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第1章
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俺達は三人で役所へと行く事になった。
話を聞いていないイザナミはルンルンでお散歩気分だ。
羨ましい。
そんな事はさておき、俺達は境内を出て歩いていた。
すれ違う人々に、俺は怖くてビクビクしてしまった。
多分、皆同じことになると思う。
あの話を聞けば誰だって怖いわ!
本当は一歩だって外に出たくなかったわ!
と俺の悲鳴は誰にも届くこともなく、出発した。
ちなみに、天照は何時ものように、朝早くからでかけていた。
まぁ役所には何事もなく着いた。
途中で、月詠から
「人と神の違いなんて、そうそうないんだよ~。
能力か神の力かってだけなんだよね。
見た目の違いなんてないんだから、堂々としときゃあいいの。
イザナギは逆に怪しいからw。もっとちゃんと歩こw。」
と笑われた。wの後に。を付けるのも違和感があるが、そこを言っていると、また長くなりそうなのでやめておこう。
そして役所の人はなぜか、またもや喋る動物だった。
「それではイザナミ様、イザナギ様。
仕事申請書は承りました。後日、お知らせをさせて頂きます。
その際、もう一度こちらに足を運んで下さい。」
と丁寧に説明を受けた。
ハイラとは違い、怖さは全くなかった。
しかし、この異様な光景は全く慣れない。
象に道案内をしてもらい、兎に説明してもらい、ペンギンに手を振って帰った。
これが全て人ならば普通なのだが…
まぁ今日の報酬は、仕事申請ができたという事でいいとしよう。
そしてまた、怖い怖い恐怖の帰り道を帰ることになった。
家?廃虚?廃屋?お寺?まぁそんな所に帰った。
すると、賽銭箱付近に見知らぬ女の子が立っていた。
「どうしたの?」
俺は話しかけた。そこにずっと居られては、困るからだ。
「お願いしていたの。」
女の子は高い声と少し涙目の顔で答えた。
「お願いごと?」
「うん!母神様が早く帰ってきますようにって。」
その言葉に俺は血の気が引いた。
「君のお母さんは…」
「仕事に行ってるの!今回はちょっと遠出なんだって!」
と明るい声とは裏腹に女の子の涙が痛かった。
「じゃあ、お父さんは?」
「…私が生まれる前に、父神様は居なくなったの。
母神様は『どれいになった』って言ってたけど、私良く分かんない。」
「…そうか。」
俺は女の子の頭に手を置いた。
頭を撫でるなんて久しぶりすぎて、ぎこちなかった。
「君は今、どうしてるの?」
そこで月詠が女の子に話しかけた。
「大名様の所にお世話になってます。」
「あぁ、専属契約したの。」
「はい。そこそこ名のある大名様なので、今まで捕まらずにすみました。」
「偉いね。」
とイザナミは女の子と目線が合うようにしゃがみこんで、話した。
「偉いね。」
もう一度同じ言葉を繰り返し、女の子を抱き寄せた。
今度はイザナミの方が泣いていた。
抱き合っている二人は、なんだか小さく見えた。
この小さなものだけでも守りたいなと、思った。
しかしそれは、何も知らない頃に俺が思ったことだ。
人の考えなんて、すぐに変わってしまう。
俺もまだ人だ。考えも思いも変わってしまう。
それを誰が責められるだろうか。みんな一緒なのだ。
自分のことに精一杯で、人のことを気にしている暇なんてない。
俺だって、例外じゃないんだ。
俺は小さな二人が泣き止むのを、ただただ待っていた。
青すぎる晴天の下。俺達に新たな出会いが訪れる。
話を聞いていないイザナミはルンルンでお散歩気分だ。
羨ましい。
そんな事はさておき、俺達は境内を出て歩いていた。
すれ違う人々に、俺は怖くてビクビクしてしまった。
多分、皆同じことになると思う。
あの話を聞けば誰だって怖いわ!
本当は一歩だって外に出たくなかったわ!
と俺の悲鳴は誰にも届くこともなく、出発した。
ちなみに、天照は何時ものように、朝早くからでかけていた。
まぁ役所には何事もなく着いた。
途中で、月詠から
「人と神の違いなんて、そうそうないんだよ~。
能力か神の力かってだけなんだよね。
見た目の違いなんてないんだから、堂々としときゃあいいの。
イザナギは逆に怪しいからw。もっとちゃんと歩こw。」
と笑われた。wの後に。を付けるのも違和感があるが、そこを言っていると、また長くなりそうなのでやめておこう。
そして役所の人はなぜか、またもや喋る動物だった。
「それではイザナミ様、イザナギ様。
仕事申請書は承りました。後日、お知らせをさせて頂きます。
その際、もう一度こちらに足を運んで下さい。」
と丁寧に説明を受けた。
ハイラとは違い、怖さは全くなかった。
しかし、この異様な光景は全く慣れない。
象に道案内をしてもらい、兎に説明してもらい、ペンギンに手を振って帰った。
これが全て人ならば普通なのだが…
まぁ今日の報酬は、仕事申請ができたという事でいいとしよう。
そしてまた、怖い怖い恐怖の帰り道を帰ることになった。
家?廃虚?廃屋?お寺?まぁそんな所に帰った。
すると、賽銭箱付近に見知らぬ女の子が立っていた。
「どうしたの?」
俺は話しかけた。そこにずっと居られては、困るからだ。
「お願いしていたの。」
女の子は高い声と少し涙目の顔で答えた。
「お願いごと?」
「うん!母神様が早く帰ってきますようにって。」
その言葉に俺は血の気が引いた。
「君のお母さんは…」
「仕事に行ってるの!今回はちょっと遠出なんだって!」
と明るい声とは裏腹に女の子の涙が痛かった。
「じゃあ、お父さんは?」
「…私が生まれる前に、父神様は居なくなったの。
母神様は『どれいになった』って言ってたけど、私良く分かんない。」
「…そうか。」
俺は女の子の頭に手を置いた。
頭を撫でるなんて久しぶりすぎて、ぎこちなかった。
「君は今、どうしてるの?」
そこで月詠が女の子に話しかけた。
「大名様の所にお世話になってます。」
「あぁ、専属契約したの。」
「はい。そこそこ名のある大名様なので、今まで捕まらずにすみました。」
「偉いね。」
とイザナミは女の子と目線が合うようにしゃがみこんで、話した。
「偉いね。」
もう一度同じ言葉を繰り返し、女の子を抱き寄せた。
今度はイザナミの方が泣いていた。
抱き合っている二人は、なんだか小さく見えた。
この小さなものだけでも守りたいなと、思った。
しかしそれは、何も知らない頃に俺が思ったことだ。
人の考えなんて、すぐに変わってしまう。
俺もまだ人だ。考えも思いも変わってしまう。
それを誰が責められるだろうか。みんな一緒なのだ。
自分のことに精一杯で、人のことを気にしている暇なんてない。
俺だって、例外じゃないんだ。
俺は小さな二人が泣き止むのを、ただただ待っていた。
青すぎる晴天の下。俺達に新たな出会いが訪れる。
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