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第24話
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「二人でか、」
瑞稀の声は冷たかった。
なんか、怒ってる…?
「二人の時もあるよ」
私は正直に答えた。
「へー、」
瑞稀は興味なさそうに言った。
興味無いなら最初っから聞くなよ。
「瑞稀、まだ怒ってる?」
瑞稀の気持ちが気になって仕方なかった。
「…初めから怒ってない」
瑞稀はそっけなく答えた。
怒ってないわけない。顔を見たら分かる。
「仲直りしたばっかりなのに、また喧嘩したくない。何か思ってることがあるなら言って欲しい」
私は真剣に言った。
瑞稀との関係を大切にしたかった。
「別に…俺とはあんまり呑んでないけどなって思っただけ」
瑞稀は少し寂しそうに言った。
「それって嫉妬…?」
私は半分冗談で尋ねた。
瑞稀が嫉妬なんてする訳…
「…そうかもな」
否定されると思ったのに、瑞稀の答えに驚いた。
「瑞稀、最近おかしいよ」
「何がだよ」
瑞稀は笑って答えた。
その笑顔を見るだけで、
「なんか、だってドキドキするだもん!」
初めは動悸かと思った。
だけど違った。
どうしてか、瑞稀の顔を見るとドキドキしてしまう。
「それは俺がおかしいんじゃなくて、お前がおかしいんだろ」
瑞稀は軽くからかうように言った。
「あ、そっか確かに…」
「バカだな」
瑞稀は笑いながら言った。
その後、足がだんだん疲れてきて、休憩しようとカフェを探した。
お昼の時間になったからか、途中で人混みが増えてきた。
私は瑞稀の隣を歩いていたけど、ふとした瞬間に人波に飲まれてしまった。
「瑞稀…?」
私は周りを見渡した。だけど、瑞稀の姿はどこにもなかった。
「瑞稀!どこにいるのー!?」
私は大声で呼んだけど、返事は帰ってこなかった。
人混みの中で、私は完全に迷子になってしまった。
そうだ、電話…。
焦りと不安が募る中、私は携帯を取り出して瑞稀に電話をかけようとした。
その瞬間、誰かとぶつかってしまった。
「あ、すみません」
相手は大柄な男だった。
ぶつかった衝撃で私の携帯が地面に落ち、画面がひび割れてしまった。
絶望感が一気に押し寄せた。
「何やってんだよ!」
男は怒った声で言った。
ちょっと!前見てなかったのはお互い様でしょ!?というか私の方が携帯壊れて大変なんですけど!?
って言ってやろうと思ったけど、やめた。
流石に、勝てる見込みはなかったから。
「すみません、急いでいたもので…」
私は謝りながら、壊れた携帯を拾い上げた。
画面は完全に使い物にならなくなっていた。
あちゃ…
これじゃ瑞稀に連絡できないな、
「気をつけろよ」
男は不機嫌そうに言い残して去っていった。
文句も言えずにただ後ろ姿に中指を立てることしか出来なかった。
途方に暮れてしまった。
瑞稀に連絡する手段がなくなった。
どうしよう…。
このままだと迷子センターに行くしか…。
瑞稀の声は冷たかった。
なんか、怒ってる…?
「二人の時もあるよ」
私は正直に答えた。
「へー、」
瑞稀は興味なさそうに言った。
興味無いなら最初っから聞くなよ。
「瑞稀、まだ怒ってる?」
瑞稀の気持ちが気になって仕方なかった。
「…初めから怒ってない」
瑞稀はそっけなく答えた。
怒ってないわけない。顔を見たら分かる。
「仲直りしたばっかりなのに、また喧嘩したくない。何か思ってることがあるなら言って欲しい」
私は真剣に言った。
瑞稀との関係を大切にしたかった。
「別に…俺とはあんまり呑んでないけどなって思っただけ」
瑞稀は少し寂しそうに言った。
「それって嫉妬…?」
私は半分冗談で尋ねた。
瑞稀が嫉妬なんてする訳…
「…そうかもな」
否定されると思ったのに、瑞稀の答えに驚いた。
「瑞稀、最近おかしいよ」
「何がだよ」
瑞稀は笑って答えた。
その笑顔を見るだけで、
「なんか、だってドキドキするだもん!」
初めは動悸かと思った。
だけど違った。
どうしてか、瑞稀の顔を見るとドキドキしてしまう。
「それは俺がおかしいんじゃなくて、お前がおかしいんだろ」
瑞稀は軽くからかうように言った。
「あ、そっか確かに…」
「バカだな」
瑞稀は笑いながら言った。
その後、足がだんだん疲れてきて、休憩しようとカフェを探した。
お昼の時間になったからか、途中で人混みが増えてきた。
私は瑞稀の隣を歩いていたけど、ふとした瞬間に人波に飲まれてしまった。
「瑞稀…?」
私は周りを見渡した。だけど、瑞稀の姿はどこにもなかった。
「瑞稀!どこにいるのー!?」
私は大声で呼んだけど、返事は帰ってこなかった。
人混みの中で、私は完全に迷子になってしまった。
そうだ、電話…。
焦りと不安が募る中、私は携帯を取り出して瑞稀に電話をかけようとした。
その瞬間、誰かとぶつかってしまった。
「あ、すみません」
相手は大柄な男だった。
ぶつかった衝撃で私の携帯が地面に落ち、画面がひび割れてしまった。
絶望感が一気に押し寄せた。
「何やってんだよ!」
男は怒った声で言った。
ちょっと!前見てなかったのはお互い様でしょ!?というか私の方が携帯壊れて大変なんですけど!?
って言ってやろうと思ったけど、やめた。
流石に、勝てる見込みはなかったから。
「すみません、急いでいたもので…」
私は謝りながら、壊れた携帯を拾い上げた。
画面は完全に使い物にならなくなっていた。
あちゃ…
これじゃ瑞稀に連絡できないな、
「気をつけろよ」
男は不機嫌そうに言い残して去っていった。
文句も言えずにただ後ろ姿に中指を立てることしか出来なかった。
途方に暮れてしまった。
瑞稀に連絡する手段がなくなった。
どうしよう…。
このままだと迷子センターに行くしか…。
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