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第15話
しおりを挟む「え、どうして急に...」
そりゃそうなるよね、
「急じゃない。あなたといることに飽きたの。前からそう思っていたけど貴方のことを思うと言えなかった」
ずっと前から早く離れないとって思っていたけど、出来なかった。
あと少しだけ、あと少しだけって…ここまで来てしまった。
「そう思うなら、これからも『いつまでも続けられないから』」
「こんな先の見えない関係意味ない」
社長は幸せにならないといけない。
「俺の、どこがだめだったのか聞いてもいい?」
駄目なとこなんてなかった。むしろ好きになる一方だったよ。
「私は追われるより追う恋がしたいの。あなたの事を追いたいなんてこれっぽっちも思わなかったわ」
「そっか、そうだったんだね。今まで俺の我儘に付き合ってくれてたんだね」
「…」
我儘を沢山言ったのは、私の方なのに。
こんな我儘な女知るかって、突き放して、嫌いになってよ
「俺のこと、一度でも男として見れなかった…?」
「...ええ、」
そんなわけない。そんなわけないのに。
「そっか。今まで煩わせてごめん。幸せになってね」
泣くのを必死に我慢してる。
そんな顔させたくないのに。
あなたには笑っていて欲しいのに。
最後の最後まであなたは優しい。
「…あなたもね、」
私は我儘だから、
一ヶ月。あと一ヶ月だけ。
私の我儘に付き合ってください。
一ヶ月が過ぎたら…
そのあと、あなたは璦と婚約することになる。
そして、私がどれだけ悪い奴なのか知ることになる。
今は私と別れて悲しいかもしれない。
だけど、真実を知ったあなたはきっと私のことを嫌いになる。
短い間だったけど、
社長といられてほんとに幸せでした。
ありがとう。そして、ごめんなさい。
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