エルフで聖女で転生者

もぶぞう

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第1章 聖女、働くってよ

第17話 大笑いされた

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あの後、長とわたしが時間差で魔物ダンジョンに入ってみて確認した。

別空間でした。

中で会えなかったので精霊経由で連絡し合って10階層クリアまでそれぞれ駆け抜けました。
魔物倒して駆け抜けるだけならこの程度は大した時間が掛からないよね。
長は後半階層で宝箱開いて中級ポーションとか拾っていた。
普通はこんなものさね、と笑ってるし。

わたしのは創造神様の過保護だからね?
わたし自身がおかしい訳じゃないのよ?



それはさておき、魔物ダンジョンをどうしよう。
神官を沢山受け入れるなら今のまま別空間の方が良いよね。
長ひとりのときは6階層以降で階層ごとに多くて宝箱3個だったらしいし。
リポップの時間も掛かりそうだよね。
エルフたちも押し寄せそうだ。

このまま別空間で良いか。
緊急脱出アイテムと何とか合流できるアイテムを作ろう。


なんて思ってた時期もありました。


創造神様が勝手にもうひとつの魔物ダンジョンを作ってた。
台座にダンジョンコアを預けたのが間違いよね。
神様ならコアが手元に無くても神殿みたいに自由にできるのだろうけれど。

こちらのダンジョンはこの世界の標準仕様。
混雑するかもしれないけれど、別パーティだろうが同じフィールドで戦える。
宝箱とその中身はわたしが弄ってないので通常通り。
ドロップでお肉も落ちるよ。
10階層ごとのレジューム機能と緊急脱出アイテムが採用されたけど。

甘い、甘いな。
シャルロッテさんに対するより何倍もわたしに甘かった創造神様。

しかも神官用ダンジョンでゾンビを出さないようにしたので、新しい方でも出さないとか。
決して輪廻に戻す魂胆を見抜かれたからではないとの言い訳付き。

それはスケルトンやゴーストでやっているだろうから今更よね。
わたしはゾンビで臭くなるのが嫌だっただけよ?


目覚まし代わりに神様通信で事後報告されました。
お陰様で目覚めすっきり。


「神の過保護をなめたらいかんぜよ。」


と、大精霊に大笑いされた。

既に100階層まで魔物も用意されてるとか、底抜けの過保護でした。

ドラゴンは強制参加ですって。
95~100階層でボス扱いの6体?6柱?
当分と言うか、ほとんど出番は無いでしょうよ。
今は自分の部屋を好みに変えているので終わったら地上に人化した状態で跳んでくるとか。
精霊と同じで自由に出入りできるらしい。

上司からの辞令で転勤だよね、ドラゴンさん。
単身赴任かな?
家族連れて来てたら絶対クリアなんてできないよね。


人化して居座ってくれるなら新しいダンジョン制作に掛かったDPはすぐに取り戻せそうね。


長に報告に行ったらこちらでも大笑いされた。


「神がそこまでやるかい。
しかも6体のドラゴンを呼ぶとはね。
恐らく祖龍も混ざってるだろうさね。
祖龍となれば里のエルフ全員で掛かっても倒せる気がしないね。
攻略させる気なんて元より無いのだろうさ。」


祖龍は創造神様が作られた最初の6柱だそうな。
神扱いで良いらしい。
代を重ねた普通のドラゴンとはレベルが段違いらしい。
6体のドラゴンが全部祖龍ってことは無いよね?

神扱いのドラゴン6柱が常駐したらDP激増するものね。
1柱でもヤバそうなのよ?
無いわよね。


「まあ居ても1柱だろうさ。
一か所に複数の祖龍が集まれば世界のバランスを崩すさね。
町自体がダンジョンだから外界のことわりと違うかもしれないけれどね。

それにしても100階層のダンジョンかい。
エルフも当分暇潰しに困らないね。
それどころかドラゴンの階層に届く者が出るかどうかだろうね。

温泉宿を大きくしないといけないかもしれないさね。
すぐに精霊から教えられたエルフが殺到するよ。
まずはシャルテの転移陣の順番待ちができるね。」


「エルフの里側の結界を通れるようにしておこうか。
後でシャルロッテさんたちがドイテの町に戻るからドイテ側もか。
転移陣と同じで精霊の許可制にすれば大丈夫だよね。
長とわたしでうちの転移陣の許可出してたら休む暇も無さそうだからね。」


「そうさね。
ドイテ側で通れると勘違いする者が出るかもしれないけれど、わたしらの手間を考えればそれしかないかね。
勘違い者が出ないようにドイテの門番に言っておくようシャルロッテに伝えておくれ。
ドイテの門番ならエルフや精霊の怖さは聞いているだろうさ。」


結界で覆われた町ができているのを教えるのもあれだけど、時間の問題だから良いか。
うちの転移陣の許可出してたら何もできなくなるものね。
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