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「ありがとう。」
数日後侍女から小包をもらい、1人部屋でその中を開けた。
頼んでいたのは媚薬だ。
初めては痛いと聞くから、これを身につければ大丈夫だろうと考えた。
これで準備は完了だ。
あとはヴォルス様との閨で使うだけだ。
わたしはそれまで小説を読みながら作戦を練っていった。
そしてとうとう閨事の日が来た。
それまでヴォルス様と食事はしても会話をすることはなかった。
わたしは気にしないようにして、下着に着替えてヴォルス様を待った。
彼を待つ間、緊張で心臓が速い音を鳴らしている。
引き出しに入れてある媚薬を取り出して飲もうとした時だった。
扉の戸が鳴り、私は飲まずに引き出しを閉じて返事した。
しかし、相手はヴォルス様ではなく執事だった。
執事は扉越しに言いづらそうな雰囲気で重い口を開いた。
「ナタリア様、申し訳ありません。ヴォルス様は本日はこちらに来れないと…。」
「えっ…何かあったの?」
わたしは急いで上を羽織り、ドアを開けた。
目の前には執事が、暗い顔で口を開いた。
「ヴォルス様は、仕事が立て込んでおりこちらにくる事はできないとのことでして…。」
「そう…。」
私は執事に戻るよう伝え、一度部屋に戻った。
ヴォルス様は私との閨事を避けている。
気を遣ってか、嫌なのか…。
この際、彼と話をしてみようと思い立ちわたしはそのまま彼の書斎に向かった。
夜遅くなっている為、使用人は寝静まっており誰もいない。
旦那様の書斎には誰にも会わずに訪れる事ができた。
旦那様のとを叩くと中から返事があった。
「ヴォルス様、わたしです。少しいいですか?」
「ああ。」
彼は相変わらず何も言わないままだが、部屋に入れてくれた。
中に入ると、仕事というよりお酒を嗜んでいたのかその形跡が見えた。
それにわたしは少しちくりとした感覚を覚えながらヴォルス様に自分の気持ちを話す事にした。
「夜分に申し訳ありません。ヴォルス様とお話がしたくて…。」
「…どうした?」
ヴォルス様は、わたしの元に来なかったことを誤りもせず無関心にわたしを見つめている。
「ヴォルス様…わたしはあなたと恋がしたいです。」
まっすぐ彼の顔を見つめても彼は何も反応しなかった。
「何を言ってるんだ、私達は夫婦だ。それに恋や愛だなんて…。」
「わかっています…。」
ヴォルス様の言いたい事もわかっている。
貴族の役目を自覚しろという事なのだろう。
「わかっているなら…。」
「それでも!あなたにわたしを好きになって欲しいんです!」
そう言った時初めてヴォルス様は目を見開いて、わたしを見つめたのだった。
数日後侍女から小包をもらい、1人部屋でその中を開けた。
頼んでいたのは媚薬だ。
初めては痛いと聞くから、これを身につければ大丈夫だろうと考えた。
これで準備は完了だ。
あとはヴォルス様との閨で使うだけだ。
わたしはそれまで小説を読みながら作戦を練っていった。
そしてとうとう閨事の日が来た。
それまでヴォルス様と食事はしても会話をすることはなかった。
わたしは気にしないようにして、下着に着替えてヴォルス様を待った。
彼を待つ間、緊張で心臓が速い音を鳴らしている。
引き出しに入れてある媚薬を取り出して飲もうとした時だった。
扉の戸が鳴り、私は飲まずに引き出しを閉じて返事した。
しかし、相手はヴォルス様ではなく執事だった。
執事は扉越しに言いづらそうな雰囲気で重い口を開いた。
「ナタリア様、申し訳ありません。ヴォルス様は本日はこちらに来れないと…。」
「えっ…何かあったの?」
わたしは急いで上を羽織り、ドアを開けた。
目の前には執事が、暗い顔で口を開いた。
「ヴォルス様は、仕事が立て込んでおりこちらにくる事はできないとのことでして…。」
「そう…。」
私は執事に戻るよう伝え、一度部屋に戻った。
ヴォルス様は私との閨事を避けている。
気を遣ってか、嫌なのか…。
この際、彼と話をしてみようと思い立ちわたしはそのまま彼の書斎に向かった。
夜遅くなっている為、使用人は寝静まっており誰もいない。
旦那様の書斎には誰にも会わずに訪れる事ができた。
旦那様のとを叩くと中から返事があった。
「ヴォルス様、わたしです。少しいいですか?」
「ああ。」
彼は相変わらず何も言わないままだが、部屋に入れてくれた。
中に入ると、仕事というよりお酒を嗜んでいたのかその形跡が見えた。
それにわたしは少しちくりとした感覚を覚えながらヴォルス様に自分の気持ちを話す事にした。
「夜分に申し訳ありません。ヴォルス様とお話がしたくて…。」
「…どうした?」
ヴォルス様は、わたしの元に来なかったことを誤りもせず無関心にわたしを見つめている。
「ヴォルス様…わたしはあなたと恋がしたいです。」
まっすぐ彼の顔を見つめても彼は何も反応しなかった。
「何を言ってるんだ、私達は夫婦だ。それに恋や愛だなんて…。」
「わかっています…。」
ヴォルス様の言いたい事もわかっている。
貴族の役目を自覚しろという事なのだろう。
「わかっているなら…。」
「それでも!あなたにわたしを好きになって欲しいんです!」
そう言った時初めてヴォルス様は目を見開いて、わたしを見つめたのだった。
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