37 / 40
35話 蜃気楼②
しおりを挟む
『お願い逃げて』
穂乃香のその言葉に三人とも顔を見合わせた。
「逃げてって……どういう事だい」
ようやっとミユキが穂乃香に問いかける。
『東京から逃げて。出来るだけ遠く』
「東京からってなにかあるのかい」
『これから大変な事が起こるの。危ないからみんなに逃げて欲しいけど……こんな事誰も信じないでしょ』
「大変な事……」
穂乃香の言葉を聞いて、ミユキは思案した。
「それはあの東方朔が関係しているのかい?」
『……! お母さん、それをどこで』
「どこもなにも本人がやってきて厄災が起こると宣言していったよ。あいつは瑞葉を狙って襲ってきたんだ」
『瑞葉を……?』
穂乃香が息を飲む気配がした。衛はしびれを切らして穂乃香に呼びかけた。
「なぁ、穂乃香。家族なんだ。内緒事は無しにしよう。いままでの事を話してくれよ」
『衛さん……』
「ママ、瑞葉も友達がいるの。梨花ちゃんに蓮君に知佳ちゃんに白玉に……。だから自分だけにげるなんてできないよ」
『そう……』
衛と瑞葉とミユキは固唾を飲んで穂乃香の次の言葉を待った。しばらくの無言の後に、穂乃香はこう語りはじめた。
『まず……私が居なくなったのは、今度の厄災を止める為だったの』
「そうだったのか。何か言ってくれたら良かったのに」
『ある日、龍神様が私の所に来て言ったのよ。家族を守りたかったら自分の所に来て救世の手伝いをして欲しいって……私、どう説明していいか分からなくて……ごめんなさい衛さん』
「うん……」
衛は穂乃香に言われてから、今なら龍神だのなんだのと言われてもなんとも思わないが、あの時言われてたら理解できたかどうか分からないな、と思った。
「それで瑞葉には自分に付いて行くか俺に付いていくか選ばせたのか」
『まぁ、瑞葉ちゃんと覚えていたのね』
「ちょっと待っておくれ、あたしは龍神様から何も聞いて無いよ」
『龍神様は新しい巫女の最初の仕事だと行っていたわ……体力的にお母さんは無理だろうって』
「まったく、あたしも舐められたもんだね」
ミユキは穂乃香の話にふてくされたように鼻を鳴らした。
『お母さん、私が龍神様にやらせて下さいってお願いしたの。私、その時感謝したのよ。龍神の愛し子である事で手ずから家族を守る事が出来るって』
「それであたしの所にはがきを寄越したのかい……何かと思ったよ」
『ええ、衛さんはさびしがりだし瑞葉は甘えん坊だから。お母さんならなんとかしてくれると思って』
「おかげで毎日賑やかだ」
衛はそれでミユキが家までやってきたのか、と気づいた。穂乃香の居なくなった経緯はこれで分かった。
「それで……穂乃香は今どうしているんだ?」
『龍神のお使いで六道を巡って人やあやかしを助けているの』
「六道?」
「衆生……人々が輪廻転生する六つの世界のことだよ」
「……はぁ」
「もっと砕けて言うとあの世で龍神の代わりに仕事をしてるってことさ」
「なるほど!」
これで東方朔の言った穂乃香は地獄にいるという意味が分かった。
「そっ、それで帰ってこられるのか、そのりくなんとかから」
『ええ、龍神様は私がお手伝いをしている間に厄災を抑えてくれるって約束をしてくれたの』
「それじゃあ、もう帰って来てもいいんじゃないか?」
衛がそう言うと、穂乃香は口を閉ざししばらくして絞り出すように声を出した。
『それが……龍神様が抑えている災厄をこじあけようとしてくる奴らが現れて……』
「それが東方朔って事か」
『ええ……もう間に合わないかもしれない。だからあなた達だけでも逃げてくれればと……』
「穂乃香……災厄って具体的にはなんだい」
『大きな竜巻よ。龍神様はその身を渦に投じて……』
衛がさらに問いかけるが、穂乃香の声は段々ブツブツと途切れるようになりやがて沈黙した。
「穂乃香……」
「この話が本当なら、東京はひどい事になるね」
「ミユキさん」
瑞葉はもう声を発さなくなったタニシにママ、ママと呼びかけている。
「瑞葉、ママは頑張ってるそうだ。俺達も……頑張らなきゃ」
「パパ?」
「そうだね、瑞葉のパパはこういう時は妙に度胸があるね」
「ミユキさん」
瑞葉を抱きかかえる衛の隣に立ったのはミユキだ。
「勝手に隠居あつかいされちゃ、困っちまうよ。衛、覚悟はいいかい」
「はい」
「瑞葉、ママのお手伝いに行くよ。お友達も助けなきゃね」
「うん、分かった! 瑞葉頑張る!」
元気に挨拶した瑞葉をミユキは見届けると、その手首に填めた腕輪を取った。
「衛、あんたはこれも填めておきな。いいね、足手まといになるんじゃないよ」
「はい!」
そうして三人は夜の商店街を抜けて、先へ急いだ。ミユキの行く先は深川不動尊の境内、その片隅にある深川龍神だ。
「こんな所に龍神様が……」
「気づかなかったかい? 昔からあるんだよ」
ミユキは鞄から四つの水晶玉を取りだして、泉の端に置いた。
「さぁ、龍神様の元に行って。悪さをするあやかしを成敗してやろうじゃないか。瑞葉。龍神様の真言を唱えるよ」
「うん」
「おん めいぎゃ しゃにえい そわか」
「おん めいぎゃ しゃにえい そわか」
衛は二人の真言を唱える声を聞きながら、やがて自分達が明るい光に包まれてるのを感じた。あまりの明るさに皆が目を瞑り、その後目を開くとそこはまったく別の空間だった。
「ここは……洞窟!?」
衛が気がつくと、そこには暗く湿った洞窟が広がっていた。
「衛、瑞葉。はぐれるんじゃないよ。しっかりあたしについておいで」
そう言って、ミユキは洞窟の奥へと歩を進めるのであった。
穂乃香のその言葉に三人とも顔を見合わせた。
「逃げてって……どういう事だい」
ようやっとミユキが穂乃香に問いかける。
『東京から逃げて。出来るだけ遠く』
「東京からってなにかあるのかい」
『これから大変な事が起こるの。危ないからみんなに逃げて欲しいけど……こんな事誰も信じないでしょ』
「大変な事……」
穂乃香の言葉を聞いて、ミユキは思案した。
「それはあの東方朔が関係しているのかい?」
『……! お母さん、それをどこで』
「どこもなにも本人がやってきて厄災が起こると宣言していったよ。あいつは瑞葉を狙って襲ってきたんだ」
『瑞葉を……?』
穂乃香が息を飲む気配がした。衛はしびれを切らして穂乃香に呼びかけた。
「なぁ、穂乃香。家族なんだ。内緒事は無しにしよう。いままでの事を話してくれよ」
『衛さん……』
「ママ、瑞葉も友達がいるの。梨花ちゃんに蓮君に知佳ちゃんに白玉に……。だから自分だけにげるなんてできないよ」
『そう……』
衛と瑞葉とミユキは固唾を飲んで穂乃香の次の言葉を待った。しばらくの無言の後に、穂乃香はこう語りはじめた。
『まず……私が居なくなったのは、今度の厄災を止める為だったの』
「そうだったのか。何か言ってくれたら良かったのに」
『ある日、龍神様が私の所に来て言ったのよ。家族を守りたかったら自分の所に来て救世の手伝いをして欲しいって……私、どう説明していいか分からなくて……ごめんなさい衛さん』
「うん……」
衛は穂乃香に言われてから、今なら龍神だのなんだのと言われてもなんとも思わないが、あの時言われてたら理解できたかどうか分からないな、と思った。
「それで瑞葉には自分に付いて行くか俺に付いていくか選ばせたのか」
『まぁ、瑞葉ちゃんと覚えていたのね』
「ちょっと待っておくれ、あたしは龍神様から何も聞いて無いよ」
『龍神様は新しい巫女の最初の仕事だと行っていたわ……体力的にお母さんは無理だろうって』
「まったく、あたしも舐められたもんだね」
ミユキは穂乃香の話にふてくされたように鼻を鳴らした。
『お母さん、私が龍神様にやらせて下さいってお願いしたの。私、その時感謝したのよ。龍神の愛し子である事で手ずから家族を守る事が出来るって』
