選ばれし聖女は神に苦情が言いたい

もぶぞう

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偽物が勇者を名乗るのはある意味勇者だけど必要なのはそんな能力じゃない

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聖国に勇者が現れたそうです。
まあ、偽物確定なんですけどね。
聖国はわたしこと聖女アーニャに本物宣言をしてもらいたくてここに呼んだ訳ですね。
容赦なく聖国にも神罰が降ったのを忘れているのでしょうか。
依頼なのでお金もらえますから来ましたけど、先払いでお願いしますよ。
また禄でもないことになるに決まってるのですから。

「それで、自称勇者くんは何をしに来たのですか?」

「自称では無い!
お前こそ自称聖女ではないのか。」

「ああ、そこは既に終わった話なのですよ。
どんな田舎に居ても神罰の話は聞いているでしょう?
また最初からやると教会の人が足りなくなりますよね。
と言うか、聖国のお偉いさんがわたしを聖女として依頼してきてる時点で普通の頭が有れば理解できるでしょう?
わたしを貶めた時点であなたは偽勇者に格上げです。
神罰対象者となりましたのでもう消滅させて良いですかね?
勇者を名乗るのなら耐えられますよね。
ああ、お仲間もご一緒なので今更逃げないで下さい。
ちゃんとでっち上げた神官とか貴族も対象になってますからご一緒に消えて下さいね。」

おやおや、結構遠いところに居るじゃありませんか。
逃げ切れるとでも思ってるのですかね。

新しい教皇だか法王だかもやっぱりかと言う顔をしている。
勇者呼んでどうにかなる状況じゃないって知ってますよね。
神が力を無駄遣いできる訳無いじゃないですか。
今回の神罰は対象の人数が少ないのでわたしの力を使うそうですよ?

「久しぶりに神罰執行、行きますよ。」

おやおや、偽勇者くんはへたり込んでしまいましたか。
お仲間は逃げようとして逃げられないようです。
これも神罰の内ですか?

「あっ、帝国の何とかと言う貴族に神罰落ちましたね。
お仲間と一緒に黒焦げです。
神官も居たようです。
何かもう人としての尊厳とかはく奪されてるみたいですよ。
他の皆さんも神罰対象にならないように気を付けて下さい?」

「聖女アーニャ、その者たちには何も起こらないようだが?」

「いやいや、破門されて祝福全部返納、消滅されてますよ?
今なら5歳児にも負けるでしょう。
下手に転ぶと死んじゃいますからね?
ほら、鎧が重くて起きられないでしょう?」

偽勇者一行はへたり込んで色々垂れ流している。
元々持っていた能力が大したこと無かったので神罰に使った力を回収できていないじゃないですか。
もうちょっと鍛えてから勇者を名乗りなさいよ。
この赤字をどう補填しましょうか。

「おや、そこの貴族の人。
あなたがこれを仕込んだのですね?
家宝の杖とやらは賠償金代わりに受け取っておきます。
おっと、これは中々の一品。
良い仕事してますね。
わたしは使いませんけどね。」

速攻で家宝の杖を引き寄せてインベントリに仕舞った。
わたしが使ったら耐えきれずに壊れますね。
良さげな外観だったので残念です。

「じゃあ、聖国のお偉い人、わたしは帰りますね。
こんなつまらないことでわたしを呼ぶようでしたら、再び神罰の嵐となりますからね?」

重くて動けない偽勇者たちの装備も外してあげよう。
もちろんわたしのインベントリ行きです。
きちんと清潔に浄化しましたからね。
聖剣ではないですが、これも中々の一品。
良い仕事ついでにわたしが使っても壊れない物を作りなさいな。

これでは赤字のままですね。
しばらく浄化のお仕事はお休みしますよ?
神が文句を言っているようですけど、決定事項です。
あら?最優先事項でしたかしら。
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