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第一章:始まりの世界 ”準備運動編”
♯57.かけっこバトル⑨ 勝負の行方
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牧村は田崎の指示通りに先にトイレに入って尿を
放出している最中だった。
「よっ。牧村君。今回の勝負を引き受けてくれて、
ありがとな」
哀川が隣に来て尿を出し始めた。
「えぇ、コレクターには非売品という言葉は何より
の原動力になりますから。かなり緊張はしましたが
無事にバトンをつなげましたしね」
「そうか、それなら良かった。何だか派手なイベン
トになってきたし、注目されてるのは変な気分だっ
たよな?」
最初は哀川の登場に緊張したが、さり気ない気配
りに好感を持ち始めて徐々に和らいでいく牧村。
「えぇ、そりゃもちろん、悪い気はしなかったけど
勝負を決める順番だったら絶対に引き受けたりは、
しなかったかなー」
「誰だって、そりゃそう思うだろ。あんなに観客が
多い中で恥ずかしい想いはしたくないぜ。後にトラ
ウマになる可能性だってあるからな~」
「それより大山君のケガの方は大丈夫ですか?」
「それには心配およばないさ。立花の応急処置が良
かったのもあるし、最後の決着を楽しみにしてる人
の表情が痛みを忘れさせているんだと思う」
「興奮状態って事か。そうだ。最後の勝負って最初
から三番目に決めてたの?」
互いの視線を交わす事無く、正面の窓から空いて
いる景色を見詰めながら牧村は哀川の返事を待って
いた。
放出している最中だった。
「よっ。牧村君。今回の勝負を引き受けてくれて、
ありがとな」
哀川が隣に来て尿を出し始めた。
「えぇ、コレクターには非売品という言葉は何より
の原動力になりますから。かなり緊張はしましたが
無事にバトンをつなげましたしね」
「そうか、それなら良かった。何だか派手なイベン
トになってきたし、注目されてるのは変な気分だっ
たよな?」
最初は哀川の登場に緊張したが、さり気ない気配
りに好感を持ち始めて徐々に和らいでいく牧村。
「えぇ、そりゃもちろん、悪い気はしなかったけど
勝負を決める順番だったら絶対に引き受けたりは、
しなかったかなー」
「誰だって、そりゃそう思うだろ。あんなに観客が
多い中で恥ずかしい想いはしたくないぜ。後にトラ
ウマになる可能性だってあるからな~」
「それより大山君のケガの方は大丈夫ですか?」
「それには心配およばないさ。立花の応急処置が良
かったのもあるし、最後の決着を楽しみにしてる人
の表情が痛みを忘れさせているんだと思う」
「興奮状態って事か。そうだ。最後の勝負って最初
から三番目に決めてたの?」
互いの視線を交わす事無く、正面の窓から空いて
いる景色を見詰めながら牧村は哀川の返事を待って
いた。
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