4 / 5
【第四話】災前
しおりを挟む
「...おはようございます。」
俺はそう言ってすぐ近くのタイムカードを切る。前回の終業時刻が昨日、というか今日の午前2時と記されたえげつない勤務時間を尻目に。ここは対異形警察哨戒特化五課の事務室だ。事務所には既に一人、俺の上司が出勤している。
「はい、おはよう、って!荒牧くん!?」
新聞を読んでいた中年の男性がこちらを驚いた様子で見る。この人は、この異警察哨戒特化五課の課長「沢渡ハジメ」。この人が驚いているのは、言わずもがな昨日のことがあったからだ。
「課長、おはようございます。」
「いやいやいや、おはようじゃなくて、なんで来てんの?昨日の残業時間わかってる?大丈夫?」
残業時間は数えたくなかったし、確かに帰ってから1時間寝たかどうかくらいだ。アカリさんに「次の任務終わったら結婚しましょう」というなんとも死亡フラグめいたプロポーズをした後、帰宅した。アカリさんは休むか午後出勤になるだろう。
俺はと言うと、出勤した。なぜだか何もしていないと落ち着かず、休むもクソも無くなるからだ。だが、まあまあ体力は消耗している。今日は事務作業を程々にさせてもらって、早く帰るとしよう。
「おっはようございまー...って、シュウくん!?」
「え今日午後からじゃないんすか?!」
「流石の仕事厨っぷりだねえ。」
事務室のドアが開くと、そこには3人の同僚が。いずれも狐につまれたような顔をして俺の方を見ている。みんな俺が出勤したのがそんなにおかしいのだろうか。異警官の残業やら勤務時間なんて伸びてなんぼだろう。
さて、今到着したのは順番に、座敷童の異人「座敷木マキ」先輩、ゾンビの異人「墓守ルイ」先輩。そして、この課の最大戦力である「音義サイカ」先輩だ。かなり癖が強い人たちだが、その能力、実力は本物だ。
「なーんで来てんのシュウくん!ちゃんと休まないと体壊すよ?」
「俺は大丈夫ですから、お気になさらず」
「気にするよ!そんなんじゃハピぺろりんになれないぞ!」
座敷木先輩は座敷童の異人。座敷童はその家に幸福をもたらす、と言う伝承があるが、彼女の持つ力は「幸福」だ。具体的に言ってしまえば、彼女は周囲の人間に幸福感を与えることができたり、そこそこ体力を消費する代わりに、外傷やウイルスなどによる病気の進行を治癒することができる。この課唯一の回復役だ。ハピぺろりんとは、彼女の作り出した謎の呪文で、彼女に幸福感を与えられた者は必ず口にするフレーズだ。
「シュウスケくん、本当仕事好きっすね....。無理するとゾンビになっちゃいますよ?」
「墓守先輩が言うと冗談じゃなくなくなりますよ。」
墓守先輩はゾンビの異人である。この先輩はこんなに穏やかな感じではあるが、この課のパワー担当だ。ゾンビさながらのしぶとさ...タフさと、毒や外傷などによるデバフの無効、更にはゾンビにあるまじき俊敏さと知能の高さで、かなり頼れる存在となっている。
「シュウスケ、そんな頑張っている君にこのガムをやろう。スッキリするぞ。」
「ああ、ありがとうございます。…、痛った。」
「あっははは!やっぱりお前疲れてるよ。普段ならこんなの引っかからないじゃないか。」
音義先輩から渡されたガムは、引くとネズミ取りのように指に針金が振り下ろされるドッキリアイテムだった。こういう冗談が多いのが、この人のいいところでもあり、欠点でもあるかもしれない。音義先輩はこの五課の初期メンバーの一人であり、この課の最強戦力だ。先輩は元四課出身であり、五課設立時に引き抜かれたのだが、その圧倒的フィジカル、戦闘センス、武器や装備の扱いにおいては異警察の中でも間違いなく上位に入る実力者だ。任務においてはこの人が出れば心配事は無くなるが、その持ち前の性格のせいで扱いが難しい。普通の任務ではまず出向くことは無い。だが、昨日の上位体出現によりやる気は増しているだろうから、今なら協力してくれるかもしれない。
「先輩、頼みますよ。」
「何を?」
「いえすいません、忘れてください。」
寝ぼけ頭のせいで、よくわからないセリフを口走ってしまった。一気に顔が熱を帯びるのがわかる。
「やっぱお前、疲れてるよ。じゃ、もう一回このガムで刺激して起こしてやろうなあ!」
「課長、鴉麻さんと葉山はどうしたっすか?」
「鴉麻くんは例の上位体調査、葉山さんは別件だ。庶務課との捜査だったかな?」
「ねぇ~スズちゃんは?」
