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第28話
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「えっと…その、ほんとにごめんね」
「え、陽翔さんが謝ることなんて何も…」
どうして謝るんだろう。今回の件で陽翔さんが悪いことなんて、何一つないのに。
「多分、彩花ちゃんのドレス姿が可愛すぎて、変な気を起こしたんだと思う」
なんて、真面目な顔をして言うもんだから、笑っちゃう。
「ふふっ、ふふふ、」
「えぇ、どうして笑うの」
まさか笑われると思っていなかったのか、びっくりしてる。
「だって、陽翔さんが真面目な顔して、おかしなこと言うから」
「真剣なのに…」
真剣だったら真剣なほど余計に面白い
「もうっ、考えすぎですよ。陽翔さんのせいじゃないです。むしろ、こんな素敵なドレスを着させていただいて感謝してます」
私の理想のドレスを作ってくれて、着させていただいて、ほんとに感謝しかない。
「そう言ってもらえるとありがたいよ。というか、今思ったんだけど、見ない間に彩花ちゃんと湊ってすっごく仲良くなったよね」
「そ、そうですか?」
湊さんが記憶喪失になってから、どうしてか溺愛されるようになりました。
なんて言えない。
そもそも陽翔さんは湊さんが記憶喪失になったことさえ知らないんだから。
「あんまりイチャイチャしてるところを見ないから、一方通行なのかと思ってたけど、そうじゃなくてよかったよ」
一方通行…
やっぱり、陽翔さんから見てもそうだったんだ。
「私も一方通行だと思ってました」
でも、今の湊さんとなら...
「え?」
「え…?」
何かおかしいこと言ちゃった?
「湊の彩花ちゃんに対する気持ちが一方通行って意味だったんだけど....彩花ちゃんも一方通行だと思ってたの?」
「え、はい」
どういうこと?湊さんの気持ち?
「あれだけ彩花ちゃんの事が大好きで手に負えないぐらいなのに?」
「へ?」
前の湊さんが、私のことを好き…?
「湊ったら会う度に、彩花が可愛すぎて耐えられないとか、今度こそ彩花に嫌われた~とか。彩花ちゃんのことで一喜一憂して、とにかくうるさいんだよ」
「そんなこと…」
湊さんが…?
そんなわけない、きっと何かの間違いだ
「あれ、違った?」
「違います、」
私の事なんて興味すらないのに、一喜一憂…?
「てっきり家でも彩花ちゃんにひっついて離れないのかと...パーティーの時は素っ気ないけど、流石に外ではしっかりした社長を演じないといけないからなんだろうなって気にしてなかったんだけど、」
「それって、いつのお話ですか?」
記憶喪失になった時の話ならまだ理解出来る。
いや、むしろそうとしか考えられない
「何年も前からだよ。彩花ちゃんと結婚して
からずっとかな」
「そんな....」
__彩花様のお話を嬉しそうにされていましたよ。とても綺麗で美しくて天使みたいだって。すごく愛されてるなって羨ましい限りです
店員さんの言葉を思い出してしまった。あの時も何かの間違いだろうと思って気にもとめていなかったのに、
どういうこと…?
