34 / 36
第34話
しおりを挟む
「そう、だったんだ…全部私のために…」
今までの行動全て私のためにしてくれてたこと…
「ごめん。素直に好きになって貰えるように努力するべきだったのに。わざと嫌われるような態度を取った。沢山傷つけた。ほんとに、ごめん」
そう言って深く頭を下げた。
「許しますから、頭をあげてください」
「でも、」
私も、許してもらったから。
「だから一つだけ約束して」
「なに?」
「このことで心を痛めたり泣いたりしないこと」
「それって…、」
湊さんがそう言ってくれたから。
「ふふ。あの時、湊さんにそう言って貰えて本当に嬉しかったから。もういいです」
「彩花…」
私は今を大切にしていきたい。
「それにしても、湊さんがお義母様にそんなことを言っていたなんて知らなかった」
好きどころか嫌いだったなんて、
「お母さんが家に来ると、君の様子がおかしいから、嫌味を言われるのが嫌なだけだと思ってた。でも、まさか叩かれてたなんて…気づいてあげられなくてごめん」
本当に、気づいてなかったんだ。
気づいていないフリをしていたんだとばかり…
「あんな姿は見られたくなくて、湊さんには内緒にしてたの。それに、言ったところで…」
「ん?」
「お前がちゃんとしていないからだとか言われると思って。自分が情けなくなるだけだし、どうしようもないことだと…」
言う前から諦めてた。
湊さんに言っていたら、何か変わったんだろうか。
「どんな理由でも暴力はいけないだろ」
「それはそうなんだけど…」
暴言を浴びせられるよりは、暴力の方がマシだから。
「母も、彩花に酷い言葉をぶつけていたんだろうね、」
「私が至らないのが気に入らなかったみたいで、何度も早く離婚をしろと、」
だけど、離婚だけはどうしてもしたくなかった
「あいつ…」
余計な話をしてしまった。
「でも、もう過ぎた話なので、大丈夫です」
「家族共々ほんとにごめん。俺が言えたことじゃないんだろうけど…彩花は自分が思っているよりも魅力的で素敵な女性だよ」
魅力的で素敵…
「う、嘘だ」
そんなの嘘
「え?」
「湊さんは、私に地味なドレスしか着せてくれなかったもん...」
私には
「それは…!俺が、彩花にダサいドレスを着せてたのは、他の男に狙われないように。彩花が可愛すぎて色んな男が彩花に近づくところを想像したら…綺麗なドレスなんて着せたくなかった」
「狙うって…」
私を狙う人なんて…
一人しか知らない。
「それと、あいつが彩花に好意を寄せてたのを知ってたから」
「湊さんも、知ってたの…?」
あの人がパーティーの度に私に近寄ってくること
「あの時は彩花の事を直接、守れる立場じゃなかったから、せめてもと思って...」
そういえば…
あの人が、いつも湊さんが邪魔してきたって言ってたけど、私が知らないところで守ってくれていたんだ。
「そっか、あの人のこと気づいてくれてたんだ、」
「俺がどれだけ彩花の事を目で追っていたと思ってるんだ?」
「そんなの知らなかった....あ、」
ずっと疑問に思ってたこと
「ん?」
今までの行動全て私のためにしてくれてたこと…
「ごめん。素直に好きになって貰えるように努力するべきだったのに。わざと嫌われるような態度を取った。沢山傷つけた。ほんとに、ごめん」
そう言って深く頭を下げた。
「許しますから、頭をあげてください」
「でも、」
私も、許してもらったから。
「だから一つだけ約束して」
「なに?」
「このことで心を痛めたり泣いたりしないこと」
「それって…、」
湊さんがそう言ってくれたから。
「ふふ。あの時、湊さんにそう言って貰えて本当に嬉しかったから。もういいです」
「彩花…」
私は今を大切にしていきたい。
「それにしても、湊さんがお義母様にそんなことを言っていたなんて知らなかった」
好きどころか嫌いだったなんて、
「お母さんが家に来ると、君の様子がおかしいから、嫌味を言われるのが嫌なだけだと思ってた。でも、まさか叩かれてたなんて…気づいてあげられなくてごめん」
本当に、気づいてなかったんだ。
気づいていないフリをしていたんだとばかり…
「あんな姿は見られたくなくて、湊さんには内緒にしてたの。それに、言ったところで…」
「ん?」
「お前がちゃんとしていないからだとか言われると思って。自分が情けなくなるだけだし、どうしようもないことだと…」
言う前から諦めてた。
湊さんに言っていたら、何か変わったんだろうか。
「どんな理由でも暴力はいけないだろ」
「それはそうなんだけど…」
暴言を浴びせられるよりは、暴力の方がマシだから。
「母も、彩花に酷い言葉をぶつけていたんだろうね、」
「私が至らないのが気に入らなかったみたいで、何度も早く離婚をしろと、」
だけど、離婚だけはどうしてもしたくなかった
「あいつ…」
