11 / 42
スターライトとの出会い編 11
しおりを挟む「今日はここまでにしようか。みんなお疲れ様」
終わった…
みんなについて行くのに必死で、自分のダンスを見直す時間もなかった。
「お疲れ様~!あー、疲れた」
雄大さんはストレッチをしながら、大きく伸びをしていた。
「純怜ちゃんは帰らないの?」
陽向さんはタオルで汗を拭きながら、私に優しく声をかけてくれた。
「あ、えっと…もう少し練習してから帰ります」
もっと練習しなければという焦りが心の中にあった。 今の私に出来ることは、ひたすら努力することだけ。
「そう?無理しないでね」
陽向さんは心配そうに私を見つめていた。
「はい、ありがとうございます」
私は微笑みながら答えた。
心の中ではもっと上手くなりたいという思いでいっぱいだった。
天馬は俺も一緒に残ろうかって言ってくれたけど、疲れているだろうから断った。
これ以上迷惑かけてしまうのが、申し訳なかった。
私のダメなところは、ダンスに集中し過ぎると時間を忘れること。
鏡の前で自分の動きを確認しながら、もっと上手くなりたくて必死だった。
「…きろ、起きろ!」
疲れ果てて気づいたら寝てしまっていた。
誰かが私を呼ぶ声で目を覚ました私は、周りを見渡して自分がどこにいるのかを確認した。
「っ、はっ、私…ね、てた…?」
まだ頭が回らなくてボーっとしていた。
目もちゃんと開いてなくて顔がよく見えなかったんだけど、まさか凛月さんだとは思ってもいなかった。
「り、凛月さん…、」
驚きと少しの緊張を感じながら、凛月に声をかけた。
そうだ。ダンスの練習して、疲れてそのまま寝ちゃったんだ。
「…なんでこんなとこで寝てんの」
どうしてこんなところで寝てしまったのかと少し恥ずかしさを感じた。
「ご、ごめんなさい。私、昨日練習してそのまま寝ちゃってたみたいです」
凛月さんに見られてしまったことに対する恥ずかしさが胸に広がった。
ダンススタジオで寝てしまうことはよくあるけど、誰かに見られたのは今日が初めてだ。
「は?昨日一回も家に帰ってねぇの」
「そうみたいです」
自分の行動に少し恥ずかしさを感じながら、凛月さんの視線を避けるように答えた。
「何やってんだよ。みんな心配してると思うから今からでも家に帰れ」
時計を見てみると、朝の6時だった。
どうしよう、
家出したと思われてるかも、?
早く帰ってみんなに謝らなければという焦りが湧いてきた。
「え、凛月さんはどうしてここに」
「別に。練習しに来ただけ」
こんな時間から…
やっぱり私って練習不足なんだな。
自分の未熟さを痛感した。
「何?早く行けよ」
「は、はい。…あの、ありがとうございます!」
急いで荷物をまとめながら、感謝の気持ちを伝えた。
「…何が」
こいつマジでなんなの?って顔してる。
凛月さんの無表情な顔を見て、少し戸惑ったが、それでも感謝の気持ちは変わらなかった。
1
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる