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【第五話】依頼:1(序)
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「うっ…、うぐぅ!!!」
署長室の前で、どこかの所属の女性の異警官が床に手をつき、慟哭している。おそらく、同僚か誰かを亡くしたのか、それに近しい目にあったのだろう。そういう職業だ。珍しい光景ではない。事実、五課の事務室からここまでも二、三人は涙を浮かべている者、怒りに任せて壁を殴る者などを見た。この仕事は日々過度なストレスがかかる。五課でも笑いが起こるはここ最近の話。俺は所属して五年経ち、だいぶ人の死に慣れてしまった。いいことか、悪いことか。どちらにしろ、涙はもうしばらく出ていない。
「失礼します。」
俺は署長室の扉をノックする。
「入りたまえ。」
低い男の声がする。俺は扉を潜って中に入る。
署長室は無駄に広い。二、三度入ったことがあるが、思うことはいつも同じだ。左右には歴代署長の肖像画。そして正面に一つのデスクと大きな旗。そこに腰掛けている一人の男。彼こそが対異形警察、吾妻本部署長「柊木トシクニ」である。
「夜勤明けにすまないね、荒牧君。昨日のことを口頭で報告して欲しくてね。」
「はい。報告します。」
柊木署長は情報を集めることに対してかなりのこだわりを持っている。この人が俺をここに呼んだ理由。それは俺が二時まで書いた報告書だけでは情報が足りない、そう署長は言いたいのだ。しかし、その情報収集、活用方法は日本トップレベル。事実、異形の包囲網を敷く際、指揮権を握るのは署長であり、現地での指示まで自分で行う。はっきり言って、抜け目のない人だ。そんな人に、昨日の出来事を当時の俺の指先の動きまで逐一丁寧に報告する。
「なるほど、ただの上位体ではなさそうだね。」
「はい、人間と対話する知性、そしてその口ぶりから人間の中に溶け込むことができていたと考えられます。」
「困ったものだ…。だが、よくそこまでの情報を集めてくれたものだ。君ら五課の人間に任せて正解だったよ。四課の連中だったら、上位体の話など聞かずに駆除していただろう。」
意外とそうかもしれない、と失礼にも思ってしまった。四課は駆除特化であり、その課で生き残っている歴戦の異警官は五課のメンバーと同じかそれ以上に癖が強い。とてもじゃないが、異形との戦闘時に一緒に情報を集めるなんて芸当はできないだろう。
「そして、氷人か…。これまた厄介な事案になりそうだね。」
「はい、二十年間尻尾を見せなかったものですから。」
「二十年…、あれからそんなに経つのか。早いものだ。当時は私も駆け出しの異警官だったよ。君は?まだ四、五歳だろう?」
「はい。その時ちょうど両親は死にました。」
「…そうか、すまない…。」
一気に署長の顔が曇る。気にすることなんてなかろうに。それに、この人もその時に兄弟を亡くしていたと聞いたが。
二十年前、日本全国を巻き込んで起こった大異形事案「大異形夜行」。日本の中心、「吾妻シティ」から突如、巨大異形「茫漠のバハゼール」が出現。その異形の力で全国の異形が活性化され、かつてない被害を産む大事案となった。死者、行方不明者は直接的、間接的被害によるものを含めて五百万人を超え、経済的損失は測定不能。まさに地獄絵図だ。俺はその時、自分の両親を亡くした。父はバハゼールの下敷きとなった。そして、母は…。
「とにかく、早く氷人を見つけ出します。」
「そう急いで捕まる相手じゃないだろう?なんと言っても、あの大事案の原因『茫漠のバハゼール』を操っていたのは氷人と呼ばれるその異人なのだから。」
そう。巨大異形を操って大事案を引き起こした元凶こそが氷人と呼ばれる異人なのだ。奴は正体不明、性別やその容姿すらはっきりしていない。ただ一つ、それこそこの柊木署長が明らかにした情報が、この事案を引き起こした人物が氷を操る異人である、ということだけなのだ。それ以外は何一つとして不明。よほど狡猾なのか、二十年間一度もその情報を表さなかった。それが、ようやっと尻尾を出したのだ。黙ってはいられない。だが…。
「しかし、嫌な気がしないかい?荒牧君。上位体の出現と氷人の名前、気のせいだとは思いたいが…。」
「はい、そもそも氷人が関わっている限り、また大事案が起きかねません。速やかに対処します。」
「そこでだ、君ら五課に頼みたいことがあるんだ。今から課長の沢渡君を…」
ダン!ダン!
その時、署長室の扉が強く叩かれる。それはノックというより、力任せに扉を叩いているだけのように聞こえた。
「何かね?扉はもう少し優しく叩いてくれ」
その署長の声を待たずして、扉は勢いよく開く。
「助けてください!どうか、どうかお願いだ!」
入ってきたのは三十代くらいの男性だ。涙で腫らした目で、こちらに駆け寄ってくる。
俺は咄嗟に構える。動きは明らかに一般人のそれだが、その様子はどう見ても普通ではない。
「待て、荒牧。」
と構えていたのを見た署長が俺にそう声をかける。
「失礼します、署長、申し訳ありません。」
「失礼します。」
と、二人の異警官が入っていた。
「君らは?」
「はっ、庶務課所属、辻であります。」
「同じく庶務課所属、澤村であります。」
彼らは庶務課の人間だったようだ。しかし普通庶務課の異警官は署長室になどやってこないだろう。そしてこの男性は…。
「お願いです!どうか、娘を…!」
「とにかく落ち着きなさい。話を聞きましょう。」
「署長、この男性が自身の娘さんの捜索願を出しておりまして…。」
「現在の限界体制では人員が回らないので、受理はしますが対応は遅れると伝えたところ、『早急に頼む』と…。」
「うむ…。」
どうやら、この男性は庶務課での対応が不満だったようだ。それもそうか。自身の娘の無事も知れないというのに、助けを求めたら忙しいからムリ、と言われたらたまったものでは無いだろう。その証拠に、こうして二人の制止を振り解いてここまで来たのだろう。
「どうかお願いします!娘は、娘は私と人魚の妻の半異人なのです!このままでは売り飛ばされてしまう!そうなっては、先立たれた妻に顔が立たない…!」
男性は必死に懇願する。彼の言うとおり異人の子供はかなり希少価値が高く、誘拐されて売り飛ばされると言う話も珍しくない。
しかし、俺はそれ以上に半異人、つまりは異人と人間のハーフ、そして妻、というワードに思わず反応してしまった。こんな世の中で、彼は誰かと愛し合うことを選び、その人と添い遂げる覚悟をしたのだろう。それでもその人はいなくなってしまった。最後に残ったのは彼女の託した娘さんだけ。それを失ってしまったら、彼はこの先どうするのだろうか。そんなことを考えてしまうのは自分を無意識に重ねてしまっているからだろうか、俺の手に自然と力が入っていく。
署長は男の方を見て黙っている。しかし、考えているという感じではなく、男の顔を見ているようだった。しばらく経った後、署長は口を開いた。
「わかりました。今回は特例で早急に対処します。そして、その対処を哨戒特化五課に任じます。」
以外な展開だ。署長のことだから何か狙いはあるのだろうが、それでもこの事態の中捜索任務を与えるとはどういう了見なのだろうか。
「ああ…、ありがとうございます!ありがとうございます!」
男性は一層泣き出して感謝する。二人の異警官は唖然とした様子だ。
「君たち二人はこの方を送ってくれ。私は用事があるのでな。失礼する。」
署長は立ち上がり、外に向かう準備を始める。男性と異警官の二人は署長室を出ていく。男性はその間にも「お願いします!お願いします!」と、終始署長の方へ言葉をかけていた。
「さて、荒牧君。私はこれで。」
「署長、頼みたいこととは?」
署長はあの男性が来る前、何かを五課に頼みたいと言っていた。さらに、先の男性をじっくりと見る姿勢。一見偶然のように見えるが、もしかすると署長は氷人に関する何かを隠しているのではないか。そう思ってしまった。
「その件に関しては後にしてくれ。急用ができたからね。」
署長は机の方から、俺の方へ歩いてくる。そして通り過ぎるその際、署長は耳元で俺に囁いた。
「彼は、氷人の顧客かもしれない。」
署長室の前で、どこかの所属の女性の異警官が床に手をつき、慟哭している。おそらく、同僚か誰かを亡くしたのか、それに近しい目にあったのだろう。そういう職業だ。珍しい光景ではない。事実、五課の事務室からここまでも二、三人は涙を浮かべている者、怒りに任せて壁を殴る者などを見た。この仕事は日々過度なストレスがかかる。五課でも笑いが起こるはここ最近の話。俺は所属して五年経ち、だいぶ人の死に慣れてしまった。いいことか、悪いことか。どちらにしろ、涙はもうしばらく出ていない。
「失礼します。」
俺は署長室の扉をノックする。
「入りたまえ。」
低い男の声がする。俺は扉を潜って中に入る。
署長室は無駄に広い。二、三度入ったことがあるが、思うことはいつも同じだ。左右には歴代署長の肖像画。そして正面に一つのデスクと大きな旗。そこに腰掛けている一人の男。彼こそが対異形警察、吾妻本部署長「柊木トシクニ」である。
「夜勤明けにすまないね、荒牧君。昨日のことを口頭で報告して欲しくてね。」
「はい。報告します。」
柊木署長は情報を集めることに対してかなりのこだわりを持っている。この人が俺をここに呼んだ理由。それは俺が二時まで書いた報告書だけでは情報が足りない、そう署長は言いたいのだ。しかし、その情報収集、活用方法は日本トップレベル。事実、異形の包囲網を敷く際、指揮権を握るのは署長であり、現地での指示まで自分で行う。はっきり言って、抜け目のない人だ。そんな人に、昨日の出来事を当時の俺の指先の動きまで逐一丁寧に報告する。
「なるほど、ただの上位体ではなさそうだね。」
「はい、人間と対話する知性、そしてその口ぶりから人間の中に溶け込むことができていたと考えられます。」
「困ったものだ…。だが、よくそこまでの情報を集めてくれたものだ。君ら五課の人間に任せて正解だったよ。四課の連中だったら、上位体の話など聞かずに駆除していただろう。」
意外とそうかもしれない、と失礼にも思ってしまった。四課は駆除特化であり、その課で生き残っている歴戦の異警官は五課のメンバーと同じかそれ以上に癖が強い。とてもじゃないが、異形との戦闘時に一緒に情報を集めるなんて芸当はできないだろう。
「そして、氷人か…。これまた厄介な事案になりそうだね。」
「はい、二十年間尻尾を見せなかったものですから。」
「二十年…、あれからそんなに経つのか。早いものだ。当時は私も駆け出しの異警官だったよ。君は?まだ四、五歳だろう?」
「はい。その時ちょうど両親は死にました。」
「…そうか、すまない…。」
一気に署長の顔が曇る。気にすることなんてなかろうに。それに、この人もその時に兄弟を亡くしていたと聞いたが。
二十年前、日本全国を巻き込んで起こった大異形事案「大異形夜行」。日本の中心、「吾妻シティ」から突如、巨大異形「茫漠のバハゼール」が出現。その異形の力で全国の異形が活性化され、かつてない被害を産む大事案となった。死者、行方不明者は直接的、間接的被害によるものを含めて五百万人を超え、経済的損失は測定不能。まさに地獄絵図だ。俺はその時、自分の両親を亡くした。父はバハゼールの下敷きとなった。そして、母は…。
「とにかく、早く氷人を見つけ出します。」
「そう急いで捕まる相手じゃないだろう?なんと言っても、あの大事案の原因『茫漠のバハゼール』を操っていたのは氷人と呼ばれるその異人なのだから。」
そう。巨大異形を操って大事案を引き起こした元凶こそが氷人と呼ばれる異人なのだ。奴は正体不明、性別やその容姿すらはっきりしていない。ただ一つ、それこそこの柊木署長が明らかにした情報が、この事案を引き起こした人物が氷を操る異人である、ということだけなのだ。それ以外は何一つとして不明。よほど狡猾なのか、二十年間一度もその情報を表さなかった。それが、ようやっと尻尾を出したのだ。黙ってはいられない。だが…。
「しかし、嫌な気がしないかい?荒牧君。上位体の出現と氷人の名前、気のせいだとは思いたいが…。」
「はい、そもそも氷人が関わっている限り、また大事案が起きかねません。速やかに対処します。」
「そこでだ、君ら五課に頼みたいことがあるんだ。今から課長の沢渡君を…」
ダン!ダン!
