少年と銀貨  第一章:始まりの世界

五十嵐 昌人

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プロローグ

4. 特殊能力①

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 ある人物と待ち合わせをしているタカフミは今も学生間
いじめが無くなっていない事に胸を痛めている。何も変え
られない己の無力さを感じながらも自分の身近な大切な存
在に起こった場合は全力でそれを阻止したいと強く思って
おり、祖父の書かれた文字を幾度いくども眺めている内に左頬へ
と熱い涙がこぼれ落ちている事に気付いていた。

 腕時計を見ると約束の時間まで15分ある事が分かり、
久々に”Nリバイバル”を発動させようと心に決める。
小学校時代の3年分の記憶の中で取り出したいと強く思う
記憶を順に再生していく能力で最長15分間は睡眠状態と
なり、リアルタイムと同じような疑似体験が出来る特殊能
力である。再生できるのは、あくまでも自身の記憶の範囲
内なので他者からみたら何が特別な能力なのか理解されな
い傾向があり、疑わしいと言えなくもない。
 しかし、タカフミは、悪びれも無く特定の人物との待ち
合わせの際の時間つぶしに利用しているのである。発動中
(脳内再生中)の15分間は、どんな事が起きても(外部
による刺激を与えられても)絶対に目を覚まさない事が上
げられる。利用する場所やタイミングによっては、事件や
事故に巻き込まれる可能性が全く無いとは言い切れない為
待ち合わせ相手である人物をハラハラさせている能力でも
ある。

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感想 5

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