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スターライトとの出会い編 1

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 ある日突然、事務所の社長に呼び出された。

 何かやらかしてしまったか、何も問題は起こしていないはずだけど…

 何が起こったのか全く分からず、緊張しながら社長室のドアをノックした。

「失礼します、星宮純怜すみれです。」

「おお、純怜くん、入ってくれ。」
 社長はにこやかに迎え入れた。

 社長室に入ると、社長がデスクの向こう側に座っているのが見えた。社長は私に向かって微笑みながら言った。

「純怜くん。君をデビューさせることに決まったよ」
「えっ、本当ですか?」

 その言葉を聞いて、驚きと喜びで胸がいっぱいになった。

「そうだ。君の才能を見込んで、スターライトの新メンバーとしてデビューしてもらう」

「それはどう言う…」

 その瞬間、社長室のドアが開き、スターライトのメンバーたちが入ってきた。

 彼らは私を見て、驚きと戸惑いの表情を浮かべた。

「社長、お話があると伺って参りましたが、先客の方がいらっしゃるようですので…また後ほどお伺いいたします」

「いや、その必要は無い。君たちに紹介したい人がいるんだ。ここいる星宮純玲くんを新メンバーに追加する」

「ちょっと待ってください、社長。新メンバー追加の件は以前断ったはずですが、これは一体どういうことですか?」

 リーダーの 橘智哉たちばなともやが問いただした。

「そのままの意味だ、半年後にはもう純怜をいれた八人で活動をしてもらう」

「どうして、」

 なんの前触れもなくそんなの…
 私だって戸惑ってる。

 国民的アイドルグループ「スターライト」は、メンバーの一人が突然脱退することになり、急遽新メンバーを募集することになった。

 という話を人伝に聞いたことがあった。

 その新メンバーが私だったなんて。

 メンバーたちは納得していない様子だった。

 そんなの、当たり前か。

「…俺は反対です」
「ちょっと、凛月りつ

「だってそうだろ?陽向ひなたは反対じゃないのかよ」
「それはそうだけど…でも…」

 私がいるから、気を遣わせてしまっているのか。

 だけど、やっぱり、そうだよね。

 途中から入ってこられても迷惑なだけ…

「僕たちは男性だけのグループとしてやってきたんです。それなのに、突然女性が入るなんて…」

 中村流星が反対の声を上げた。

「そうですよ。ファンも混乱するだろうし、グループのイメージが変わってしまう」

 長谷川凌久りくも同意した。

 その言葉を聞いて、胸が痛んだ。

 自分がグループにいるだけで、迷惑をかけるのではないかと不安になった。

「私たちはみんな反対です。彼女がどうこういう訳ではなく、私たちはこのメンバーでずっと走ってきました。これからもそれをやめるつもりはありません」

 今まで積み上げてきたものが私のせいで崩れてしまう。

「そうは言われても、もう決まったことなんだ。お前たちがなんと言おうと、決して変えられることではない」

 私だって…

 そんなの反対だよ、

「社長、私も…やっぱり加わらない方がいいと思います。ファンのためにも、スターライトのためにも…」

 涙をこらえながら言った。

 そんなことを言うとは思っていなかったのか、みんなびっくりしていた。

「純怜くん、どうして…」

 社長は困惑した表情を浮かべたが、私の決意を感じ取ったようだった。

「私はデビューの為だけに、ずっと頑張ってきました。スターライトのメンバーになれることは、凄く嬉しいし、光米なことです。だけど、もしも私がメンバーになったら…ファンのみんなはどう思うか私が一番よく分かります。だって、私もファンだから。ファンを悲しませることは一番してはいけないことだと思います。ですから、この話はなかったことにしてください。失礼します」


 深く頭を下げて、社長室を出た。


 やってしまった…


 だけど、後悔はしてない。




 これで良かったんだ。
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