「んーもう来るはずですが…、ってか絶対音義先輩パシるつもりでしょ。やめなさいよー、後輩いじめるの。」
「いいじゃんスズちゃん可愛いんだから。じゃあマッキーパシっていい?」
「それは嫌です。スズちゃんに言ってください。」
「どっちも人で無しっす…。」
そんな会話をしていると、外からドタドタという足音がする。そして、勢いよくドアが開く。
「…おっ、おはようございます!」
随分と息を切らしながら入ってきたのは、俺の唯一の後輩「鳳鴻スズ」である。彼女が急いできた理由は、始業時間ギリギリであることだろう。しかし、彼女はいつも俺の次くらいに出勤しており、かなり早く職場に着くはずなのだが、今日はやけに遅い。その理由は、腕の中に抱えたものだろう。
「はあ…、はあ…、ごめんなさい、遅れました…。」
「いやいや、まだ始業時間前だからセーフだよ。それにしてもそれ…。」
そう課長が言うと、彼女は腕の中に抱えた一羽の雀を皆に見せた。
「おお、これまた可愛い雀ですこと。」
「また怪我でもしてたんすか?」
「そうなんです…、出勤中に見つけてしまって…。そこで…、座敷木先輩…。いつものお願いしてもいいですか…?」
「おっけー。ちなみに、報酬はランチ奢りで!気になるイタリアンがあるんだよねえ。」
「…うぅ、ありがとうございます…。」
嬉しいのか、悲しいのかわからない声で鳳鴻は答える。
彼女は”もの”に宿るとされる神「付喪神」と呼ばれる異人の一人である。彼女はその中でも、小動物に関する付喪神であるらしいが、詳しいことは本人にすらわからないらしい。彼女は小動物と会話、協調、使役をすることができ、この課の中でも優秀な情報収集の担い手である。しかし、その性格ゆえ先輩にはこき使われえおり、少し大変そうだ。
鳳鴻が雀をそっと外に逃すと、課長が皆に改まった感じで言う。
「さて、今日もぼちぼち気張っていこうか。諸君も知っての通り先日、強力な上位体の異形が出現した。更に、その足取りはまだ掴めずにいる。だが、それだけでなくこの混乱に乗じた異形にも警戒を払わねばならない。とにかく、任務に出る者は用心するように。」
「「「はい」」」
先輩方は早速扉を出てそれぞれの任務に向かう。課長も言っての通り、現在異警察は厳戒態勢であり今日の仕事はそのほとんどが例の上位体関連だろう。かなりの敏捷性、パワー、更には分身体を作り、操るほどの知能を持っている。下手をすれば、20年前の悲劇を超える事態になるかもしれない。先輩方はあんな感じだが、今日誰が死んでもおかしくない事態だ。俺も余力があればいいものだが、今日はこの署に残っていなければならない理由がある。それは、
その時、机の上の電話が鳴る。来たか、と思う間も無く俺は受話器を取る。
「はい、こちら哨戒特化五課、荒牧です。」
『私だ。署長室まで頼む。』
「…承知しました。」
ガチャ、と言う音とともに音声は切れ、電子音に切り替わる。
「どうしたの?荒牧くん。」
「どこか入り用ですか?もし雑用とかでしたら私が…。」
心配した様子の課長と居残りの鳳鴻が言う。
「いえ、大丈夫です。ちょっと出てきます。」
俺は立ち上がり、ジャケットを羽織る。
「行くってどこへ?」
「署長と話をしてきます。」
俺はそう言ってすぐ近くのタイムカードを切る。前回の終業時刻が昨日、というか今日の午前2時と記されたえげつない勤務時間を尻目に。ここは対異形警察哨戒特化五課の事務室だ。事務所には既に一人、俺の上司が出勤している。
「はい、おはよう、って!荒牧くん!?」
新聞を読んでいた中年の男性がこちらを驚いた様子で見る。この人は、この異警察哨戒特化五課の課長「沢渡ハジメ」。この人が驚いているのは、言わずもがな昨日のことがあったからだ。
「課長、おはようございます。」
「いやいやいや、おはようじゃなくて、なんで来てんの?昨日の残業時間わかってる?大丈夫?」
残業時間は数えたくなかったし、確かに帰ってから1時間寝たかどうかくらいだ。アカリさんに「次の任務終わったら結婚しましょう」というなんとも死亡フラグめいたプロポーズをした後、帰宅した。アカリさんは休むか午後出勤になるだろう。
俺はと言うと、出勤した。なぜだか何もしていないと落ち着かず、休むもクソも無くなるからだ。だが、まあまあ体力は消耗している。今日は事務作業を程々にさせてもらって、早く帰るとしよう。
「おっはようございまー...って、シュウくん!?」
「え今日午後からじゃないんすか?!」
