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第一章:始まりの世界 ”チーム対抗戦” 

#134.チーム対抗戦の始まり”56”バトル開始2 陸城の挙手

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「あの~。少し意見があるんですが良いですか?」
 挙手をした陸城は改まった態度で話始めた。それ
が功を奏したのか運営は特に身構えた様子もなく、
即対応を見せる。
「何か意見でも?」
 黒服が口を開いた。

「はいっ。第二試合の結果については決定事項です
ので特に不満はありません。しかしながら腕相撲の
競技に相撲の技を用いてくるのは問題あるんじゃな
いかなと思ってます。プロレスもありましたし本来
の競技からズレてるような気がしてなりません」
 陸城は視線を下にズラしながらスラスラと話し始
めた。
「では、こちらに、どうしろと言いたいのですか」
 黒服は、相手が何を求めているのかを率直に促す
行動に出て相手の様子をうかがう事に決める。

「審議していただきたいのは、もちろんの事ですが
こちらの意見が最もだと判断された場合は相撲技も
禁止事項に入れて下さい。それと禁止事項と判断さ
れた行動に対してペナルティとしてボール投げの位
置を後ろに下げて欲しいです。これくらいは公平性
を保つ意味でも十分可能な範囲だと思ってます!」
 西島に渡されたメモ用紙を見ながら正当性を訴え
る作戦に出る陸城。観衆のリアクションを見てみる
と三分の一以上は賛成派で当初の予想通りの展開だ
った。
「では審議に入らさせて頂きますので3分間の休憩
と致します」
 黒服が話し終えると立花は進行をジャマされた気
がして怒りが沸き起こり、陸城に対して鋭い視線を
送り続けていた。もちろん当の本人は視線を下げた
ままなので知る由も無かったのだがタカフミだけは
歓迎ムードで拍手すらしている状態だった。
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