国民的アイドルの愛され末っ子は紅一点!?

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スターライトとの出会い編 2

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 複雑な感情が胸に渦巻いていた。

 自分がスターライトのメンバーに迷惑をかけたくないという気持ちと、アイドルとしての夢を諦めたくないという気持ちが交錯していた。

 断ったってことは、今までの練習生だった時間が無駄になったってこと。

 もう会社を辞めないといけないかもしれない…

 最悪の場合、夢は諦めないといけない。

 泣いても仕方から、ダンスをして気を紛らわそう。ここで練習できるのもきっと今日で最後なんだから...

 そう思いながら、ダンススタジオに向かった。

 スタジオに入ると、誰もいない静かな空間が広がっていた。

 壁には大きな鏡があり、床はピカピカに磨かれている。

 いつもは賑やかなこの場所が、今日はまるで私だけのために用意されたかのように静まり返っていた。

 深呼吸をして、最後のつもりで踊り始めた。

 音楽が流れ始めると、体は自然とリズムに乗り、心の中の不安や悲しみを忘れるかのように、全力で踊り続けた。

 だから私はダンスが好きだ。

 現実も忘れることができるから。

 汗が滴り落ち、息が切れるまで踊り続けた私は、次第に体力が限界に近づいていることに気づかなかった。

 突然、視界がぼやけ、足元がふらついた。

 もう少しだけ…

 そう思いながらも、体が言うことを聞かなくなり、その場に倒れ込んでしまった。

 床の冷たさが肌に伝わり、意識が遠のいていくのを感じた。

 その時、スタジオのドアが開き、誰かが入ってきた。

 その人物は、スタジオの静寂を破るように足音を響かせながら近づいてきた。

 私はぼんやりとした視界の中で、その人影を見つめた。

 誰…?

 心の中で問いかけながらも、体は動かず、ただその場に倒れたままだった。

「大丈夫か?」

 その声は優しく、心配そうだった。

 私はその声に反応しようとしたが、言葉が出てこなかった。ただ、かすかにうなずくことしかできなかった。

 この声どこかで聞いたことがあるような気がする…

 その人物は私のそばにひざまずき、そっと肩に手を置いた。

「無理しすぎたんだな。少し休もう」

 その言葉に、私は少しだけ安心感を覚えた。

 誰かが自分を気にかけてくれている、その事実が心に温かさをもたらした。

 安心したからだろうか、体の緊張が一気に解けたように感じた。

「大丈夫で…っはぁ、はぁ、…っ、」

 過呼吸を起こしてしまった。息が荒くなり、胸が苦しくなってきた。

 呼吸がうまくできず、視界がさらにぼやけていく。

「お、おい!しっかりしろ!」


 その人物の声が焦りを帯びていたが、私はそのまま意識を失ってしまった。
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