「流石の仕事厨っぷりだねえ。」
事務室のドアが開くと、そこには3人の同僚が。いずれも狐につまれたような顔をして俺の方を見ている。みんな俺が出勤したのがそんなにおかしいのだろうか。異警官の残業やら勤務時間なんて伸びてなんぼだろう。
さて、今到着したのは順番に、座敷童の異人「座敷木マキ」先輩、ゾンビの異人「墓守ルイ」先輩。そして、この課の最大戦力である「音義サイカ」先輩だ。かなり癖が強い人たちだが、その能力、実力は本物だ。
「なーんで来てんのシュウくん!ちゃんと休まないと体壊すよ?」
「俺は大丈夫ですから、お気になさらず」
「気にするよ!そんなんじゃハピぺろりんになれないぞ!」
座敷木先輩は座敷童の異人。座敷童はその家に幸福をもたらす、と言う伝承があるが、彼女の持つ力は「幸福」だ。具体的に言ってしまえば、彼女は周囲の人間に幸福感を与えることができたり、そこそこ体力を消費する代わりに、外傷やウイルスなどによる病気の進行を治癒することができる。この課唯一の回復役だ。ハピぺろりんとは、彼女の作り出した謎の呪文で、彼女に幸福感を与えられた者は必ず口にするフレーズだ。
「シュウスケくん、本当仕事好きっすね....。無理するとゾンビになっちゃいますよ?」
「墓守先輩が言うと冗談じゃなくなくなりますよ。」
墓守先輩はゾンビの異人である。この先輩はこんなに穏やかな感じではあるが、この課のパワー担当だ。ゾンビさながらのしぶとさ...タフさと、毒や外傷などによるデバフの無効、更にはゾンビにあるまじき俊敏さと知能の高さで、かなり頼れる存在となっている。
「シュウスケ、そんな頑張っている君にこのガムをやろう。スッキリするぞ。」
「ああ、ありがとうございます。…、痛った。」
「あっははは!やっぱりお前疲れてるよ。普段ならこんなの引っかからないじゃないか。」
音義先輩から渡されたガムは、引くとネズミ取りのように指に針金が振り下ろされるドッキリアイテムだった。こういう冗談が多いのが、この人のいいところでもあり、欠点でもあるかもしれない。音義先輩はこの五課の初期メンバーの一人であり、この課の最強戦力だ。先輩は元四課出身であり、五課設立時に引き抜かれたのだが、その圧倒的フィジカル、戦闘センス、武器や装備の扱いにおいては異警察の中でも間違いなく上位に入る実力者だ。任務においてはこの人が出れば心配事は無くなるが、その持ち前の性格のせいで扱いが難しい。普通の任務ではまず出向くことは無い。だが、昨日の上位体出現によりやる気は増しているだろうから、今なら協力してくれるかもしれない。
「先輩、頼みますよ。」
「何を?」
「いえすいません、忘れてください。」
寝ぼけ頭のせいで、よくわからないセリフを口走ってしまった。一気に顔が熱を帯びるのがわかる。
「やっぱお前、疲れてるよ。じゃ、もう一回このガムで刺激して起こしてやろうなあ!」
「課長、鴉麻さんと葉山はどうしたっすか?」
「鴉麻くんは例の上位体調査、葉山さんは別件だ。庶務課との捜査だったかな?」
「ねぇ~スズちゃんは?」
「んーもう来るはずですが…、ってか絶対音義先輩パシるつもりでしょ。やめなさいよー、後輩いじめるの。」
「いいじゃんスズちゃん可愛いんだから。じゃあマッキーパシっていい?」
「それは嫌です。スズちゃんに言ってください。」
「どっちも人で無しっす…。」
そんな会話をしていると、外からドタドタという足音がする。そして、勢いよくドアが開く。
「…おっ、おはようございます!」
随分と息を切らしながら入ってきたのは、俺の唯一の後輩「鳳鴻スズ」である。彼女が急いできた理由は、始業時間ギリギリであることだろう。しかし、彼女はいつも俺の次くらいに出勤しており、かなり早く職場に着くはずなのだが、今日はやけに遅い。その理由は、腕の中に抱えたものだろう。
「はあ…、はあ…、ごめんなさい、遅れました…。」
「いやいや、まだ始業時間前だからセーフだよ。それにしてもそれ…。」
そう課長が言うと、彼女は腕の中に抱えた一羽の雀を皆に見せた。
「おお、これまた可愛い雀ですこと。」
「また怪我でもしてたんすか?」
「そうなんです…、出勤中に見つけてしまって…。そこで…、座敷木先輩…。いつものお願いしてもいいですか…?」
「おっけー。ちなみに、報酬はランチ奢りで!気になるイタリアンがあるんだよねえ。」
「…うぅ、ありがとうございます…。」
嬉しいのか、悲しいのかわからない声で鳳鴻は答える。
