11 / 41
スターライトとの出会い編 11
しおりを挟む「今日はここまでにしようか。みんなお疲れ様」
終わった…
みんなについて行くのに必死で、自分のダンスを見直す時間もなかった。
「お疲れ様~!あー、疲れた」
雄大さんはストレッチをしながら、大きく伸びをしていた。
「純怜ちゃんは帰らないの?」
陽向さんはタオルで汗を拭きながら、私に優しく声をかけてくれた。
「あ、えっと…もう少し練習してから帰ります」
もっと練習しなければという焦りが心の中にあった。 今の私に出来ることは、ひたすら努力することだけ。
「そう?無理しないでね」
陽向さんは心配そうに私を見つめていた。
「はい、ありがとうございます」
私は微笑みながら答えた。
心の中ではもっと上手くなりたいという思いでいっぱいだった。
天馬は俺も一緒に残ろうかって言ってくれたけど、疲れているだろうから断った。
これ以上迷惑かけてしまうのが、申し訳なかった。
私のダメなところは、ダンスに集中し過ぎると時間を忘れること。
鏡の前で自分の動きを確認しながら、もっと上手くなりたくて必死だった。
「…きろ、起きろ!」
疲れ果てて気づいたら寝てしまっていた。
誰かが私を呼ぶ声で目を覚ました私は、周りを見渡して自分がどこにいるのかを確認した。
「っ、はっ、私…ね、てた…?」
まだ頭が回らなくてボーっとしていた。
目もちゃんと開いてなくて顔がよく見えなかったんだけど、まさか凛月さんだとは思ってもいなかった。
「り、凛月さん…、」
驚きと少しの緊張を感じながら、凛月に声をかけた。
そうだ。ダンスの練習して、疲れてそのまま寝ちゃったんだ。
「…なんでこんなとこで寝てんの」
どうしてこんなところで寝てしまったのかと少し恥ずかしさを感じた。
「ご、ごめんなさい。私、昨日練習してそのまま寝ちゃってたみたいです」
凛月さんに見られてしまったことに対する恥ずかしさが胸に広がった。
ダンススタジオで寝てしまうことはよくあるけど、誰かに見られたのは今日が初めてだ。
「は?昨日一回も家に帰ってねぇの」
「そうみたいです」
自分の行動に少し恥ずかしさを感じながら、凛月さんの視線を避けるように答えた。
「何やってんだよ。みんな心配してると思うから今からでも家に帰れ」
時計を見てみると、朝の6時だった。
どうしよう、
家出したと思われてるかも、?
早く帰ってみんなに謝らなければという焦りが湧いてきた。
「え、凛月さんはどうしてここに」
「別に。練習しに来ただけ」
こんな時間から…
やっぱり私って練習不足なんだな。
自分の未熟さを痛感した。
「何?早く行けよ」
「は、はい。…あの、ありがとうございます!」
急いで荷物をまとめながら、感謝の気持ちを伝えた。
「…何が」
こいつマジでなんなの?って顔してる。
凛月さんの無表情な顔を見て、少し戸惑ったが、それでも感謝の気持ちは変わらなかった。
1
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
俺の妖精すぎるおっとり妻から離縁を求められ、戦場でも止まらなかった心臓が止まるかと思った。何を言われても別れたくはないんだが?
イセヤ レキ
恋愛
「離縁致しましょう」
私の幸せな世界は、妻の言い放ったたった一言で、凍りついたのを感じた──。
最愛の妻から離縁を突きつけられ、最終的に無事に回避することが出来た、英雄の独白。
全6話、完結済。
リクエストにお応えした作品です。
単体でも読めると思いますが、
①【私の愛しい娘が、自分は悪役令嬢だと言っております。私の呪詛を恋敵に使って断罪されるらしいのですが、同じ失敗を犯すつもりはございませんよ?】
母主人公
※ノベルアンソロジー掲載の為、アルファポリス様からは引き下げております。
②【私は、お母様の能力を使って人の恋路を邪魔する悪役令嬢のようです。けれども断罪回避を目指すので、ヒーローに近付くつもりは微塵もございませんよ?】
娘主人公
を先にお読み頂くと世界観に理解が深まるかと思います。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
【完結】番が見つかった恋人に今日も溺愛されてますっ…何故っ!?
ハリエニシダ・レン
恋愛
大好きな恋人に番が見つかった。
当然のごとく別れて、彼は私の事など綺麗さっぱり忘れて番といちゃいちゃ幸せに暮らし始める……
と思っていたのに…!??
狼獣人×ウサギ獣人。
※安心のR15仕様。
-----
主人公サイドは切なくないのですが、番サイドがちょっと切なくなりました。予定外!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる