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24話 特別な夜★
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「は……来た」
それから数日後にランの発情期が来た。オメガになってから、こんなに待ち遠しい発情は初めてだ。
ロランドも発情に当てられないように別室でルゥの面倒を見て貰っている。
「レクス……」
ランはシャツを一枚羽織っただけの姿で、レクスの部屋のドアを叩いた。
「ラン……」
「発情っ、来たから……」
「うん」
レクスはもどかしげにしているランを力強く引き寄せ、ベッドまで導いた。
上に多い被さり、じっと発情しているランを見つめる。ランはレクスの髪が首元にあたるだけで身もだえている。
「あっ……」
「特別な夜にしよう、ラン」
レクスはそう言ってランに口づけた。柔らかいランの唇を、レクスの舌が割って入っていく。
真珠のような歯列をなぞり、たどり着いたランの舌先をつつくようにして、彼の舌が応じてくれるのを待った。
「ん……ふ……ふぁ」
絡みつく二人の舌が、くちゅくちゅと音を立てる。飲み込みきれないどちらのものともわからない唾液がランの口の端からこぼれた。
「んう……」
息も止まりそうな濃い口づけの後に、名残惜しげな銀の橋が渡った。
「はぁ……レクス……」
ぞくっとした感覚の後に、ランのフェロモンが発せられた。そのくらくらする甘い香りを吸い込んで、レクスの本能が頭をもたげる。
「ラン、見せて……」
「ん……」
レクスの命じる声に、ランは頷いてシャツのボタンを外した。レクスはその布を、大事なプレゼントを開くようにはぎ取る。
「綺麗だよ。ラン」
殴られた痕もすっかり良くなった。真っ白なランの胸の突起にレクスは舌を這わす。
「ここ好きだろう、ラン」
「うん……好きぃ……」
「手、繋ごうか」
「繋ぐ……」
ぼうっとした顔で、ランはまるで幼子のようにレクスに身を任す。
その様子が愛しくて可愛くて、でも獣のように奪いたい欲望がレクスの仲に渦巻く。
「あったかい」
レクスの大きな、少しかさついた手の感触にランはほっとする。
それもつかの間、レクスが突起を弄ぶ刺激にランは身じろぎした。
「んっ……んっあ……」
レクスはそのままランの全身をくまなく舐め回すようにキスをした。
「ああ……レクス……もっと、もっと」
そのキスの雨にランの頭の中はすっかり蕩けてしまう。レクスを欲しい気持ちが止まらない。
でも今日はそれでいいと思った。レクスに全てを見せて、全部任せて。だって今夜は特別な夜だから。
「あうっ……」
ふわふわとした快感に身を任せていたランは、唐突に下肢にぬめっとした温かい感覚を覚えて呻いた。
レクスがランの花茎を飲み込んで、その舌でランの官能を昂ぶらせようと蠢いた。
それから数日後にランの発情期が来た。オメガになってから、こんなに待ち遠しい発情は初めてだ。
ロランドも発情に当てられないように別室でルゥの面倒を見て貰っている。
「レクス……」
ランはシャツを一枚羽織っただけの姿で、レクスの部屋のドアを叩いた。
「ラン……」
「発情っ、来たから……」
「うん」
レクスはもどかしげにしているランを力強く引き寄せ、ベッドまで導いた。
上に多い被さり、じっと発情しているランを見つめる。ランはレクスの髪が首元にあたるだけで身もだえている。
「あっ……」
「特別な夜にしよう、ラン」
レクスはそう言ってランに口づけた。柔らかいランの唇を、レクスの舌が割って入っていく。
真珠のような歯列をなぞり、たどり着いたランの舌先をつつくようにして、彼の舌が応じてくれるのを待った。
「ん……ふ……ふぁ」
絡みつく二人の舌が、くちゅくちゅと音を立てる。飲み込みきれないどちらのものともわからない唾液がランの口の端からこぼれた。
「んう……」
息も止まりそうな濃い口づけの後に、名残惜しげな銀の橋が渡った。
「はぁ……レクス……」
ぞくっとした感覚の後に、ランのフェロモンが発せられた。そのくらくらする甘い香りを吸い込んで、レクスの本能が頭をもたげる。
「ラン、見せて……」
「ん……」
レクスの命じる声に、ランは頷いてシャツのボタンを外した。レクスはその布を、大事なプレゼントを開くようにはぎ取る。
「綺麗だよ。ラン」
殴られた痕もすっかり良くなった。真っ白なランの胸の突起にレクスは舌を這わす。
「ここ好きだろう、ラン」
「うん……好きぃ……」
「手、繋ごうか」
「繋ぐ……」
ぼうっとした顔で、ランはまるで幼子のようにレクスに身を任す。
その様子が愛しくて可愛くて、でも獣のように奪いたい欲望がレクスの仲に渦巻く。
「あったかい」
レクスの大きな、少しかさついた手の感触にランはほっとする。
それもつかの間、レクスが突起を弄ぶ刺激にランは身じろぎした。
「んっ……んっあ……」
レクスはそのままランの全身をくまなく舐め回すようにキスをした。
「ああ……レクス……もっと、もっと」
そのキスの雨にランの頭の中はすっかり蕩けてしまう。レクスを欲しい気持ちが止まらない。
でも今日はそれでいいと思った。レクスに全てを見せて、全部任せて。だって今夜は特別な夜だから。
「あうっ……」
ふわふわとした快感に身を任せていたランは、唐突に下肢にぬめっとした温かい感覚を覚えて呻いた。
レクスがランの花茎を飲み込んで、その舌でランの官能を昂ぶらせようと蠢いた。
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