彼女は”もの”に宿るとされる神「付喪神」と呼ばれる異人の一人である。彼女はその中でも、小動物に関する付喪神であるらしいが、詳しいことは本人にすらわからないらしい。彼女は小動物と会話、協調、使役をすることができ、この課の中でも優秀な情報収集の担い手である。しかし、その性格ゆえ先輩にはこき使われえおり、少し大変そうだ。
鳳鴻が雀をそっと外に逃すと、課長が皆に改まった感じで言う。
「さて、今日もぼちぼち気張っていこうか。諸君も知っての通り先日、強力な上位体の異形が出現した。更に、その足取りはまだ掴めずにいる。だが、それだけでなくこの混乱に乗じた異形にも警戒を払わねばならない。とにかく、任務に出る者は用心するように。」
「「「はい」」」
先輩方は早速扉を出てそれぞれの任務に向かう。課長も言っての通り、現在異警察は厳戒態勢であり今日の仕事はそのほとんどが例の上位体関連だろう。かなりの敏捷性、パワー、更には分身体を作り、操るほどの知能を持っている。下手をすれば、20年前の悲劇を超える事態になるかもしれない。先輩方はあんな感じだが、今日誰が死んでもおかしくない事態だ。俺も余力があればいいものだが、今日はこの署に残っていなければならない理由がある。それは、
その時、机の上の電話が鳴る。来たか、と思う間も無く俺は受話器を取る。
「はい、こちら哨戒特化五課、荒牧です。」
『私だ。署長室まで頼む。』
「…承知しました。」
ガチャ、と言う音とともに音声は切れ、電子音に切り替わる。
「どうしたの?荒牧くん。」
「どこか入り用ですか?もし雑用とかでしたら私が…。」
心配した様子の課長と居残りの鳳鴻が言う。
「いえ、大丈夫です。ちょっと出てきます。」
俺は立ち上がり、ジャケットを羽織る。
「行くってどこへ?」
「署長と話をしてきます。」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
椿の国の後宮のはなし
犬噛 クロ
キャラ文芸
※毎日18時更新予定です。
架空の国の後宮物語。
若き皇帝と、彼に囚われた娘の話です。
有力政治家の娘・羽村 雪樹(はねむら せつじゅ)は「男子」だと性別を間違われたまま、自国の皇帝・蓮と固い絆で結ばれていた。
しかしとうとう少女であることを気づかれてしまった雪樹は、蓮に乱暴された挙句、後宮に幽閉されてしまう。
幼なじみとして慕っていた青年からの裏切りに、雪樹は混乱し、蓮に憎しみを抱き、そして……?
あまり暗くなり過ぎない後宮物語。
雪樹と蓮、ふたりの関係がどう変化していくのか見守っていただければ嬉しいです。
※2017年完結作品をタイトルとカテゴリを変更+全面改稿しております。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
隣の家に住むイクメンの正体は龍神様でした~社無しの神とちびっ子神使候補たち
鳴澤うた
キャラ文芸
失恋にストーカー。
心身ともにボロボロになった姉崎菜緒は、とうとう道端で倒れるように寝てしまって……。
悪夢にうなされる菜緒を夢の中で救ってくれたのはなんとお隣のイクメン、藤村辰巳だった。
辰巳と辰巳が世話する子供たちとなんだかんだと交流を深めていくけれど、子供たちはどこか不可思議だ。
それもそのはず、人の姿をとっているけれど辰巳も子供たちも人じゃない。
社を持たない龍神様とこれから神使となるため勉強中の動物たちだったのだ!
食に対し、こだわりの強い辰巳に神使候補の子供たちや見守っている神様たちはご不満で、今の現状を打破しようと菜緒を仲間に入れようと画策していて……
神様と作る二十四節気ごはんを召し上がれ!
お命ちょうだいいたします
夜束牡牛
キャラ文芸
一つの石材から造り出された神社の守り手、獅子の阿形(あぎょう)と、狛犬の吽形(うんぎょう)は、祟り神を祀る神社に奉納されますが、仕えるべき主と折り合い上手くいかない。
そんな時、カワセミと名乗る女が神社へと逃げ込んできて、二対の生まれ持った考えも少しづつ変わっていく。
どこか狂った昔の、神社に勤める神獣と素行が悪い娘の、和風ファンタジー。
●作中の文化、文言、単語等は、既存のものに手を加えた創作時代、造語、文化を多々使用しています。あくまで個人の創作物としてご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる