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ふたたび王都へ
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久しぶりに王都の家に帰った。
結界は無事に役目を果たした様子で、アイリーンも家で大人しくしていた様だ。
セーンからハジメがアナに腕を食べられた事は聞いたが、ルイが王都に戻った頃にはハジメの腕は元通りに戻っていた。
ある朝目覚めたら腕が生えていたとセーンも驚いていた。
ルイはハジメに会うのは抵抗があった。
アナが戻ってきたらどうなるかわからない。
彼女は絶対に戻って来ると思っていた。
片腕を食べたくらいではハジメの力を奪ったとは言えない。
結界を解除したら、戻ってくるだろう。
セーンがハジメにアナのことをどのように伝えるかにもよるが、ハジメが信じるかどうかはわからない。
アナとハジメが再開した時、ハジメの口からルイの存在を知れば、アナは以前と変わらず聖魔法を使うルイも欲しくなるだろう。
簡単に食べられるつもりはないが、大きな戦いになる。
覚悟を決めなければならない。
ハジメに会うことはよくよく考えてからでないと今後を左右するだろうと思っていた。
アナはハジメを食べ損なってから長い間森を彷徨っているうちに、
森の奥深く、魔物の巣窟になっている場所に行き着いた。
アナには心地よい場所だった。
瘴気が渦巻き、ざわざわと落ち着きのない魔物達が行き来する、そんな所だ。
身体を癒やし、これからの事を考えていた。
王都は結界があり近づく事もできなくなった。
ハジメは結界の中にいる。
王族の血と肉が欲しいアナだったが、今はどうして良いのか分からなかった。
今アナには味方になる魔物がいなかった。
王都の聖結界で仲間の殆どが消滅してしまった。
道端に座り込み行き交う魔物をぼんやりと眺める日が続いていた。
力のある魔物を見つければ声をかけて仲間に引き入れるつもりだった。
ある日ロメルを見つけた。
容姿は以前の面影が全くなかったが、
ロメルの持つ王族の匂いがアナを引き寄せた。
以前の華奢な体つきも去ることながら、気弱な面影など微塵もない強面のたくましい身体を持つロメルがそこにいた。
アナはカレを利用する事にした。
人型になり、豊満な肉体をカレにすり寄せ、
濡れた唇を重ねて彼と激しくベッドを共にした。
何度も繰り返し求め合い、その度にアナは耳元で王都を襲うよう語り続けた。
ハジメが居ることも忘れずに伝えた。
そしてハジメに言い寄られて逃げてきたとも伝えた。
ロメルはハジメに対して根強いコンプレックスと恨みがある。
ハジメが王都にいることを知れば、戦いを挑むだろう。
アナは巧みにロメルの感情を刺激していた。
魔物の王族は基本的には一夫一婦制だ。
稀にそうでないものも居るが、
ロメルの父は彼の母だけを愛した。
むろんロメルもそのつもりで生きてきた。
ロメルにとってアナは初恋の女性だ。
一度はハジメに取られたと思った事もあったが、今自分の腕の中で無防備に眠っているアナを見ていると幸せな気持ちになる。
この手で掴んだ妃だ。
魔王城で暮らす間は気が弱く自分に自信もなく、アナに声をかけることも出来なかった。
魔王城を追われてからは、
この醜い容姿だけに寄り付く者がいなくなつた。
特に女とは縁が無かった。
ロメルの顔を見て逃げるものはいたが、近づくものはいなかった。
力では何とでもなったが、心の通わない女を抱くのは虚しいものがある。
アナはロメルの初恋の女性でもあり、初めて心から愛した女性だ。
彼女のために失った国を再建し、彼女のために女王と呼ばれる身分にしてやりたいと思い始めていた。
アナを手放す気持ちは無かった。
今なら、ハジメに負ける気はしない。
仲間を引き連れて森の中を王都に向かいゆっくりと前進し始めた。