「それであたしの所にはがきを寄越したのかい……何かと思ったよ」
『ええ、衛さんはさびしがりだし瑞葉は甘えん坊だから。お母さんならなんとかしてくれると思って』
「おかげで毎日賑やかだ」
衛はそれでミユキが家までやってきたのか、と気づいた。穂乃香の居なくなった経緯はこれで分かった。
「それで……穂乃香は今どうしているんだ?」
『龍神のお使いで六道を巡って人やあやかしを助けているの』
「六道?」
「衆生……人々が輪廻転生する六つの世界のことだよ」
「……はぁ」
「もっと砕けて言うとあの世で龍神の代わりに仕事をしてるってことさ」
「なるほど!」
これで東方朔の言った穂乃香は地獄にいるという意味が分かった。
「そっ、それで帰ってこられるのか、そのりくなんとかから」
『ええ、龍神様は私がお手伝いをしている間に厄災を抑えてくれるって約束をしてくれたの』
「それじゃあ、もう帰って来てもいいんじゃないか?」
衛がそう言うと、穂乃香は口を閉ざししばらくして絞り出すように声を出した。
『それが……龍神様が抑えている災厄をこじあけようとしてくる奴らが現れて……』
「それが東方朔って事か」
『ええ……もう間に合わないかもしれない。だからあなた達だけでも逃げてくれればと……』
「穂乃香……災厄って具体的にはなんだい」
『大きな竜巻よ。龍神様はその身を渦に投じて……』
衛がさらに問いかけるが、穂乃香の声は段々ブツブツと途切れるようになりやがて沈黙した。
「穂乃香……」
「この話が本当なら、東京はひどい事になるね」
「ミユキさん」
瑞葉はもう声を発さなくなったタニシにママ、ママと呼びかけている。
「瑞葉、ママは頑張ってるそうだ。俺達も……頑張らなきゃ」
「パパ?」
「そうだね、瑞葉のパパはこういう時は妙に度胸があるね」
「ミユキさん」
瑞葉を抱きかかえる衛の隣に立ったのはミユキだ。
「勝手に隠居あつかいされちゃ、困っちまうよ。衛、覚悟はいいかい」
「はい」
「瑞葉、ママのお手伝いに行くよ。お友達も助けなきゃね」
「うん、分かった! 瑞葉頑張る!」
元気に挨拶した瑞葉をミユキは見届けると、その手首に填めた腕輪を取った。
「衛、あんたはこれも填めておきな。いいね、足手まといになるんじゃないよ」
「はい!」
そうして三人は夜の商店街を抜けて、先へ急いだ。ミユキの行く先は深川不動尊の境内、その片隅にある深川龍神だ。
「こんな所に龍神様が……」
「気づかなかったかい? 昔からあるんだよ」
ミユキは鞄から四つの水晶玉を取りだして、泉の端に置いた。
「さぁ、龍神様の元に行って。悪さをするあやかしを成敗してやろうじゃないか。瑞葉。龍神様の真言を唱えるよ」
「うん」
「おん めいぎゃ しゃにえい そわか」
「おん めいぎゃ しゃにえい そわか」
衛は二人の真言を唱える声を聞きながら、やがて自分達が明るい光に包まれてるのを感じた。あまりの明るさに皆が目を瞑り、その後目を開くとそこはまったく別の空間だった。
「ここは……洞窟!?」
衛が気がつくと、そこには暗く湿った洞窟が広がっていた。
「衛、瑞葉。はぐれるんじゃないよ。しっかりあたしについておいで」
そう言って、ミユキは洞窟の奥へと歩を進めるのであった。
0
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
黒龍の神嫁は溺愛から逃げられない
めがねあざらし
BL
「神嫁は……お前です」
村の神嫁選びで神託が告げたのは、美しい娘ではなく青年・長(なが)だった。
戸惑いながらも黒龍の神・橡(つるばみ)に嫁ぐことになった長は、神域で不思議な日々を過ごしていく。
穏やかな橡との生活に次第に心を許し始める長だったが、ある日を境に彼の姿が消えてしまう――。
夢の中で響く声と、失われた記憶が導く、神と人の恋の物語。
迷子のあやかし案内人 〜京都先斗町の猫神様〜
紫音@キャラ文芸大賞参加中!
