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絆の花
第16話:揺れる心と新たな一歩
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「美月おめでとう!」
歩乃華が笑顔で駆け寄ってきた。
「ありがとう。歩乃華のおかげだよ。あの後大丈夫だった?」
「うん。まぁ、暴れてはいたけどね」
歩乃華は肩をすくめた。
「大変だったよね」
ほんとに、申し訳ない。
お兄ちゃんがどんなに面倒臭いか、私が1番よく分かってるから。
「いいんだよ。てか、美月の方こそ大丈夫だった?付き合うこと納得してくれたの?」
歩乃華は優しく問いかけた。
「それが…」
私は視線を落とし、言葉を濁した。
___
「お、お兄ちゃんおかえり」
玄関でお兄ちゃんを迎えた。
内心はドキドキだった。
「ただいま」
お兄ちゃんは靴を脱ぎながら答えた。
「あの、」
私は少し緊張しながら口を開いた。
「蒼大くんと付き合ったんでしょ?」
私の緊張を他所に、お兄ちゃんは何気なく言った。
「うん、」
バレてるとは思ったけど、
なんて言われるのか、怖い。
認めない?
許さない?
今すぐ別れろ?
それとも…
「良かったね」
そう言ってお兄ちゃんは微笑んだ。
ヨカッタ?
「…え?」
私の、聞き間違い、だよね、
「ん?」
お兄ちゃんは首をかしげた。
「い、今良かったねって、」
「うん。そう言ったよ」
聞き間違いじゃない…、?
「それだけ…?」
もっと他に何か、言われると思ってたのに、
「それだけだけど?…あ、」
「な、何、」
「おめでとう」
お兄ちゃんは再び微笑んだ。
「あ、ありがとう…」
私は少し戸惑いながらも感謝の言葉を返した。
___
「ビックリするぐらい何も無かったんだよ?あのお兄ちゃんがだよ?おかしくない?」
今までのお兄ちゃんの行動を見てる限り、
止めるどころか応援するなんて。
未だに信じられない。
「まぁ、蒼大くんだし?非の打ち所がないからじゃない?」
「そうなのかな」
ほんとにそれだけなのかな。
なんか、いつもより口数が少ない気もするし、
嫌々認めてくれてるような気もする。
嫌々認めるって柄でもないか…
でも、何か、とにかくおかしい。
「美月おはよう」
「あ、蒼大。おはよう」
なんか、蒼大の顔みてたら悩み事も全部吹っ飛んじゃった。
「ヒューヒュー!朝からお熱いですね!」
「もう、からかわないでよ」
「歩乃華ちゃん、昨日はありがとう」
「いいってことよ!」
私達の会話を聞いていたのか、クラスメイトの一人が声をかけてきた。
「美月、蒼大くんと付き合ってるって本当?」
「うん、そうだよ」
私は少し照れながら答えた。
「そ、うなんだ」
その瞬間、クラスメイトが一斉に集まって来た。
「すごい!おめでとう!」
「ありがとう」
「どっちから告白したの?」
「俺からだよ」
「キャー!」
その後も質問は続き…
私は笑顔で答えたけど、心の中ではまだお兄ちゃんの反応が気になっていた。
歩乃華が笑顔で駆け寄ってきた。
「ありがとう。歩乃華のおかげだよ。あの後大丈夫だった?」
「うん。まぁ、暴れてはいたけどね」
歩乃華は肩をすくめた。
「大変だったよね」
ほんとに、申し訳ない。
お兄ちゃんがどんなに面倒臭いか、私が1番よく分かってるから。
「いいんだよ。てか、美月の方こそ大丈夫だった?付き合うこと納得してくれたの?」
歩乃華は優しく問いかけた。
「それが…」
私は視線を落とし、言葉を濁した。
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「お、お兄ちゃんおかえり」
玄関でお兄ちゃんを迎えた。
内心はドキドキだった。
「ただいま」
お兄ちゃんは靴を脱ぎながら答えた。
「あの、」
私は少し緊張しながら口を開いた。
「蒼大くんと付き合ったんでしょ?」
私の緊張を他所に、お兄ちゃんは何気なく言った。
「うん、」
バレてるとは思ったけど、
なんて言われるのか、怖い。
認めない?
許さない?
今すぐ別れろ?
それとも…
「良かったね」
そう言ってお兄ちゃんは微笑んだ。
ヨカッタ?
「…え?」
私の、聞き間違い、だよね、
「ん?」
お兄ちゃんは首をかしげた。
「い、今良かったねって、」
「うん。そう言ったよ」
聞き間違いじゃない…、?
「それだけ…?」
もっと他に何か、言われると思ってたのに、
「それだけだけど?…あ、」
「な、何、」
「おめでとう」
お兄ちゃんは再び微笑んだ。
「あ、ありがとう…」
私は少し戸惑いながらも感謝の言葉を返した。
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「ビックリするぐらい何も無かったんだよ?あのお兄ちゃんがだよ?おかしくない?」
今までのお兄ちゃんの行動を見てる限り、
止めるどころか応援するなんて。
未だに信じられない。
「まぁ、蒼大くんだし?非の打ち所がないからじゃない?」
「そうなのかな」
ほんとにそれだけなのかな。
なんか、いつもより口数が少ない気もするし、
嫌々認めてくれてるような気もする。
嫌々認めるって柄でもないか…
でも、何か、とにかくおかしい。
「美月おはよう」
「あ、蒼大。おはよう」
なんか、蒼大の顔みてたら悩み事も全部吹っ飛んじゃった。
「ヒューヒュー!朝からお熱いですね!」
「もう、からかわないでよ」
「歩乃華ちゃん、昨日はありがとう」
「いいってことよ!」
私達の会話を聞いていたのか、クラスメイトの一人が声をかけてきた。
「美月、蒼大くんと付き合ってるって本当?」
「うん、そうだよ」
私は少し照れながら答えた。
「そ、うなんだ」
その瞬間、クラスメイトが一斉に集まって来た。
「すごい!おめでとう!」
「ありがとう」
「どっちから告白したの?」
「俺からだよ」
「キャー!」
その後も質問は続き…
私は笑顔で答えたけど、心の中ではまだお兄ちゃんの反応が気になっていた。
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