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エピローグ happy ever after
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「それで……うまくいったのね、良かった」
翌日、ヒギンズ家に帰ってきたマイアを見たアビゲイルはそう言ってほっと胸を撫で降ろした。
「ごめんね、せっかくのパーティだったのに」
「ううん。森からすごい花火が見えて盛り上がったし……トレヴァーと私の間を取り持ってくれたのはマイアじゃない。役に立てたようで嬉しいわ」
「あ……あの……これからも友達でいてください」
「もちろんよ」
アビゲイルは頷いて、マイアの手をとって握手した。
「レイモンドさんにも悪いことしたわ」
マイアはふっと表情を曇らせて、俯いた。彼の好意を知っていて、答えられなかった。その罪悪感に。
「仕事のこともあるし……」
「それで嫌がらせするような器の男じゃないですよ、僕」
そう呟いたマイアは、後ろからしたレイモンドの声に驚いて振り向いた。
「レイモンドさん……?」
「ちょっと昨日ここに泊めて貰ってたんです。マイアさんはまずここに来ると思って」
「……あの! ごめんなさい!」
「謝らないでください。……それより、仕事が沢山ありますからこれからも変わらずよろしく」
「……はい」
マイアはレイモンドの言葉に心から感謝した。レイモンド無しに魔道具作りを続けられるとは思えなかったから。
「そ、それじゃ……私、帰ります」
「ふふ、早く会いたいのね。アシュレイさんに」
「もうからかわないで!」
「あなたの荷物はあとで送らせるわ。さ、行った行った」
アビゲイルにそう言われて、マイアはランブレイユの森に飛んで帰った。
「……ふう」
「よく言ったわレイモンド」
「心の中は自分探しの旅に出たいくらいですけどね……」
レイモンドはそう言いながらも、すっきりとした表情をしていた。
「ただいま」
「おかえり」
マイアが家に帰ると、居間のソファに座ったアシュレイが本から顔をあげ答える。なんでもないいつもの光景。その光景が、マイアにはとんでもなく嬉しかった。
それからティオールの街に『マイアの魔道具』を求めてやって来る人が何人も来るようになった。一点物の貴重なそれは、欲しいからといって手に入るものではない。
フローリオ商会はそれを売り、莫大な利益をあげた。その一部はティオール銀行に預けられ、孤児院に作られた職業訓練所に寄付されている。そこでは温かい食事と、それぞれに向いた職業指導が受けられる。近々、仕事の斡旋もはじめるという話だ。
そんな、人々が噂する魔道具を作る職人が近くの森に住んでいることを知る人は少ない。彼女は森で今日も穏やかに楽しく暮らしている。愛する人とずっと、幸せに……。
*:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆*:..。o○☆ *:..。
『ファンタジー小説大賞』にエントリー中です。皆様の一票をお待ちしております。
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「もちろんよ」
アビゲイルは頷いて、マイアの手をとって握手した。
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そう呟いたマイアは、後ろからしたレイモンドの声に驚いて振り向いた。
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「……あの! ごめんなさい!」
「謝らないでください。……それより、仕事が沢山ありますからこれからも変わらずよろしく」
「……はい」
マイアはレイモンドの言葉に心から感謝した。レイモンド無しに魔道具作りを続けられるとは思えなかったから。
「そ、それじゃ……私、帰ります」
「ふふ、早く会いたいのね。アシュレイさんに」
「もうからかわないで!」
「あなたの荷物はあとで送らせるわ。さ、行った行った」
アビゲイルにそう言われて、マイアはランブレイユの森に飛んで帰った。
「……ふう」
「よく言ったわレイモンド」
「心の中は自分探しの旅に出たいくらいですけどね……」
レイモンドはそう言いながらも、すっきりとした表情をしていた。
「ただいま」
「おかえり」
マイアが家に帰ると、居間のソファに座ったアシュレイが本から顔をあげ答える。なんでもないいつもの光景。その光景が、マイアにはとんでもなく嬉しかった。
それからティオールの街に『マイアの魔道具』を求めてやって来る人が何人も来るようになった。一点物の貴重なそれは、欲しいからといって手に入るものではない。
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