余計な話をしてしまった。
「でも、もう過ぎた話なので、大丈夫です」
「家族共々ほんとにごめん。俺が言えたことじゃないんだろうけど…彩花は自分が思っているよりも魅力的で素敵な女性だよ」
魅力的で素敵…
「う、嘘だ」
そんなの嘘
「え?」
「湊さんは、私に地味なドレスしか着せてくれなかったもん...」
私には
「それは…!俺が、彩花にダサいドレスを着せてたのは、他の男に狙われないように。彩花が可愛すぎて色んな男が彩花に近づくところを想像したら…綺麗なドレスなんて着せたくなかった」
「狙うって…」
私を狙う人なんて…
一人しか知らない。
「それと、あいつが彩花に好意を寄せてたのを知ってたから」
「湊さんも、知ってたの…?」
あの人がパーティーの度に私に近寄ってくること
「あの時は彩花の事を直接、守れる立場じゃなかったから、せめてもと思って...」
そういえば…
あの人が、いつも湊さんが邪魔してきたって言ってたけど、私が知らないところで守ってくれていたんだ。
「そっか、あの人のこと気づいてくれてたんだ、」
「俺がどれだけ彩花の事を目で追っていたと思ってるんだ?」
「そんなの知らなかった....あ、」
ずっと疑問に思ってたこと
「ん?」
17
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
【完結】もう一度やり直したいんです〜すれ違い契約夫婦は異国で再スタートする〜
四片霞彩
恋愛
「貴女の残りの命を私に下さい。貴女の命を有益に使います」
度重なる上司からのパワーハラスメントに耐え切れなくなった日向小春(ひなたこはる)が橋の上から身投げしようとした時、止めてくれたのは弁護士の若佐楓(わかさかえで)だった。
事情を知った楓に会社を訴えるように勧められるが、裁判費用が無い事を理由に小春は裁判を断り、再び身を投げようとする。
しかし追いかけてきた楓に再度止められると、裁判を無償で引き受ける条件として、契約結婚を提案されたのだった。
楓は所属している事務所の所長から、孫娘との結婚を勧められて困っており、 それを断る為にも、一時的に結婚してくれる相手が必要であった。
その代わり、もし小春が相手役を引き受けてくれるなら、裁判に必要な費用を貰わずに、無償で引き受けるとも。
ただ死ぬくらいなら、最後くらい、誰かの役に立ってから死のうと考えた小春は、楓と契約結婚をする事になったのだった。
その後、楓の結婚は回避するが、小春が会社を訴えた裁判は敗訴し、退職を余儀なくされた。
敗訴した事をきっかけに、裁判を引き受けてくれた楓との仲がすれ違うようになり、やがて国際弁護士になる為、楓は一人でニューヨークに旅立ったのだった。
それから、3年が経ったある日。
日本にいた小春の元に、突然楓から離婚届が送られてくる。
「私は若佐先生の事を何も知らない」
このまま離婚していいのか悩んだ小春は、荷物をまとめると、ニューヨーク行きの飛行機に乗る。
目的を果たした後も、契約結婚を解消しなかった楓の真意を知る為にもーー。
❄︎
※他サイトにも掲載しています。
自信家CEOは花嫁を略奪する
朝陽ゆりね
恋愛
「あなたとは、一夜限りの関係です」
そのはずだったのに、
そう言ったはずなのに――
私には婚約者がいて、あなたと交際することはできない。
それにあなたは特定の女とはつきあわないのでしょ?
だったら、なぜ?
お願いだからもうかまわないで――
松坂和眞は特定の相手とは交際しないと宣言し、言い寄る女と一時を愉しむ男だ。
だが、経営者としての手腕は世間に広く知られている。
璃桜はそんな和眞に憧れて入社したが、親からもらった自由な時間は3年だった。
そしてその期間が来てしまった。
半年後、親が決めた相手と結婚する。
退職する前日、和眞を誘惑する決意をし、成功するが――
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
「好き」の距離
饕餮
恋愛
ずっと貴方に片思いしていた。ただ単に笑ってほしかっただけなのに……。
伯爵令嬢と公爵子息の、勘違いとすれ違い(微妙にすれ違ってない)の恋のお話。
以前、某サイトに載せていたものを大幅に改稿・加筆したお話です。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
年下の彼氏には同い年の女性の方がお似合いなので、別れ話をしようと思います!
ほったげな
恋愛
私には年下の彼氏がいる。その彼氏が同い年くらいの女性と街を歩いていた。同じくらいの年の女性の方が彼には似合う。だから、私は彼に別れ話をしようと思う。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる