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第1章 聖女、働くってよ
第32話 白龍さんに乗って
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午後3時、白龍さんに乗せてもらってオフラン王国王城上空のシャルテが現場からお伝えします。
尖塔の前にホバリングしてもらってますよ。
下から魔法の攻撃が飛んで来ていますが、馬鹿ですね。
祖龍様に効く訳無いじゃないですか。
その前にわたしが結界を張って反射してるのでお城に攻撃が当たってますよ?
招待したんだから、そちらの意図と違っても歓迎しなさいよ。
歓迎の花火にしてはしょぼいわよ?
結界内に尖塔を入れているので下々の騒ぎを他所に浄化します。
確かに気持ち悪い感じですね。
王都パルに入ったときに感じたのはこれでしたか。
さて、念入りに魔力ましましで浄化します。
「シャルテ、王城にヒビが入ってるわよ?
わたしが吹き飛ばすまでもなく壊れるわね。」
「白龍さん、神様の力に頼ると神域になりそうなので魔力で押します。
精霊の敵に神域を与えてたまるものですか。
王城が壊れるのは誤差の範囲ですよ。
半分は白龍さんの存在圧力のせいでしょ?」
結界の中の尖塔がわたしの魔力に負けて崩壊した。
呪物が露になりましたよ。
真っ黒な球状で禍々しいです。
よくもまあ、こんなものを作ったものです。
これのせいで王都パル周辺には樹の一本も生えないのにね。
壊したあとも精霊は恵みを与えないとは思いますけど。
王都民の健康にも悪影響だったでしょうに。
排除は聖女のお仕事よね?
治療、結界、浄化とこの場で聖女三大お仕事コンプリートです。
魔力の影響で下で攻撃してた者たちも潰れていますね。
息は有るようです、苦しそうですが。
王城内に残ってたら同じ目に会ってそうですね。
勧告を聞かなかった者の自業自得です。
祖龍様の圧も加わってるのでダメージが大きく残ると思いますよ?
呪物にわたしの魔力が浸透して行きます。
「シャルテ、今。」
一緒に来ていた大精霊の合図と共に浄化の術を発動します。
呪物は眩い光を放って消えて行きました。
残ったのは仮死状態の精霊。
仕組みは分からないけど消滅していないのは魔力を注いで使う道具だったからなのでしょうか。
「大丈夫よ、消滅しないで済んだわ。
やはり先にシャルテの魔力を浸透させたのが正解ね。
ありがとう、シャルテ。
白龍も手伝ってくれてありがとう。
この子たちは精霊界に連れて行くわ。」
助言の為に来ていた大精霊は仮死状態の精霊を連れて消えた。
用は済んだので報酬の森をもらって帰りましょうかね。
ドイテ側の森ももらえるのが確定しているので一緒にして結界を張ってしまいましょう。
結構広いから結界の力を込めるのに耐える宝石は有ったかな。
「わたしの持ってる石を譲るわよ。
お代はオークカツひと月分ね。
オークキングカツを週に1回入れてね。」
さすがドラゴン、ヒカリモノ好きは外さないようです。
対価がカツって安過ぎよね。
「良いのよ、親戚の子を助けてもらったのだもの。
それに楽しかったわ。
町中から畏怖の念が溢れて久しぶりに神の一柱として働けたみたいね。」
そりゃあ王都の真ん中に白く大きなドラゴンが現れたら祈っちゃうよね。
これも神罰として噂に成りそうね。
派手なのでドイテの件が霞んじゃうわ。
この後は精霊たちがエルフ狩りを片付けるから、それも合わせて大騒ぎになるわよね。
ドイテ王国とオフラン王国に挟まれたどちらの国にも所有されていない土地に結界の宝石を設置する。
盗まれないようにここには全体の結界とは違う結界を張っておく。
そして両国に跨る森に結界が張られた。
ここに入るのも精霊の許可制です。
地元で利用されてたりするだろうからね。
橋頭堡となるはずが事が終わってしまった。
精霊の森を取り返したし、呪物も無くなったしで良い仕事したわ、わたし。
シャルロッテさんがパニックです。
「なん、何なんですか、あのドラゴンは。
パルの神殿は祈る人で溢れちゃったじゃないですか。
次は攻めて来るのですか?
王都全体に避難勧告が必要なのですか?
王城の一部は壊れるし、全体的に修理は無理みたいなのですよ!」
やっぱり王城は使い物にならなくなってましたか。
「落ち着いてください、シャルロッテさん。
あの白いドラゴンはあそこでオークカツを食べてる白龍さんですよ。
ちなみに3回おかわりしてます。
わたしを乗せてくれるって聞いてたじゃないですか。
祖龍様なので祈るのもアリですよ。
オフランでの用は済んだので、もうドラゴンの姿で行くことはありません。」
「本当にダンジョンにドラゴン呼んだのですか。
神官ダンジョンの方ではありませんよね?
無理ですよ?
倒せる訳無いじゃないですか。
吐息だけでわたくし飛ばされてしまいますよ。」
「ドラゴンさんたちを呼んだのは神様ですよ。
まあ倒せる人は居ないでしょう。
新ダンジョンの95階層以降ですし。」
「神が……。
ならばやはり神罰なのですか。」
「まだまだ神罰は続きますよ?」
「続くのですか。
そうでした、エルフ狩りを殲滅するのでしたね。
今回は人的被害は出ませんでしたが……。」
「ええ、ご懸念のとおりこの後は溺れる人が続出するでしょう。
エルフ狩りに関わった人は滅びるでしょう。
エルフに限らず違法奴隷全般ですが。」
シャルロッテさんはお疲れのようです。
やはりスペシャルマッサージチェア『教皇の椅子』を用意せねば。
尖塔の前にホバリングしてもらってますよ。
下から魔法の攻撃が飛んで来ていますが、馬鹿ですね。
祖龍様に効く訳無いじゃないですか。
その前にわたしが結界を張って反射してるのでお城に攻撃が当たってますよ?
招待したんだから、そちらの意図と違っても歓迎しなさいよ。
歓迎の花火にしてはしょぼいわよ?
結界内に尖塔を入れているので下々の騒ぎを他所に浄化します。
確かに気持ち悪い感じですね。
王都パルに入ったときに感じたのはこれでしたか。
さて、念入りに魔力ましましで浄化します。
「シャルテ、王城にヒビが入ってるわよ?
わたしが吹き飛ばすまでもなく壊れるわね。」
「白龍さん、神様の力に頼ると神域になりそうなので魔力で押します。
精霊の敵に神域を与えてたまるものですか。
王城が壊れるのは誤差の範囲ですよ。
半分は白龍さんの存在圧力のせいでしょ?」
結界の中の尖塔がわたしの魔力に負けて崩壊した。
呪物が露になりましたよ。
真っ黒な球状で禍々しいです。
よくもまあ、こんなものを作ったものです。
これのせいで王都パル周辺には樹の一本も生えないのにね。
壊したあとも精霊は恵みを与えないとは思いますけど。
王都民の健康にも悪影響だったでしょうに。
排除は聖女のお仕事よね?
治療、結界、浄化とこの場で聖女三大お仕事コンプリートです。
魔力の影響で下で攻撃してた者たちも潰れていますね。
息は有るようです、苦しそうですが。
王城内に残ってたら同じ目に会ってそうですね。
勧告を聞かなかった者の自業自得です。
祖龍様の圧も加わってるのでダメージが大きく残ると思いますよ?
呪物にわたしの魔力が浸透して行きます。
「シャルテ、今。」
一緒に来ていた大精霊の合図と共に浄化の術を発動します。
呪物は眩い光を放って消えて行きました。
残ったのは仮死状態の精霊。
仕組みは分からないけど消滅していないのは魔力を注いで使う道具だったからなのでしょうか。
「大丈夫よ、消滅しないで済んだわ。
やはり先にシャルテの魔力を浸透させたのが正解ね。
ありがとう、シャルテ。
白龍も手伝ってくれてありがとう。
この子たちは精霊界に連れて行くわ。」
助言の為に来ていた大精霊は仮死状態の精霊を連れて消えた。
用は済んだので報酬の森をもらって帰りましょうかね。
ドイテ側の森ももらえるのが確定しているので一緒にして結界を張ってしまいましょう。
結構広いから結界の力を込めるのに耐える宝石は有ったかな。
「わたしの持ってる石を譲るわよ。
お代はオークカツひと月分ね。
オークキングカツを週に1回入れてね。」
さすがドラゴン、ヒカリモノ好きは外さないようです。
対価がカツって安過ぎよね。
「良いのよ、親戚の子を助けてもらったのだもの。
それに楽しかったわ。
町中から畏怖の念が溢れて久しぶりに神の一柱として働けたみたいね。」
そりゃあ王都の真ん中に白く大きなドラゴンが現れたら祈っちゃうよね。
これも神罰として噂に成りそうね。
派手なのでドイテの件が霞んじゃうわ。
この後は精霊たちがエルフ狩りを片付けるから、それも合わせて大騒ぎになるわよね。
ドイテ王国とオフラン王国に挟まれたどちらの国にも所有されていない土地に結界の宝石を設置する。
盗まれないようにここには全体の結界とは違う結界を張っておく。
そして両国に跨る森に結界が張られた。
ここに入るのも精霊の許可制です。
地元で利用されてたりするだろうからね。
橋頭堡となるはずが事が終わってしまった。
精霊の森を取り返したし、呪物も無くなったしで良い仕事したわ、わたし。
シャルロッテさんがパニックです。
「なん、何なんですか、あのドラゴンは。
パルの神殿は祈る人で溢れちゃったじゃないですか。
次は攻めて来るのですか?
王都全体に避難勧告が必要なのですか?
王城の一部は壊れるし、全体的に修理は無理みたいなのですよ!」
やっぱり王城は使い物にならなくなってましたか。
「落ち着いてください、シャルロッテさん。
あの白いドラゴンはあそこでオークカツを食べてる白龍さんですよ。
ちなみに3回おかわりしてます。
わたしを乗せてくれるって聞いてたじゃないですか。
祖龍様なので祈るのもアリですよ。
オフランでの用は済んだので、もうドラゴンの姿で行くことはありません。」
「本当にダンジョンにドラゴン呼んだのですか。
神官ダンジョンの方ではありませんよね?
無理ですよ?
倒せる訳無いじゃないですか。
吐息だけでわたくし飛ばされてしまいますよ。」
「ドラゴンさんたちを呼んだのは神様ですよ。
まあ倒せる人は居ないでしょう。
新ダンジョンの95階層以降ですし。」
「神が……。
ならばやはり神罰なのですか。」
「まだまだ神罰は続きますよ?」
「続くのですか。
そうでした、エルフ狩りを殲滅するのでしたね。
今回は人的被害は出ませんでしたが……。」
「ええ、ご懸念のとおりこの後は溺れる人が続出するでしょう。
エルフ狩りに関わった人は滅びるでしょう。
エルフに限らず違法奴隷全般ですが。」
シャルロッテさんはお疲れのようです。
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