少年と銀貨 第一章：始まりの世界

第一章：始まりの世界 ”チーム対抗戦”

♯１０４．チーム対抗戦の始まり㉖ ＊チームごとの順番決め（大山チーム）

　それを受けて牧村は正直に答える。
「戦力を考えて、ここしかないと思ったんだっ」


「じゃぁ僕が正式に順番を発表する。３番の牧村君は
今回参加させる予定は無かった。だから、あくまでも
順番決めに関して参考意見が欲しかったんだ。つまり、
代役は川邑ヒカルさんに、お願いしたい！」
「えっー。さっきと意見が真逆で戸惑うんだけどー！」
　ヒカルはこの時、正直、嬉しさの方が勝っていた。

「牧村君が前半、後半を選んだらレギュラー入りの可
能性があったんだけど。やっぱり女子陸上部エースの
力を温存するのは、もったいないって思ってさ。ダメ
かい？」
「そういう調子良いところ、昔から全然変わってない
よね？　まぁ頼まれたら嫌と言えない性格だし、何か
燃えてきたよ」
「じゃあ決まりだね！　みんな士気を高めたいから、
円陣組もう。立花さんも入って」
「何か恥ずかしいんだけど……」
　嫌々ながらもタカフミのペースに乗せられて肩を寄
せ合い両手で円陣を組むとタカフミが大声を張り上げ
て言葉を掛ける。

「責任はリーダーの俺が取る。はっちゃけて行こうぜ！」
「おぅっ！！」
　この円陣を観ていたギャラリーの殆どはタカフミの
チームに入ったら楽しそうだなと感じ始めていた。