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もう私自身、自分の気持ちに気づかないわけがなかった。
私は中庭で散歩をしながら考えていた。
ヴォルス様を見つめていると、胸が高鳴って嬉しくなってしまう。
貴族の矜持など忘れてしまいそうになる程だった。
なぜ婚約する時から彼の良さを知ろうとしなかったのだろう。
浅はかな自分に嫌気がさしてくる。
「奥様っ‼︎」
その時、突然使用人が私を呼んだので振り返った時だった。
どこから入ったのか犬が恐ろしく怒った様子で私の元へ走ってきている。
あまりの恐ろしさに私は尻餅をついて、震えてしまい立てなくなった。
「ナタリアっ!」
襲い掛かられると思い目を瞑ったのと同時にキャンっとなく音と共に当たりが静かになった。
顔を上げると、ヴォルス様が私に駆け寄ってきた。
「ナタリア、もう大丈夫だ!」
そう言われて彼に抱きしめられた。
ヴォルス様の温もりを感じて私は恐ろしさに強張っていた体から力が抜けた。
その瞬間身体が震えて涙が流れてきた。
「怖かっ…た……。」
無意識にヴォルス様に縋り付くようになく私に彼はいつまでも抱きしめてくれた。
そうして彼は私が落ち着く頃合いをみて、横抱きにして部屋まで連れて行ってくれた。
私は気が動転していたため、彼にされるがまま身を任せたのだった。
部屋まで案内すると、着替えを済ませてもらいベッドに横になった。
体が暖かくなり私を見守るヴォルス様にお礼を言った。
「ありがとうございました。頼り切ってしまって…。」
ヴォルス様は私の頭を撫でて言った。
「君が無事ならいい…。」
その言葉に安堵して私は意識を手放していった。
数日後、体も回復した頃部屋付きの使用人が私にその後の事を教えてくれた。
私に襲いかかってきた犬は処分することになったのだという、私は襲われて恐ろしい想いはしたがそんな結果は望んでおらず急ぎヴォルス様の元に向かった。
「失礼します。ヴォルス様…。」
部屋に通されると、ヴォルス様は立ち上がって私の肩に手を置いた。
「もう大丈夫なのか?」
心配そうに私の体全体を確認する姿に微笑んでしまう。
「ありがとうございます。もう大丈夫です。それより…例の犬の件なのですが…。」
「あぁ…。君を傷つけようとしたんだ。それはこっちでやるから心配しなくていい。」
ヴォルス様は全てを語らず話を終わらせようとしたので私は勇気を出して口を開いた。
「お願いです。どうか命だけは取らないようにしてあげてください…。」
ヴォルス様は眉を顰めて言った。
「君を襲ったんだぞ…?」
私は中庭で散歩をしながら考えていた。
ヴォルス様を見つめていると、胸が高鳴って嬉しくなってしまう。
貴族の矜持など忘れてしまいそうになる程だった。
なぜ婚約する時から彼の良さを知ろうとしなかったのだろう。
浅はかな自分に嫌気がさしてくる。
「奥様っ‼︎」
その時、突然使用人が私を呼んだので振り返った時だった。
どこから入ったのか犬が恐ろしく怒った様子で私の元へ走ってきている。
あまりの恐ろしさに私は尻餅をついて、震えてしまい立てなくなった。
「ナタリアっ!」
襲い掛かられると思い目を瞑ったのと同時にキャンっとなく音と共に当たりが静かになった。
顔を上げると、ヴォルス様が私に駆け寄ってきた。
「ナタリア、もう大丈夫だ!」
そう言われて彼に抱きしめられた。
ヴォルス様の温もりを感じて私は恐ろしさに強張っていた体から力が抜けた。
その瞬間身体が震えて涙が流れてきた。
「怖かっ…た……。」
無意識にヴォルス様に縋り付くようになく私に彼はいつまでも抱きしめてくれた。
そうして彼は私が落ち着く頃合いをみて、横抱きにして部屋まで連れて行ってくれた。
私は気が動転していたため、彼にされるがまま身を任せたのだった。
部屋まで案内すると、着替えを済ませてもらいベッドに横になった。
体が暖かくなり私を見守るヴォルス様にお礼を言った。
「ありがとうございました。頼り切ってしまって…。」
ヴォルス様は私の頭を撫でて言った。
「君が無事ならいい…。」
その言葉に安堵して私は意識を手放していった。
数日後、体も回復した頃部屋付きの使用人が私にその後の事を教えてくれた。
私に襲いかかってきた犬は処分することになったのだという、私は襲われて恐ろしい想いはしたがそんな結果は望んでおらず急ぎヴォルス様の元に向かった。
「失礼します。ヴォルス様…。」
部屋に通されると、ヴォルス様は立ち上がって私の肩に手を置いた。
「もう大丈夫なのか?」
心配そうに私の体全体を確認する姿に微笑んでしまう。
「ありがとうございます。もう大丈夫です。それより…例の犬の件なのですが…。」
「あぁ…。君を傷つけようとしたんだ。それはこっちでやるから心配しなくていい。」
ヴォルス様は全てを語らず話を終わらせようとしたので私は勇気を出して口を開いた。
「お願いです。どうか命だけは取らないようにしてあげてください…。」
ヴォルス様は眉を顰めて言った。
「君を襲ったんだぞ…?」
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