私の事が大嫌いだったはずの旦那様が記憶喪失になってから、私を溺愛するようになったのですがこれは本当に現実ですか!?

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第20話

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「どう、ですか…?」

 ちょっと派手だったかな、やっぱり私には似合わないかも、、

「っ、」

 何も言ってくれない、やっぱり…
「似合って、ませんよね、」

「違う、そうじゃなくて。すごく似合ってるから」

「へ、ほんとうですか、」

 湊さんに、私のドレス姿を初めて認めて貰えた。今の湊さんだからそう言ってくれてるのかもしれないけど。

「もちろん。すごく綺麗で、見惚れてた」

「大袈裟なんだから」

 だけど、良かった。今の湊さんにまで似合ってないって言われたら、立ち直れそうになかったから。

「いや。…ほんと、誰にも見せたくないなぁ」

 なんだか表情が…

「湊さん?」
「あぁ、いや、何でもない。…あのさ、」

 急に改まってなんだろう。

「ん?」

「これをつけてパーティーに行ってくれないかな、」

 そう言って渡されたのは、ネックレスだった。

「綺麗…」

 ルビーかな。

 宝石のことはよく分からないけど、すっごく綺麗なのは確か。

「ドレスは自分で選ばせてあげようって思ってたんだけど、ネックレスは俺のをつけて欲しいんだ。気に入らないなら無理強いはしないよ」

「気に入らないわけない!すっごく嬉しい」

 このデザインならドレスにも良く似合うし、とにかく、湊さんが私のために選んでくれたのが嬉しかった。

「良かった…じゃあもう脱いで」
「へ、」

 ぬ、脱ぐ?脱ぐって…

「どのドレスにするか決めたことだし、もう着替えておいで」

「あ、」

 脱ぐって着替えるってことか、
 いや、これは私のせいじゃなくて、湊さんが変な言い方するから…

 変な妄想して顔が赤くなったことバレたくないから、俯いていたのに

「顔赤いけど、どうかした?」

 なんて言って覗き込んでくる

「べ、別になんでもない!は、陽翔さんにも見てもらわないと」

「…何で、」

「何でって、このドレスを着ていいのか許可をとる必要があるかと…」

 湊さんには似合ってるように見えても、プロの方から見たらそうでも無いかもしれないし、

「許可って何の」

 なんか怒ってる…?

「ほんとにこのドレスを着ていいのか。似合ってないかもしれないし…」

「似合ってるから許可とる必要ない」

 やっぱり、間違いない。

「湊さん、どうして怒ってるんですか、」

「え?」

 なんだか素っ気ない。
「口調が強いから」

「…ごめん。パーティーでは仕方ないけど、今は誰にも見られたくない」

「どうして、」
「今は、俺だけが独り占めしたいから」

 それって、

「嫉妬…?」
「っ、」

 湊さんの顔が赤い。

「…可愛い」
「可愛い?俺が?」
「ふふ、うん。…っ、」

 い、今…!

「彩花も可愛い」
「き、キス…っ、」

 私が可愛いなんて言ったから…!?

「照れてるの?かわいいね」

 以外にも負けず嫌い…

「そ、そんなわけないでしょ!着替えるから待ってて!」

「はいはい」

 もうっ、私ばっかりドキドキしてバカみたい。



___




「彩花ちゃんのドレ…え、着替えたの!?俺も彩花ちゃんのドレス姿見たかったんだけど!?」

「どうせパーティーで見れるだろ」

「それはそうだけどさぁ。あれ、彩花ちゃん顔赤いけど…ちょっと、俺がいない間に何してたの!?」

「あ、赤くないです!」

 湊さんも笑ってないでなんとか言ってよ…

「俺の見てない所でイチャイチャしてたなんて!」

「何もしてませんよ!」
 ちょっとキスしただけ…っ、思い出したら恥ずかしくなってきた。

「また赤くなってるし!」

 湊さんはただ笑ってるだけだし、陽翔さんを落ち着かせるのに数十分かかったのは言うでもない。
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