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スターライトとの出会い編 11
しおりを挟む「今日はここまでにしようか。みんなお疲れ様」
終わった…
みんなについて行くのに必死で、自分のダンスを見直す時間もなかった。
「お疲れ様~!あー、疲れた」
雄大さんはストレッチをしながら、大きく伸びをしていた。
「純怜ちゃんは帰らないの?」
陽向さんはタオルで汗を拭きながら、私に優しく声をかけてくれた。
「あ、えっと…もう少し練習してから帰ります」
もっと練習しなければという焦りが心の中にあった。 今の私に出来ることは、ひたすら努力することだけ。
「そう?無理しないでね」
陽向さんは心配そうに私を見つめていた。
「はい、ありがとうございます」
私は微笑みながら答えた。
心の中ではもっと上手くなりたいという思いでいっぱいだった。
天馬は俺も一緒に残ろうかって言ってくれたけど、疲れているだろうから断った。
これ以上迷惑かけてしまうのが、申し訳なかった。
私のダメなところは、ダンスに集中し過ぎると時間を忘れること。
鏡の前で自分の動きを確認しながら、もっと上手くなりたくて必死だった。
「…きろ、起きろ!」
疲れ果てて気づいたら寝てしまっていた。
誰かが私を呼ぶ声で目を覚ました私は、周りを見渡して自分がどこにいるのかを確認した。
「っ、はっ、私…ね、てた…?」
まだ頭が回らなくてボーっとしていた。
目もちゃんと開いてなくて顔がよく見えなかったんだけど、まさか凛月さんだとは思ってもいなかった。
「り、凛月さん…、」
驚きと少しの緊張を感じながら、凛月に声をかけた。
そうだ。ダンスの練習して、疲れてそのまま寝ちゃったんだ。
「…なんでこんなとこで寝てんの」
どうしてこんなところで寝てしまったのかと少し恥ずかしさを感じた。
「ご、ごめんなさい。私、昨日練習してそのまま寝ちゃってたみたいです」
凛月さんに見られてしまったことに対する恥ずかしさが胸に広がった。
ダンススタジオで寝てしまうことはよくあるけど、誰かに見られたのは今日が初めてだ。
「は?昨日一回も家に帰ってねぇの」
「そうみたいです」
自分の行動に少し恥ずかしさを感じながら、凛月さんの視線を避けるように答えた。
「何やってんだよ。みんな心配してると思うから今からでも家に帰れ」
時計を見てみると、朝の6時だった。
どうしよう、
家出したと思われてるかも、?
早く帰ってみんなに謝らなければという焦りが湧いてきた。
「え、凛月さんはどうしてここに」
「別に。練習しに来ただけ」
こんな時間から…
やっぱり私って練習不足なんだな。
自分の未熟さを痛感した。
「何?早く行けよ」
「は、はい。…あの、ありがとうございます!」
急いで荷物をまとめながら、感謝の気持ちを伝えた。
「…何が」
こいつマジでなんなの?って顔してる。
凛月さんの無表情な顔を見て、少し戸惑ったが、それでも感謝の気持ちは変わらなかった。
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