わがままな娘

はなおくら

文字の大きさ
上 下
43 / 64

43

しおりを挟む
 深い夜、喧嘩していた期間を惜しんでいるかの様にベッドの上でキスを深めながら背に腕を回しあった。

「セレナ…君が愛おしい…。」

「私もとても恋しかった…。」

 セレナは、ロットの深いキスを受け止めながら首にまわっていた腕を頭へと移し髪を撫で回した。

 ロットも撫でられる心地よさに、なお行動が激しくなる。

 お互い唇を離して見つめ合う。セレナはロットの胸を押し、彼を組み敷いた。

「セレナっ…何をっ!」

 ロットがセレナの顔を見上げると魅惑的な姿の彼女がいた。思わず喉を鳴らしてしまう。

 セレナ自身も、ロットの温もりを欲していた。自分が跳ね除けたとはいえ、彼から愛されることに心も体も喜びを覚えている。

 戸惑う彼の上にまたがると、首筋を這う様にキスを落としていく。

「んっ…‼︎」

 耐えるロットの声はセレナを煽る。首筋から胸へと移動して、中心以外を這うて回る。

「セレナ…セレナっ…!」

 ロットの懇願の声もわかっていたが、あえて無視する。

「貴方がいけないのよ…?私に隠し事するから…とても悲しかったのよ?」

 我ながら喧嘩していた内容を、掘り返すのもどうかと思ったがつい意地悪したくなり言った。内心では彼が怒らないかビクビクしていたが…。

「すまないっ…君に不安な想いをさせて…だが…頼む…我慢ができないんだ…っ!」

 そう言って逆にセレナをロットは押し倒した。驚いたセレナだったが、彼は激しくセレナの胸を愛し始めた。

「んっ…っ!…ロットっ!」

 声が漏れ出てしまう。彼の刺激でおかしくなりそうなほどに、下は濡れていった。

 そしてロットは顔を上げていった。

「お返しだ…。意地悪な君には僕からの愛を受け取ってもらうよっ…。」

 そう言ってセレナの中へといきなり自分のものを押し込んだ。

「きゃっ!…そんな急に…っ!」

 ロットは動きを早める。

「セレナ…。この時をどれだけ欲したか…君がいるだけで…僕は幸せにもおかしくもなりそうだ。」

 彼の瞳は、セレナしか映っていない。その目を見ると恐ろしくゾクッとするが、自分だけを見ている彼を愛おしく思ってしまう。

「私もよ…ロットっ…ロットっ!」

 そしてセレナは達した。息も絶え絶えになってる中、彼がまた動き出した。

 セレナは驚いたが、彼がまだ達しておらず自分を求めていることに気が付き、彼の身体は手を回して身を委ねた。

「ロット…貴方の好きにして…。」

 ロットは返事も出来ずひたすら動く。言葉を交わさずとも彼に求められている事が、激しく嬉しかった。

 そして2人ともに達し、その日は力尽きた様に眠りについた。

2人は無自覚にも寄り添いあっていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...