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第1章 聖女、働くってよ
第14話 ダンジョン&ダンジョン2
しおりを挟む翌日、朝から始動です。
メンバーは昨日と同じ5人。
長も魔物の強さやダンジョン内の形状が初心者神官の育成に適しているか判断してもらう為に来てもらった。
シャルロッテさんたちは一度転移陣でオフランに戻って武器等装備を持って来ることになった。
その間にわたしと長で魔物ダンジョンの場所を決めて作ってしまう。
既にダンジョンコアは台座から取り出してある。
「わたしの転移陣の隣で良いかな。
万が一ダンジョンで怪我しても治療院に駆け込めるし。」
「そうだね。
里からも通い易くて良いんじゃないかい。
ダンジョン内で野営して里へ帰る者も居るだろう。」
「じゃあとりあえず10階層まで、そいや!」
「何だいこりゃ。
向こうが見えてるけどダンジョンに入れるのかい?」
「これは鳥居って言ってあっちの国で神域の入り口のような、境界を示すような物です。
手前の石畳には一度に5人までしか乗れません。
11階層以上で再開するには鳥居に触れて階層を思念で指定します。
最初はパーティメンバーが乗ってからそのまま鳥居を潜れば中に入れますよ。
出口は向こう側のもうひとつの鳥居なので重なることは無いよ。」
「シャルロッテと神官A、Bが戻ったわよ。」
神官A、Bって、アンナさんとブリジットさんよね。
確かにABだけど。
大精霊にとっては頭文字だけで十分な扱いなのね。
シャルロッテさんがCだったら揃いじゃないの。
Sかもしれないけど。
神殿の転移陣へ迎えに行きますか。
シャルロッテさんはゴツイ杖を持っていた。
どちらかと言うと殴り用?
アンナさんがメイス、ブリジットさんは普通の杖。
(A+B)/2=Cってこと?
どうでも良いことを考えつつ合流して鳥居の前へ。
「5人までですが乗ったらパーティメンバーとして固定されます。
固定はそのときだけですから入れ替えは自由です。
今日は最初なのでこのまま入りますが、再開のときには誰かひとりが鳥居に触れて階数を念じればそこへと行けます。
10階層ごとの指定ですけれどね。
さあ行きましょう。」
「1階層の魔物はスライムです。
薬草が採れるので本当の初心者向けの階です。
遭遇するのは一度に一匹ですが、他のスライムが寄って来ることもあるでしょうから一応周囲にも気を付けてくださいね。
ダンジョンの雰囲気に慣れてもらうだけの階です。」
「まあ良いんじゃないかい。
初めてダンジョンに入る者も居るだろうしね。
慣れている者ならとっとと2階層を目指せば良い。
どうする?
そっちの神官はスライム倒してみるかい?
メイスで叩き潰しても良いし、ファイアーボールで焼いても良い。
シャルテが見てるから危ないことにはならないさね。」
精霊たちがうずうずしてるから一声掛ければ全滅させるよね。
その場合薬草も燃えそうだけど。
アンナさんとブリジットさんは数匹倒してみるそうです。
ふたりともダンジョンに入るのは初めてらしい。
時間掛かるけど戦うのが怖い人はここでちまちまスライムを倒せばいつかはレベルも上がるでしょう。
300年スライム倒し続ければレベル99になるらしいし。
ドロップは小さい魔石だけ。
記念に持ち帰るそうです。
薬草は珍しくも無いものだけど、外のものと違いがあるか確かめる為に数十本採って帰る。
「2階層はゴブリン。
いきなりですが人型魔物を倒すのに慣れてもらいます。
基本2体遭遇ですが、見通しが良いので近くのゴブが寄って来るかもしれません。
こちらから近付く必要は無いので見えたら魔法で倒してしまいましょう。
パーティから離れることは絶対にしないでね。
弓矢には一応気を付けて、構えそうなら速攻魔法で倒すように。
ドロップの魔石を無理に拾う必要は無いです。
宝箱は次の階層からですからここもスルーして良いかもしれません。」
「ここも順当だね。
ゴブリンは見たら即、倒す。
これは外でも基本さね。
5人パーティなら順に魔法で倒せば良いだろう。
気を抜かず周りを警戒することは忘れずにね。
矢が飛んで来たら風魔法で弾くのが良い。
ゴブリンが放つ矢だと、それ程強く飛んで来る訳ではないからね。
余裕があれば結界の練習をしても良いけれど、即結界を張るんだよ?」
長が解説と言うか教官になってるわね。
長とパーティを組むなんて滅多に無い体験だしね。
遭遇したゴブリンだけ倒して3階層へ。
「3階層もゴブリン2体だけど、メイジが混ざるから気を付けて。
杖持ってるゴブは優先して倒してね。
魔法が飛んで来たら魔法をぶつけて打ち消すか結界を張るか瞬時に判断してね。
結界を張る人を決めておかないと何重にも張ることになって無駄になるわよ。
ここから宝箱が出るから探すのも良いけれど、大した物は入ってないかもしれないわ。」
「3階層で宝箱が出るとは大安売りだね。
記念に持ち帰るのには良いかもしれないよ。
ゴブリンメイジの魔法なら当たっても大した被害には成らないかもしれないけれど、不意打ちは喰らわないようにね。
パニックになるよ。
どんな魔物が出る階層でも安全地帯以外は気を抜かないのは基本さね。」
「あっちに宝箱がありそう。
行ってみようか。
フィールドの宝箱は決まった場所に出る訳じゃないから覚えても無駄よ。」
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