高嶺の花には彼氏ができない！？

ひまわりの咲く頃に

第8話：ひまわりの囁き

フラワーパークに到着すると、目の前には色とりどりの花々が広がっていた。その美しさに思わず息を呑んだ。

「わぁ、すごい…！」

私は思わず感嘆の声を上げた。

「でしょ？ここ、本当に綺麗なんだ」

と蒼大くんが微笑んで言った。

歩乃華も

「本当に綺麗だね」

と同意しながら、少し離れたところで写真を撮り始めた。

「美月～どこから行く？」
「んー、迷うなぁ」

全部見て回りたいけど…

「先輩！私この…えっと、キバナコスモス？が咲いてるところ行きたいです！行きましょ！」

キバナコスモス…
歩乃華もお花に詳しいんだ。

「いや俺は美月と…」

「みんなで行けば『大丈夫！美月は蒼大くんと二人きりで見て来て！ささ、先輩行きましょ！』」

「あ、ちょっ、分かったから、袖引っ張らないで」

過ぎ去る時にウィンクしてたけど…

「俺たちも行こっか」
「そうだね」

歩乃華、お兄ちゃんのこと好きなのかな…


「どの花が一番好き？」
「うーん、全部好きだけど、やっぱりバラが好きかな。でも、ひまわりも好きだし…」

カーネーションも好きだしチューリップも好き。

「そうなんだ。じゃあ、今日は美月が好きな花を全部見ようか」

「いいの？」
「もちろん。じゃあまず、あっちのバラ園に行ってみようか」


「うん、行こう！」

バラ園に向かう途中、蒼大は私に色々な花の名前や特徴を教えてくれた。

バラ園に着くと、そこには赤いバラが一面に咲いていた。

「わぁ、すごい…！」

こんなに綺麗な場所が存在していたなんて。

しばらくの間、バラの美しさに見とれながら、静かに歩き続けた。風が吹くたびに、バラの香りが漂ってきて、心を和ませた。

「蒼大、今日は本当にありがとう。こんな素敵な場所に連れてきてくれて」

感謝の気持ちを伝えると

「こちらこそ、来てくれてありがとう」

そう微笑みながら答えた。

その後、バラ園を出て、他の花々を見に行った。

蒼大と一緒にいる時間がとても楽しくて、あっという間に時間が過ぎていった。

ひまわり畑に着いた時、その壮大な景色に圧倒された。
「きれい…」

太陽のように輝くひまわりが一面に広がり、まるで別世界に来たみたいだった。


「ちょっと待ってて」
と蒼大突然言い、どこかへ走って行った。

しばらくして、蒼大が戻ってきた。手には一輪のひまわりを持っていた。

「美月、これ」
そう言って、そのひまわりを差し出した。

「え、ありがとう」

私のために…

「美月は俺のことを友達として『あ、美月いた！』」
蒼大くんが言いかけたその時、お兄ちゃんの声がした。

「ごめん、もう一回言って？」


蒼大くんは一瞬言葉を止め、微笑んで

「いや、何でもない。行こっか」

そう言った。

何を言おうとしていたんだろう…

歩き出すと、蒼大くんが耳元でそっと囁いた。





「花言葉、調べてみて」