ外へと出てきてしまった。

 ジョセフの方を見ると、彼も心配した様子でこちらを見ているが、どうにもできないと判断して、私が頷くと彼は口パクですぐ行くと伝えてきた。

 1人になり庭園の花を眺めた。

 ここには真っ赤な薔薇が咲き誇っており目が離せなかった。

「すっかり見違えたわ。」

 驚いて振り向くとそこには予想だにしなかった人物が立っていた。

 そこには笑顔を浮かべながらも目が冷たい視線をしたシルフィ令嬢が立っていた。

 驚いて声も出なかったが、慌てて礼をした。

「お久しぶりでございます。」

「本当にね…あなたなぜここにいるの?」

 冷たく刺さる様な発言に、昔の癖が出て震えてしまう。

「……ふんっ…。」

 勝ち誇った様な顔でこちらを嫌みたらしく見つめてくる。

 どうしたらいいかわからず佇んでいると、シルフィ令嬢はさらにこちらに近寄ってきた。

「着飾っても抜けないものはあるわね…。」

 肩が震え出した。

 彼女が何故ここにいるのかわからない上、ジョセフとどうなったのかわからないが、今は自分が彼の妻なのだと相手を見据えた。

「失礼は、よしてください。」

「っ…!なんですって!」

 私が言葉を返す事にひどく腹を立てている。

「今ジョセフ様と婚姻関係にあるのは私です。もう昔の私ではないです。」

「よくも言ったわねっ!このっ…!」

 手を振りあげられ思わず目を固く閉じた。

 しばらくしても何もなく、恐る恐る顔を上げるとシルフィ令嬢の手を後ろから掴むジョセフがいた。

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