傍にはうっとりとロメルを見つめるアナがいた。
結界は無事に役目を果たした様子で、アイリーンも家で大人しくしていた様だ。
セーンからハジメがアナに腕を食べられた事は聞いたが、ルイが王都に戻った頃にはハジメの腕は元通りに戻っていた。
ある朝目覚めたら腕が生えていたとセーンも驚いていた。
ルイはハジメに会うのは抵抗があった。
アナが戻ってきたらどうなるかわからない。
彼女は絶対に戻って来ると思っていた。
片腕を食べたくらいではハジメの力を奪ったとは言えない。
結界を解除したら、戻ってくるだろう。
セーンがハジメにアナのことをどのように伝えるかにもよるが、ハジメが信じるかどうかはわからない。
アナとハジメが再開した時、ハジメの口からルイの存在を知れば、アナは以前と変わらず聖魔法を使うルイも欲しくなるだろう。
簡単に食べられるつもりはないが、大きな戦いになる。
覚悟を決めなければならない。
ハジメに会うことはよくよく考えてからでないと今後を左右するだろうと思っていた。
アナはハジメを食べ損なってから長い間森を彷徨っているうちに、
森の奥深く、魔物の巣窟になっている場所に行き着いた。
アナには心地よい場所だった。
瘴気が渦巻き、ざわざわと落ち着きのない魔物達が行き来する、そんな所だ。
身体を癒やし、これからの事を考えていた。
王都は結界があり近づく事もできなくなった。
ハジメは結界の中にいる。
王族の血と肉が欲しいアナだったが、今はどうして良いのか分からなかった。
今アナには味方になる魔物がいなかった。
王都の聖結界で仲間の殆どが消滅してしまった。
道端に座り込み行き交う魔物をぼんやりと眺める日が続いていた。
力のある魔物を見つければ声をかけて仲間に引き入れるつもりだった。
ある日ロメルを見つけた。
容姿は以前の面影が全くなかったが、
ロメルの持つ王族の匂いがアナを引き寄せた。
以前の華奢な体つきも去ることながら、気弱な面影など微塵もない強面のたくましい身体を持つロメルがそこにいた。
アナはカレを利用する事にした。
人型になり、豊満な肉体をカレにすり寄せ、
濡れた唇を重ねて彼と激しくベッドを共にした。
何度も繰り返し求め合い、その度にアナは耳元で王都を襲うよう語り続けた。
ハジメが居ることも忘れずに伝えた。
そしてハジメに言い寄られて逃げてきたとも伝えた。
ロメルはハジメに対して根強いコンプレックスと恨みがある。
ハジメが王都にいることを知れば、戦いを挑むだろう。
アナは巧みにロメルの感情を刺激していた。
魔物の王族は基本的には一夫一婦制だ。
稀にそうでないものも居るが、
ロメルの父は彼の母だけを愛した。
むろんロメルもそのつもりで生きてきた。
ロメルにとってアナは初恋の女性だ。
一度はハジメに取られたと思った事もあったが、今自分の腕の中で無防備に眠っているアナを見ていると幸せな気持ちになる。
この手で掴んだ妃だ。
魔王城で暮らす間は気が弱く自分に自信もなく、アナに声をかけることも出来なかった。
魔王城を追われてからは、
この醜い容姿だけに寄り付く者がいなくなつた。
特に女とは縁が無かった。
ロメルの顔を見て逃げるものはいたが、近づくものはいなかった。
力では何とでもなったが、心の通わない女を抱くのは虚しいものがある。
アナはロメルの初恋の女性でもあり、初めて心から愛した女性だ。
彼女のために失った国を再建し、彼女のために女王と呼ばれる身分にしてやりたいと思い始めていた。
アナを手放す気持ちは無かった。
今なら、ハジメに負ける気はしない。
仲間を引き連れて森の中を王都に向かいゆっくりと前進し始めた。
傍にはうっとりとロメルを見つめるアナがいた。
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