「ほら、湊って変なところ気が強いというツンデレというか、理解し難いところがあって、とにかく不器用な人なんだよ。だけど、彩花ちゃんの事を好きな気持ちは一番だと思うんだ」
「そ、うですか」
そんなの信じれるわけない。
湊さんが私を好きなんて、
「湊なかなか戻ってこないね」
「そうですね....湊さんって会社ではどんな感じですか?」
湊さんは私に会社の話をしてくれない。
大変な事とか緊張した事とかそんな話、聞いたことない。
「ん?毎日会ってるわけじゃないから、詳しくは分からないけど、俺が見る限り、いつも通りで特に変わったことはないけど...」
「そうですか」
記憶喪失になってからも普段通りに働けるってさすが湊さん。昔の感覚が残っているからなのか、ただ頭がいいからなのか。多分両方の理由だとは思うけど、
「あ、でもね」
「はい、」
「一日だけすごくおかしい時があったんだ」
「そうなんですね、」
湊さんが記憶喪失になってから初めて会った日のことだろう。
「うん。確か…湊が倒れてから初めて会社に来た時だったかな」
やっぱりそうか。
「え、陽翔さんが謝ることなんて何も…」
どうして謝るんだろう。今回の件で陽翔さんが悪いことなんて、何一つないのに。
「多分、彩花ちゃんのドレス姿が可愛すぎて、変な気を起こしたんだと思う」
なんて、真面目な顔をして言うもんだから、笑っちゃう。
「ふふっ、ふふふ、」
「えぇ、どうして笑うの」
まさか笑われると思っていなかったのか、びっくりしてる。
「だって、陽翔さんが真面目な顔して、おかしなこと言うから」
「真剣なのに…」
真剣だったら真剣なほど余計に面白い
「もうっ、考えすぎですよ。陽翔さんのせいじゃないです。むしろ、こんな素敵なドレスを着させていただいて感謝してます」
私の理想のドレスを作ってくれて、着させていただいて、ほんとに感謝しかない。
「そう言ってもらえるとありがたいよ。というか、今思ったんだけど、見ない間に彩花ちゃんと湊ってすっごく仲良くなったよね」
「そ、そうですか?」
湊さんが記憶喪失になってから、どうしてか溺愛されるようになりました。
なんて言えない。
そもそも陽翔さんは湊さんが記憶喪失になったことさえ知らないんだから。
「あんまりイチャイチャしてるところを見ないから、一方通行なのかと思ってたけど、そうじゃなくてよかったよ」
一方通行…
やっぱり、陽翔さんから見てもそうだったんだ。
「私も一方通行だと思ってました」
でも、今の湊さんとなら...
「え?」
「え…?」
何かおかしいこと言ちゃった?
「湊の彩花ちゃんに対する気持ちが一方通行って意味だったんだけど....彩花ちゃんも一方通行だと思ってたの?」
「え、はい」
どういうこと?湊さんの気持ち?
「あれだけ彩花ちゃんの事が大好きで手に負えないぐらいなのに?」
「へ?」
前の湊さんが、私のことを好き…?
「湊ったら会う度に、彩花が可愛すぎて耐えられないとか、今度こそ彩花に嫌われた~とか。彩花ちゃんのことで一喜一憂して、とにかくうるさいんだよ」
「そんなこと…」
湊さんが…?
そんなわけない、きっと何かの間違いだ
「あれ、違った?」
「違います、」
私の事なんて興味すらないのに、一喜一憂…?
「てっきり家でも彩花ちゃんにひっついて離れないのかと...パーティーの時は素っ気ないけど、流石に外ではしっかりした社長を演じないといけないからなんだろうなって気にしてなかったんだけど、」
「それって、いつのお話ですか?」
記憶喪失になった時の話ならまだ理解出来る。
いや、むしろそうとしか考えられない
「何年も前からだよ。彩花ちゃんと結婚して
からずっとかな」
「そんな....」
__彩花様のお話を嬉しそうにされていましたよ。とても綺麗で美しくて天使みたいだって。すごく愛されてるなって羨ましい限りです
店員さんの言葉を思い出してしまった。あの時も何かの間違いだろうと思って気にもとめていなかったのに、
どういうこと…?
「ほら、湊って変なところ気が強いというツンデレというか、理解し難いところがあって、とにかく不器用な人なんだよ。だけど、彩花ちゃんの事を好きな気持ちは一番だと思うんだ」
「そ、うですか」
そんなの信じれるわけない。
湊さんが私を好きなんて、
「湊なかなか戻ってこないね」
「そうですね....湊さんって会社ではどんな感じですか?」
湊さんは私に会社の話をしてくれない。
大変な事とか緊張した事とかそんな話、聞いたことない。
「ん?毎日会ってるわけじゃないから、詳しくは分からないけど、俺が見る限り、いつも通りで特に変わったことはないけど...」
「そうですか」
記憶喪失になってからも普段通りに働けるってさすが湊さん。昔の感覚が残っているからなのか、ただ頭がいいからなのか。多分両方の理由だとは思うけど、
「あ、でもね」
「はい、」
「一日だけすごくおかしい時があったんだ」
「そうなんですね、」
湊さんが記憶喪失になってから初めて会った日のことだろう。
「うん。確か…湊が倒れてから初めて会社に来た時だったかな」
やっぱりそうか。
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