少年と銀貨 第一章：始まりの世界

第一章：始まりの世界

３３．隣のおじさんとの記憶②

　冬の景色を眺めているのにフライドチキンを食べた事
を思い出してると何故か正反対な夏を思い出してしまう
自分が居た。特に夏休みに隣のおじさん宅で遊んだ盤上ばんじょう
ゲーム（ボードゲーム）と出会った事で友達と遊ぶのに
話題作りとなったのだ。当時、小学生の間で流行ってた
遊びは現代版ベーゴマであったが私が感銘かんめいを受けた商品
を知って欲しく、週末になると隣のおじさん宅でボード
ゲーム大会が開かれる事もあった。ボードゲームと言う
と日本で馴染みのあるのは囲碁いご、将棋しょうぎ、オセロであるが
おじさんが勧すすめたものは盤を囲っての対戦型ではなく、
スタートからゴールまでの順位を競きそう”すごろく形式”の
ゲームであった。人生を題材だいざいにした商品ならばピンと来
る人も多い事だろう。しかし、ベタな物を勧めるのは面
白みに欠けるという基準きじゅんでお化けが潜ひそんでいる建物を題
材としたボードゲームを押し入れから運んで卓上に乗せ
て中を見せてくれた時のワクワク感は、今も忘れる事が
出来なかった。

　箱の中に入ってた物はゲーム盤、人間コマ、死神しにがみコマ、
はしごコマとまよけカード（知恵ちえ・勇気ゆうき・力の三種類）
に、おばけカードがあり、このゲームにはルーレットが
存在しないのでプレイカードと呼ばれるものでプレイヤ
ーは先に進んで行く事になる。そしてこの手のゲームで
はプレイカードを入れる容器（トレイ）がある事も特徴
だ。あまりの人気の高さに復刻版ふっこくばんやスマホ対応版も登場
した程である。