その時、署長室の扉が強く叩かれる。それはノックというより、力任せに扉を叩いているだけのように聞こえた。
「何かね?扉はもう少し優しく叩いてくれ」
その署長の声を待たずして、扉は勢いよく開く。
「助けてください!どうか、どうかお願いだ!」
入ってきたのは三十代くらいの男性だ。涙で腫らした目で、こちらに駆け寄ってくる。
俺は咄嗟に構える。動きは明らかに一般人のそれだが、その様子はどう見ても普通ではない。
「待て、荒牧。」
と構えていたのを見た署長が俺にそう声をかける。
「失礼します、署長、申し訳ありません。」
「失礼します。」
と、二人の異警官が入っていた。
「君らは?」
「はっ、庶務課所属、辻であります。」
「同じく庶務課所属、澤村であります。」
彼らは庶務課の人間だったようだ。しかし普通庶務課の異警官は署長室になどやってこないだろう。そしてこの男性は…。
「お願いです!どうか、娘を…!」
「とにかく落ち着きなさい。話を聞きましょう。」
「署長、この男性が自身の娘さんの捜索願を出しておりまして…。」
「現在の限界体制では人員が回らないので、受理はしますが対応は遅れると伝えたところ、『早急に頼む』と…。」
「うむ…。」
どうやら、この男性は庶務課での対応が不満だったようだ。それもそうか。自身の娘の無事も知れないというのに、助けを求めたら忙しいからムリ、と言われたらたまったものでは無いだろう。その証拠に、こうして二人の制止を振り解いてここまで来たのだろう。
「どうかお願いします!娘は、娘は私と人魚の妻の半異人なのです!このままでは売り飛ばされてしまう!そうなっては、先立たれた妻に顔が立たない…!」
男性は必死に懇願する。彼の言うとおり異人の子供はかなり希少価値が高く、誘拐されて売り飛ばされると言う話も珍しくない。
しかし、俺はそれ以上に半異人、つまりは異人と人間のハーフ、そして妻、というワードに思わず反応してしまった。こんな世の中で、彼は誰かと愛し合うことを選び、その人と添い遂げる覚悟をしたのだろう。それでもその人はいなくなってしまった。最後に残ったのは彼女の託した娘さんだけ。それを失ってしまったら、彼はこの先どうするのだろうか。そんなことを考えてしまうのは自分を無意識に重ねてしまっているからだろうか、俺の手に自然と力が入っていく。
署長は男の方を見て黙っている。しかし、考えているという感じではなく、男の顔を見ているようだった。しばらく経った後、署長は口を開いた。
「わかりました。今回は特例で早急に対処します。そして、その対処を哨戒特化五課に任じます。」
以外な展開だ。署長のことだから何か狙いはあるのだろうが、それでもこの事態の中捜索任務を与えるとはどういう了見なのだろうか。
「ああ…、ありがとうございます!ありがとうございます!」
男性は一層泣き出して感謝する。二人の異警官は唖然とした様子だ。
「君たち二人はこの方を送ってくれ。私は用事があるのでな。失礼する。」
署長は立ち上がり、外に向かう準備を始める。男性と異警官の二人は署長室を出ていく。男性はその間にも「お願いします!お願いします!」と、終始署長の方へ言葉をかけていた。
「さて、荒牧君。私はこれで。」
「署長、頼みたいこととは?」
署長はあの男性が来る前、何かを五課に頼みたいと言っていた。さらに、先の男性をじっくりと見る姿勢。一見偶然のように見えるが、もしかすると署長は氷人に関する何かを隠しているのではないか。そう思ってしまった。
「その件に関しては後にしてくれ。急用ができたからね。」
署長は机の方から、俺の方へ歩いてくる。そして通り過ぎるその際、署長は耳元で俺に囁いた。
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