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第一章:始まりの世界 ”チーム対抗戦” 

#138.リカ姐のアンサー①

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「ヨシっ。話す内容は決まったわ。準備は良い?」
 3分ちょうどにリカが口を開いた。
「えっ何か説教されるの!?」
 立花は心の動揺が口からもれる。
「まさか。私達の関係で、そんな事しないわよ。それ
に怒られるような事は何もしてないでしょ」
「うん……」
「じゃぁ、問題ないじゃない」
「はい。お願いします!」
 的外れな答えを言った立花に怒らずに丁寧に話を進
めるリカだった。

「そうこなくっちゃね。先ず一番の本題(バストUP)
に入る前に歴史から話をするね」
「歴史が何か関係あるの?」
 歴史と言われて、いまいちピンと来ない立花。
「まぁ、とりあえず聞いてみて」
「はい。分かりました」
「日本人女性の平均バストサイズがCカップなんだけ
ど、近年は芸能人の女性間で大きい傾向にあり、流行
りでもあるかな。昔は小さい胸のグラビアアイドルの
子も居たりして人気があったんだけども今はブームっ
て程でも無いかな。胸が大きい事で男性は母性に包ま
れてる気になるものなの。授乳で育ってれば特にその
傾向が強いという説もあるみたいだし。小さい程幼さ
をイメージする人も居るだろうし」
「それは私にも理解できる」
 立花は順序立てて説明してくれる話に引き込まれる。
「でもさ。世の中には胸の大きい人が苦手だって人も
居るんだし、ありのままの自分をちゃんと見てくれる
人を探すってのもアリな気がするんだ」
「具体的には、どうするの?」
「合コンで知り合った男性に胸の大きいサイズが苦手
な男友達を紹介してもらうのっ」
「成程ね! それは盲点かも」
 素直に納得してしまう立花。

「でしょ。だっていきなり、成人の女性がBARに入っ
て気に入った男性の隣に座って”Cカップなんだけど、
気にならないかしら”何て酔ってても聞けないでしょ!」
「だから、そこのデリケートな問題をで先に
聞いておいてもらってクリアした段階で会うわけだか
らコンプレックスもだいぶ楽になると私は思うんだっ」
「うん。合理的な答えだけど前向きになれるかも」
「でしょ。悩みは他人が解決してくれる時もあるっ
てのが私の持論なの」
 自信ありげに目をパチパチさせるリカだった。 

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