エルフで聖女で転生者

もぶぞう

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第1章 聖女、働くってよ

第24話 オークキング、うまー

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エミリアとブリジットさん、それから多くのエルフたちと焼き肉食べ放題中です。
シャルテです。


王子たちはドイテ王国に引き渡したそうです。
正確にはドイテの神殿預かりだったかな。
神殿に牢屋が無いので王国の牢に入れて神殿の騎士が見張ってるとか。
まだ交渉結果の文章が作られてないからね。
門を封じていた結界は解きましたよ?

王子たちの牢馬車を引くのに2頭の馬を使ったので護衛の内2人がシャルロッテさんと囚人の馬車の御者をそれぞれ務めた。
王子たちの蔦は解いてませんよ?

エミリアとブリジットさんは町に残して、やって来る神官の対応をさせていたそうだ。
まだ開通を確認する人員が行き来しただけなので滞在する神官は増えていない。
精霊に通してもらえる人が居て良かったね。
それを寄越した人は疑っていたんじゃね?
そう易々と神授の転移陣を増やせるものか、と。
行先の印増えてるんだから信じるしかないだろうに。
きっと本人は通れないかもしれないね。


エミリアは冤罪が晴れても国に帰る気が無いとか。
何ならシャルロッテさんの妹さんもこちらに連れて来る話になっているらしい。
貴族よね?大丈夫なん?

既にエミリアの冤罪については調査が始まっている。
王子たちを拷問すればすぐだろうに。
ちょっと飲まず食わずで縛ったままだったから弱ってて落ちるの早いと思うよ?

目の前で焼き肉してるのを見せびらかしたらもっと早いのではないかと思うシャルテです。


「オークキング、うまー。
町の特産品にできるよね。
安定供給するには収穫する人が必要になるけど。」


「シャルテ、この肉は全部カツにしてくれるか。
そっちの3人の分持ってって良いから。」


「まいどー。
油使うついでに普通のオークも後で揚げとくから要るときは言ってね。
ちょっと薄めに切って重ねた間にチーズとか大葉とか挟んだのも美味しいよ。
薄い分揚げる時間も短縮できるしね。
余熱で中側の火を通すくらいが良いみたい。」


「おう、つまみやベントーに入れるのに良さそうだな。
今度作ってみる。」


こうやって少しのヒントを上げると何倍にもなって帰って来るのよ。
オーク肉は大量に獲れるから色々なバージョンが出て来るわよ。
料理歴100年越えが沢山居るからね。
ギブアンドテイクよ。
カツを揚げるのは譲らないわよ?
揚げ油の調整もプロにお願いしたけどね。

焼き肉のタレだって同様に進化した。
わたしが自分用に作った醤油ベースのタレを揉み込んだお肉を焼いた香りだけで、アレを足した方が良いんじゃないか、いや、あっちの方も旨そうだ、と、焼き肉のタレ開発&品評会が始まってしまったのだ。

お醤油のストックが一気に減って大変だったのよ?

代わりに美味しい焼き肉のタレができたけどね。


「これは美味しいですね。
お肉が美味しいのもありますが味付けが塩だけでないことに驚きました。」


あちゃー、塩と砂糖だけの世でしたか。
エルフの里では胡椒もちゃんと使ってるしハーブもあるよ?
お醤油やお味噌はわたしが作ったけどね。
塩だけじゃフォレストボアは獣臭さが残るでしょうに。

エミリアの言葉にブリジットさんも頷いてるし、それが一般的なのね。
わたしのなんちゃって日本料理を食べたときには言ってくれなかったじゃない。
お魚のときも胡椒入ってたわよ?

人の国に行っても食べに行くと絡まれたり、その時間に仲間を呼ばれて待ち伏せされたりするから止めたのよね。
周りを警戒していたから味わうことも無かったわね。
とにかく人の国に良い思い出は無い。
この追い打ちで聖女のお仕事しなくなるわよね?

個人では善良な人が居ることは分かっていても、酷い目に会い過ぎたわ。

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