私の事が大嫌いだったはずの旦那様が記憶喪失になってから、私を溺愛するようになったのですがこれは本当に現実ですか!?

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第9話

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「何する?映画でも見る?」
「うん」

湊さんといられるならなんでもいい

「どういう映画が好き?」

映画とかあんまり見ないからよく分からないけど、

「湊さんと見れるんだったらなんでもいい」

「…そんな可愛いこと言ってると襲うよ?」
「おそ、う?」

襲うってつまりそういう事…?

「彩花にはまだ早かったか」

なっ、子供扱いして

「私だってそれぐらい分かるよ」
経験は無いけど。

「へぇ、俺そんなの教えてないけど、誰に教えて貰ったんだろうね」
「それは…」

学生時代に教育の一貫として教えてもらったことがある。詳しくは分からないけど。

…経験ないとか言ったら引かれるかな、

「じゃあ…彩花の考えてる事が俺と一緒か、答え合わせしてみる?」

「なっ、な、」

何を言い出すのこの人は…!

「そんなびっくりしないでよ」
「だって、湊さんが変な冗談言ってくるから、」

「冗談じゃないって言ったら?」
「…え、」

私達の間に愛はなかった。だから1度だって…そもそも触れ合うこと自体しなかった。

嬉しい。


はずなのに、どうしてだろう。

記憶のない湊さんとは嫌だと思ってしまうのは。

「ま、冗談だけど」

「も、もう…!」

こっちは真剣に悩んだのに!

「ごめんごめん。彩花の反応が可愛すぎてつい」

可愛いなんて言ったら許されると思って…それに喜んでる自分も悔しい

「も、もういい。映画見よ!」

変な雰囲気を変えようと思って、急いでテレビをつけると、大画面に激しいキスをしているカップルが映し出された。

「すごく急いでたから、どうしたのかと思ったけど、これが見たかったんだ…へー」

たまたまなのに…それなのに、私をからかうように呟くから、

「ほんとにこれが見たかったわけじゃないし、湊さんだって分かってるはずなのに…わざとそんな風に言って…意地悪ばっかり…もう湊さんと一緒に映画見ないし、先に寝てやる。湊さんなんか、湊さんなんか、嫌いだもん…」

嫌いなんて言うつもりなかったのに、思わずそう言ってしまった。後から後悔したって遅いのに…自分で言ったくせに、気まずくなってその場から離れようとした。

「…どこ行くの」
「寝室」

「俺の事ほって先に寝るの?一緒にいたいって言ったのは彩花の方なのに?」

「だって湊さんが意地悪するから、」
「拗ねちゃったの?」
「別に…」

「ごめんね。からかい過ぎた。だけど、冗談でも嫌いだなんて言わないでよ、」

私が嫌いだなんて言ったから、湊さんに悲しそうな顔させた。

「私も、ごめんなさい。嫌いだなんて思ってない。…大好き」

「…仲直り?」
「うん」

「良かった。あ、俺見たい映画あるんだけどいいかな」
「もちろん!一緒に見よ」

「あー、でも彩花にはまだ早いかも」

また私の事、子供扱いする気?

「仲直りしたばっかりなのに、また私に意地悪言うの?湊さんが見れて私に見れないものなんてないんだから!私も湊さんと同じ大人だよ?」

「良かった。俺が見れて彩花に見れないもの、ないんだもんね」
「もちろん!」

「大人でも好き嫌い分かれるから心配だったけど、彩花がそう言うなら良かった」


なんだか嫌な予感がするんだけど、き、気の所為だよね、、
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