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第一章:始まりの世界 ”準備運動編” 

♯77.かけっこバトル㉘ リーダーの願い②

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 堀部が書いた後、牧村、田崎と続いて各々フルネーム
で記入した。

 タカフミは名前を確認して心の中で読み上げる。
(堀部けんた、牧村なまぶ、田崎しんいち。これで三人
の名前を入手できた。後は陸城君だね)

 タカフミは確認が終わるとスピンを挟んで本を閉じた。
「ピカっーァーーーー」
 表紙のタイトルと閉じた部分から、まばゆい青白い光
が放たれた事で正式に受理された事が証明された訳だが
初めて見る光景に三人の喉がゴクリと鳴った。

「何っ!」
「今の!?」
「手品か何か?」
 堀部、牧村、田崎が順に口を開いたが実際に起こった
出来事なのか夢でも見ているのか判断が付かなかった。

「みんな驚かしてゴメン。青白い光が出る事がとても、
重要な事なんだよ。仲間に入ってくれれば、もっと不思
議な事を体験できるかもだけどねっ」
 はにかんで見せたタカフミの様子を見て半信半疑だっ
た三人が不思議な現象をもっと見てみたい気持ちになっ
ていた。
「まぁ、気が向いたら声掛けてよ。いつでも大歓迎だか
らさ」
「じゃあ、僕は入るよ。勝利の喜びと存在意義を見付け
たから恩返ししないとね」
「助かるよ!」
 タカフミは素直な言葉で堀部を歓迎し握手あくしゅを交わした。
堀部は即答したが残る二人は考えさせてほしいと言って
その場を後にした。
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