キャラ文芸
【キャラ文芸大賞に参加中です。投票よろしくお願いします!】
やさしい神様とおいしいごはん。ほっこりご当地ファンタジー。
*あらすじ*
人には見えない『あやかし』の姿が見える女子高生・桜はある日、道端で泣いているあやかしの子どもを見つける。
「”ねこがみさま”のところへ行きたいんだ……」
どうやら迷子らしい。桜は道案内を引き受けたものの、”猫神様”の居場所はわからない。
迷いに迷った末に彼女たちが辿り着いたのは、京都先斗町の奥にある不思議なお店(?)だった。
そこにいたのは、美しい青年の姿をした猫又の神様。
彼は現世(うつしよ)に迷い込んだあやかしを幽世(かくりよ)へ送り帰す案内人である。
本日、訳あり軍人の彼と結婚します~ド貧乏な軍人伯爵さまと結婚したら、何故か甘く愛されています~
扇 レンナ
キャラ文芸
政略結婚でド貧乏な伯爵家、桐ケ谷《きりがや》家の当主である律哉《りつや》の元に嫁ぐことになった真白《ましろ》は大きな事業を展開している商家の四女。片方はお金を得るため。もう片方は華族という地位を得るため。ありきたりな政略結婚。だから、真白は律哉の邪魔にならない程度に存在していようと思った。どうせ愛されないのだから――と思っていたのに。どうしてか、律哉が真白を見る目には、徐々に甘さがこもっていく。
(雇う余裕はないので)使用人はゼロ。(時間がないので)邸宅は埃まみれ。
そんな場所で始まる新婚生活。苦労人の伯爵さま(軍人)と不遇な娘の政略結婚から始まるとろける和風ラブ。
▼掲載先→エブリスタ、アルファポリス、小説家になろう
※エブリスタさんにて先行公開しております。ある程度ストックはあります。
『イケメンイスラエル大使館員と古代ユダヤの「アーク探し」の5日間の某国特殊部隊相手の大激戦!なっちゃん恋愛小説シリーズ第1弾!』
あらお☆ひろ
キャラ文芸
「なつ&陽菜コンビ」にニコニコ商店街・ニコニコプロレスのメンバーが再集結の第1弾!
もちろん、「なっちゃん」の恋愛小説シリーズ第1弾でもあります!
ニコニコ商店街・ニコニコポロレスのメンバーが再集結。
稀世・三郎夫婦に3歳になったひまわりに直とまりあ。
もちろん夏子&陽菜のコンビも健在。
今作の主人公は「夏子」?
淡路島イザナギ神社で知り合ったイケメン大使館員の「MK」も加わり10人の旅が始まる。
ホテルの庭で偶然拾った二つの「古代ユダヤ支族の紋章の入った指輪」をきっかけに、古来ユダヤの巫女と化した夏子は「部屋荒らし」、「ひったくり」そして「追跡」と謎の外人に追われる!
古代ユダヤの支族が日本に持ち込んだとされる「ソロモンの秘宝」と「アーク(聖櫃)」に入れられた「三種の神器」の隠し場所を夏子のお告げと客観的歴史事実を基に淡路、徳島、京都、長野、能登、伊勢とアークの追跡が始まる。
もちろん最後はお決まりの「ドンパチ」の格闘戦!
アークと夏子とMKの恋の行方をお時間のある人はゆるーく一緒に見守ってあげてください!
では、よろひこー (⋈◍>◡<◍)。✧♡!
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる