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ひまわりの咲く頃に
第13話:揺れる心の花
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私たちの間に割り込むようにして、入ってきた。
「なんの話しをしてたの?」
もしかしたら、私と同じ気持ちかもしれない。
そう思ったのに、お兄ちゃんが来たから最後まで聞けなかったんだよ。とは言えない。
ムカつくから教えてあげない。
「…お兄ちゃんには言わない」
「えぇ、何それ~」
「花の話をしてただけですよ。ね、美月」
お兄ちゃんには知られたくないという私の心情を読み取ってくれたのか、その事には触れないでくれた。
確かに、お花の話をしていたのは事実だから。
「そうそう、」
お兄ちゃんは少し疑わしげに私たちを見たけど、やがて肩をすくめた。
「まぁ、いいけど。花に水やりしよっか」
「うん、そうしよう」
と私は答えた。
お兄ちゃんが庭に向かうと、私と彼は少しだけ目を合わせた。
彼の目には、何か言いたげな光が宿っていたけれど、言葉にはならなかった。
「美月、ちょっと手伝ってくれる?」
お兄ちゃんの声が庭から聞こえてきた。
「あ、うん。今行く」
そう答えながら、私は彼に小さく微笑んだ。
「蒼大も行こ」
そう言い、庭に向かって歩き出した。
お兄ちゃんと一緒に花に水をやりながら、心の中では彼との会話の続きを楽しみにしていた。
何か大切なことが、まだ言葉になっていない気がしてならなかった。
庭の花々が輝く中で、私たちの心も少しずつ開いていくような気がした。
「花って何の話?」
お兄ちゃんが水やりをしながら尋ねてきた。
「え?」
「いや、さっき花の話してたって言ってたから」
「あ、ああ。昨日楽しかったねって」
「それだけ?」
「ん?」
「あと、ひまわり。昨日のお礼してた。それだけ」
「…じゃあ告白された?」
お兄ちゃんの言葉に、私は一瞬ドキッとした。
「え、なんで…」
どう答えたらいいのか分からず、言葉に詰まってしまった。
どうしてバレて…
もしかして、花言葉、知ってたの…?
「美月、顔が赤いよ」
お兄ちゃんがからかうように笑った。
「そ、そんなことないよ!」
慌てて否定したけど、心臓の鼓動が早くなるのを感じた。
「まあ、仲良いのが一番だからね」
お兄ちゃんはそう言って、再び水やりに集中した。
意外だ…
もっと問い詰められるかと思ってた。
その時、蒼大が庭にやってきた。
「美月、ホース取って」
「あ、うん」
私は蒼大にホースを渡し、一緒に花に水をやり始めた。
「さっきの続き、話したいな」
蒼大が小声で囁いた。
「うん、私も」
私は彼に微笑み返しながら答えた。
「じゃあ、また後でまた話そうね」
蒼大の言葉に、私は小さく頷いた。
お兄ちゃんがいる前では、これ以上話を続けるのは難しい。
でも、心の中では蒼大の言葉の続きを楽しみにしていた。
「今日はこれぐらいにしよっか」
お兄ちゃんが満足そうに言った。
「うん、そうだね」
私はそう答えながら、蒼大と目を合わせた。
その後、私たちは庭の手入れを終え、教室に向かった。
蒼大と二人きりになれる時間が待ち遠しかった。
彼が何を言おうとしていたのか、早く知りたい。
そして、私の気持ちも少しずつ伝えていけたらいいなと思った。
「なんの話しをしてたの?」
もしかしたら、私と同じ気持ちかもしれない。
そう思ったのに、お兄ちゃんが来たから最後まで聞けなかったんだよ。とは言えない。
ムカつくから教えてあげない。
「…お兄ちゃんには言わない」
「えぇ、何それ~」
「花の話をしてただけですよ。ね、美月」
お兄ちゃんには知られたくないという私の心情を読み取ってくれたのか、その事には触れないでくれた。
確かに、お花の話をしていたのは事実だから。
「そうそう、」
お兄ちゃんは少し疑わしげに私たちを見たけど、やがて肩をすくめた。
「まぁ、いいけど。花に水やりしよっか」
「うん、そうしよう」
と私は答えた。
お兄ちゃんが庭に向かうと、私と彼は少しだけ目を合わせた。
彼の目には、何か言いたげな光が宿っていたけれど、言葉にはならなかった。
「美月、ちょっと手伝ってくれる?」
お兄ちゃんの声が庭から聞こえてきた。
「あ、うん。今行く」
そう答えながら、私は彼に小さく微笑んだ。
「蒼大も行こ」
そう言い、庭に向かって歩き出した。
お兄ちゃんと一緒に花に水をやりながら、心の中では彼との会話の続きを楽しみにしていた。
何か大切なことが、まだ言葉になっていない気がしてならなかった。
庭の花々が輝く中で、私たちの心も少しずつ開いていくような気がした。
「花って何の話?」
お兄ちゃんが水やりをしながら尋ねてきた。
「え?」
「いや、さっき花の話してたって言ってたから」
「あ、ああ。昨日楽しかったねって」
「それだけ?」
「ん?」
「あと、ひまわり。昨日のお礼してた。それだけ」
「…じゃあ告白された?」
お兄ちゃんの言葉に、私は一瞬ドキッとした。
「え、なんで…」
どう答えたらいいのか分からず、言葉に詰まってしまった。
どうしてバレて…
もしかして、花言葉、知ってたの…?
「美月、顔が赤いよ」
お兄ちゃんがからかうように笑った。
「そ、そんなことないよ!」
慌てて否定したけど、心臓の鼓動が早くなるのを感じた。
「まあ、仲良いのが一番だからね」
お兄ちゃんはそう言って、再び水やりに集中した。
意外だ…
もっと問い詰められるかと思ってた。
その時、蒼大が庭にやってきた。
「美月、ホース取って」
「あ、うん」
私は蒼大にホースを渡し、一緒に花に水をやり始めた。
「さっきの続き、話したいな」
蒼大が小声で囁いた。
「うん、私も」
私は彼に微笑み返しながら答えた。
「じゃあ、また後でまた話そうね」
蒼大の言葉に、私は小さく頷いた。
お兄ちゃんがいる前では、これ以上話を続けるのは難しい。
でも、心の中では蒼大の言葉の続きを楽しみにしていた。
「今日はこれぐらいにしよっか」
お兄ちゃんが満足そうに言った。
「うん、そうだね」
私はそう答えながら、蒼大と目を合わせた。
その後、私たちは庭の手入れを終え、教室に向かった。
蒼大と二人きりになれる時間が待ち遠しかった。
彼が何を言おうとしていたのか、早く知りたい。
そして、私の気持ちも少しずつ伝えていけたらいいなと思った。
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