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「痛いっ‼︎」

 そう叫べば、ツーリーは驚いたように自分のものを中から引き抜いた。

 あまりの痛みに身体が震えて、泣いてしまう。

 私はおかしくなっように縮こまって泣いていると、ツーリーが抱きしめてきた。

「いやっ!」

 恐ろしくて離れようとしたが、身体ごと抱きしめられて背中をさすられる。

「悪かった…もうしないから…。」

 彼の優しい手つきが、懐かしくてわたしはただひたすらない泣いた。

 そこからは記憶がない。

 長旅もあって疲れてしまったのか、いつの間にか眠ってしまった。

 目が覚めれば自分の部屋にいた。

 周りには誰もいない。

 体も整えられて、いつのまにか部屋着に着替えさせられている。

 わたしは、呆然と部屋の一点を見つめていた。

 いろんなことがありすぎて訳がわからない。

 突然ツーリーが現れてまるで罠のようにここにきてしまった。

 これからどうするべきかと考えあぐねていたが、窓を見るともう深夜になっている。

 とりあえず横になろうと再びベッドに入った。

 ツーリーは何を考えているのだろうか?

 リリアナと結婚していてもおかしくはない。

 わたしが知らないだけで何があったのだろうか。

 答えのない疑問が頭の中をぐるぐると回っていた。

 次第にわたしはまた眠りについたのだった。

 目が覚めると、タイミングよくメイドが入ってきた。

 顔を洗い、ドレスに着替えた。

「ご主人様がお待ちです。」

 そう言ってわたしは朝食の部屋に案内された。

「おはよう、ナナ。」

 ツーリーは昔と変わらない笑顔で笑っている。

 わたしは気まずさに目を逸らした。

「おはようございます…。」

 わたしを気遣ってくれているのかそれ以上話しかけられなかった。

 食事も終わり早々と部屋に戻ろうとしたときだった。

「ナナ、君にはわたしが呼び出したらきてもらいたい。」

 わたしは真っ青になった。

 またあの続きがあるのかと思うと、少し緊張してしまう。

 そんなわたしの反応をわかっているかのようにツーリーは苦笑いを浮かべると、また口を開く。

「心配しなくていい。そばにいてくれるだけでいいから。」

「…わかりました…。」

 そう呟いて、わたしは部屋に戻った。

 部屋に戻って緊張していた身体が一気に力が抜けるのがわかった。

 これから一ヶ月もの間、平常心でやっていける自信がなかった。

 そんな事を考えていると、ドアの音が鳴り家令が入ってきた。

「ご主人様がお呼びです。」

 早速だと、思いつつわたしは彼の元に向かった。

「ナナ!庭を散歩するんだ、ついてきてほしい。」

「わかりました。」

 ツーリーの考えていることが読めなくてわたしはそろそろついていった。
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