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女優デビュー編 1
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「ちょっといいか?」
練習の休憩中にマネージャーさんに呼び出された。
普段呼び出されることなんてないのに、何かしちゃったかな。
心臓が少し早くなる。
だけど、怒られるとか、そういうのじゃなくてむしろ…
「純怜にドラマのオファーが来てるんだ。それも主演で」
「え、私にですか…?」
演技なんてしたことないのに、初出演が主演だなんて信じられない。
「他のメンバーがいたら騒いで、純怜の本当の気持ちを聞けないと思ってね。どうだ?やってみたいか?」
マネージャーさんの真剣な眼差しに、少し緊張が走る。
今回断ってしまったら、こんなチャンスは二度と訪れないって分かってる。
できることなら受けたい。けど、
自分の決断に自信が持てない。
「今回は…お断りさせてください」
視線を落としながら答えた。
「興味無いのか?」
マネージャーさんの声が少し柔らかくなる。
「いえ、挑戦してみたい気持ちもありますが…撮影をしてる間はダンスの練習が出来ないので。今でも差があるのに、もっと差がついたりなんかしたら私、取り返しがつかなくなりそうで…」
自分の不安を正直に伝える。
みんなに迷惑かけたくない。ただそれだけだった。
「興味はあるけど、今はまだできないって事か?」
「はい。せっかくいい機会を与えてくださったのに、すみません」
自分の選択が正しいのか分からない。
「やってみなよ」
突然の声に振り向くと、雄大お兄ちゃんが立っていた。
「雄大お兄ちゃん…」
「ごめん。心配で後をつけてた」
雄大お兄ちゃんの後ろには、メンバー全員が立っていた。
「やりたいと思うならやってみなきゃ!俺だってドラマ出たけど、やって良かったって思ったよ?」
陽向くんは昨年ドラマに出演していた。
陽向くんはダンスが上手いからできたことで…
「ダンスの事が心配なら俺が何時間でも付き合うからさ、」
そう言って流星くんが優しく微笑んだ。
「俺も俺も」
他のメンバーも声を上げた。
「みんな…」
感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。
こんなに応援してくれる仲間がいるなんて。
「それじゃあもう一度聞く。純怜、挑戦してみないか?」
「挑戦してみたいです」
決意を込めて答える。
自分の中で何かが変わった瞬間だった。
「うわ~純怜が女優デビューか」
みんなが歓声を上げた。
今度こそ、自分の決断が正しかったと感じた。
「ちなみに、恋愛ドラマだ」
マネージャーさんが続ける。
恋愛ドラマなんて、想像もしていなかった。
「へ、へーいいんじゃない?」
「もちろんキスシーンもあるぞ」
マネージャーさんが冗談めかして言う。
「え…」
顔が赤くなるのを感じる。
そんなシーンがあるなんて、まだ心の準備ができていない。
「相手の作優さんは杉浦壱月さんだ」
マネージャーさんが名前を告げる。
「え、つっくん!?つっくんか~なんだか複雑だなぁ」
陽向くんが驚きの声を上げた。
壱月さんは、陽向くんが以前出演したドラマで共演して、すごく仲良くなった俳優さんらしく。
つっくんというあだ名をつけて呼んでいるそう。
「俺たちにできることがあったら協力するからなんでも言ってね?」
智哉兄が優しくそう言ってくれた。
「ありがとうございます」
みんなの支えがあるからこそ、挑戦する勇気が湧いてくる。
ドラマに出るという選択肢を選んだのは私で、演技は初めてだからみんなの足を引っ張らないように頑張ろうって、
この時まではやる気だけでどうにかなると思ってた。
練習の休憩中にマネージャーさんに呼び出された。
普段呼び出されることなんてないのに、何かしちゃったかな。
心臓が少し早くなる。
だけど、怒られるとか、そういうのじゃなくてむしろ…
「純怜にドラマのオファーが来てるんだ。それも主演で」
「え、私にですか…?」
演技なんてしたことないのに、初出演が主演だなんて信じられない。
「他のメンバーがいたら騒いで、純怜の本当の気持ちを聞けないと思ってね。どうだ?やってみたいか?」
マネージャーさんの真剣な眼差しに、少し緊張が走る。
今回断ってしまったら、こんなチャンスは二度と訪れないって分かってる。
できることなら受けたい。けど、
自分の決断に自信が持てない。
「今回は…お断りさせてください」
視線を落としながら答えた。
「興味無いのか?」
マネージャーさんの声が少し柔らかくなる。
「いえ、挑戦してみたい気持ちもありますが…撮影をしてる間はダンスの練習が出来ないので。今でも差があるのに、もっと差がついたりなんかしたら私、取り返しがつかなくなりそうで…」
自分の不安を正直に伝える。
みんなに迷惑かけたくない。ただそれだけだった。
「興味はあるけど、今はまだできないって事か?」
「はい。せっかくいい機会を与えてくださったのに、すみません」
自分の選択が正しいのか分からない。
「やってみなよ」
突然の声に振り向くと、雄大お兄ちゃんが立っていた。
「雄大お兄ちゃん…」
「ごめん。心配で後をつけてた」
雄大お兄ちゃんの後ろには、メンバー全員が立っていた。
「やりたいと思うならやってみなきゃ!俺だってドラマ出たけど、やって良かったって思ったよ?」
陽向くんは昨年ドラマに出演していた。
陽向くんはダンスが上手いからできたことで…
「ダンスの事が心配なら俺が何時間でも付き合うからさ、」
そう言って流星くんが優しく微笑んだ。
「俺も俺も」
他のメンバーも声を上げた。
「みんな…」
感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。
こんなに応援してくれる仲間がいるなんて。
「それじゃあもう一度聞く。純怜、挑戦してみないか?」
「挑戦してみたいです」
決意を込めて答える。
自分の中で何かが変わった瞬間だった。
「うわ~純怜が女優デビューか」
みんなが歓声を上げた。
今度こそ、自分の決断が正しかったと感じた。
「ちなみに、恋愛ドラマだ」
マネージャーさんが続ける。
恋愛ドラマなんて、想像もしていなかった。
「へ、へーいいんじゃない?」
「もちろんキスシーンもあるぞ」
マネージャーさんが冗談めかして言う。
「え…」
顔が赤くなるのを感じる。
そんなシーンがあるなんて、まだ心の準備ができていない。
「相手の作優さんは杉浦壱月さんだ」
マネージャーさんが名前を告げる。
「え、つっくん!?つっくんか~なんだか複雑だなぁ」
陽向くんが驚きの声を上げた。
壱月さんは、陽向くんが以前出演したドラマで共演して、すごく仲良くなった俳優さんらしく。
つっくんというあだ名をつけて呼んでいるそう。
「俺たちにできることがあったら協力するからなんでも言ってね?」
智哉兄が優しくそう言ってくれた。
「ありがとうございます」
みんなの支えがあるからこそ、挑戦する勇気が湧いてくる。
ドラマに出るという選択肢を選んだのは私で、演技は初めてだからみんなの足を引っ張らないように頑張ろうって、
この時まではやる気だけでどうにかなると思ってた。
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