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(私はいったい何をしてるのだろう…。)
私の名はセレナ。伯爵家の娘だった。今は裁判が終わり幼なじみの家に、監視という名目で置いてもらっている。
幼なじみの名前はロット。彼もまた伯爵家の長男だ。
どういう訳かこんな私を庇い匿ってくれている。
というのもどこから話せばいいのか。取り返しのつかないことをしてしまったからだった。
私には、幼い頃に約束した婚約者キムがいた。初めて彼を見た瞬間、恋に落ちるのにあっという間だった。
その時期と同時に、遠い親戚の不幸で私よりも三つ下の少女が、妹として家族になった。
義妹キャムは、清純で悪気がなく素直だった。
そんな彼女を見ていると、激しい苛立ちが生まれていた。
そんなある日、婚約者が遊びにきた。2人で中庭のテラスでお茶をしていると、キャムが訪ねてきた。
彼女は笑顔で、
「お姉さま、お茶をされてるならご一緒しても?」
そう言って、瞳を輝かせていた。私は婚約者との時間を邪魔されたと思い悪意込めて、吐き捨てた。
「貴方…今の状況を見てわからないの?…邪魔なの…。」
そう言って除け者にすると、キャムは泣き出した。するとお茶を飲んでいた婚約者が立ち上がり言う。
「君はなんてひどい事をいうんだ。自分の妹を大切にしようとは思わないのかっ‼︎」
そういうとキャムを連れてテラスを去っていった。
彼らが去ると、抑えきれない怒りをテーブルやカップに当たり散らした。
食器はガシャンっと割れていく。
この頃の私は気持ちのコントロールができないわがままな娘でしかなかった。
(なんなの?そんなにあの子が言い訳?)
婚約者に放置された事により強い怒りを感じていた。
そして夜、この件で両親からも叱責を受けた。母は、キャムを抱きしめながら言った。
「貴方はどういうつもりなの?妹を蔑ろにして、わがままを通すなんて‼︎もっと自制しなさい‼︎」
父からは無言で頬を打たれた。
この頃から、両親からの叱責をも聞かずキャムをいじめ抜き、婚約者の前では媚を売り、最低な人間に強化していた。
そんな事を続けていた。自分は悪いなんてちっとも思っていなかった。
数年後成人を迎える前、婚約者と家族から裁判を起こされた。
婚約者はともかく両親は深い愛情からの行動なんて気づきもしていなかった。
判決を下す者が、自分の罪を言われても自覚できずにいた。
このまま牢屋へと入れられるのかと思うと腹が立って仕方がない。
この場で暴れるわけにもいかず、感情を抑えていた。
すると思いもよらない事を言われる。
「セレナとその婚約者キムは、婚約を破棄する事を許可する。そして妹キャムとの婚約を結ぶものとする。」
信じられなかった。何故こんな事になるのか、もう我慢が出来ず、妹キャムを睨みつけた。
私の名はセレナ。伯爵家の娘だった。今は裁判が終わり幼なじみの家に、監視という名目で置いてもらっている。
幼なじみの名前はロット。彼もまた伯爵家の長男だ。
どういう訳かこんな私を庇い匿ってくれている。
というのもどこから話せばいいのか。取り返しのつかないことをしてしまったからだった。
私には、幼い頃に約束した婚約者キムがいた。初めて彼を見た瞬間、恋に落ちるのにあっという間だった。
その時期と同時に、遠い親戚の不幸で私よりも三つ下の少女が、妹として家族になった。
義妹キャムは、清純で悪気がなく素直だった。
そんな彼女を見ていると、激しい苛立ちが生まれていた。
そんなある日、婚約者が遊びにきた。2人で中庭のテラスでお茶をしていると、キャムが訪ねてきた。
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「お姉さま、お茶をされてるならご一緒しても?」
そう言って、瞳を輝かせていた。私は婚約者との時間を邪魔されたと思い悪意込めて、吐き捨てた。
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そう言って除け者にすると、キャムは泣き出した。するとお茶を飲んでいた婚約者が立ち上がり言う。
「君はなんてひどい事をいうんだ。自分の妹を大切にしようとは思わないのかっ‼︎」
そういうとキャムを連れてテラスを去っていった。
彼らが去ると、抑えきれない怒りをテーブルやカップに当たり散らした。
食器はガシャンっと割れていく。
この頃の私は気持ちのコントロールができないわがままな娘でしかなかった。
(なんなの?そんなにあの子が言い訳?)
婚約者に放置された事により強い怒りを感じていた。
そして夜、この件で両親からも叱責を受けた。母は、キャムを抱きしめながら言った。
「貴方はどういうつもりなの?妹を蔑ろにして、わがままを通すなんて‼︎もっと自制しなさい‼︎」
父からは無言で頬を打たれた。
この頃から、両親からの叱責をも聞かずキャムをいじめ抜き、婚約者の前では媚を売り、最低な人間に強化していた。
そんな事を続けていた。自分は悪いなんてちっとも思っていなかった。
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この場で暴れるわけにもいかず、感情を抑えていた。
すると思いもよらない事を言われる。
「セレナとその婚約者キムは、婚約を破棄する事を許可する。そして妹キャムとの婚約を結ぶものとする。」
信じられなかった。何故こんな事になるのか、もう我慢が出来ず、妹キャムを睨みつけた。
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