少年と銀貨 第一章：始まりの世界

第一章：始まりの世界 ”チーム対抗戦”

＃１４１．リカ姐のコンプレックス①

　１０分間のブレイクタイム後、食器の片付けを終え
たリカが立花の隣のソファーに座りながら口を開いた。
「今度は私のコンプレックスを話す順番だよね？」
　リカは戸惑いの表情を見せながら立花に問う。
「うん。でも、そもそもコンプレックスがあるように
は見えないんだけど……」
　立花は普段なら決して見ることのない表情を見せら
れているので深刻度が分からず、何故か突き放してし
まう態度になった。

「それは単に話してないだけで両親や仲の良い友人で
さえも話してないんだぁー。本当は誰かに聞いて貰い
たかったんだけどねっ」
　リカは本音で話し続けて相手の出方をうかがった。
「えっ。それを私なんかに話しても大丈夫なの！？」
　今度は立花が目をパチパチさせる。まさかリカ姐の
口から初めて聞かされる内容に対して告白される相手
が自分だとは夢にも思わなかったのだから驚きを隠せ
ずにいた。
「それは、やっぱり、近すぎても話しづらいし。良い
機会を与えて貰ったと思ってるよ！」
「うわぁー。それこそプレッシャー半端ないじゃん。
受け止められないレベルだったら私、無理だよ」
　話を聞いてるうちに、ソワソワしてくる立花。
「大丈夫。ヘビーな話じゃないから。そこは安心して
良いよ。違う悩みだから意外に、そんな事でとか言わ
れそうだもん」
　流石にビビり過ぎてる立花が可哀そうになって、追
い込むのを止めるリカだった。