248 / 261
第二百四十九話
しおりを挟む「スプリングの領都の精霊樹が根付いたそうよ。
これで鉄道を引くにも魔法が使い易くなるわ。
カッセルにも鉄道を引くより先に精霊樹を挿し木しておいた方が良かったわね。」
ミュリエルによれば精霊樹が根付けば精霊さんが増え、活発になるので人族でも魔法が使い易くなるらしい。
見えずとも魔法は精霊さんの補助が有るそうだ。
カッセルの方が里に近いから精霊樹を分けるのが後回しになったのだろうな。
まあ、皆レベルアップしてるから大した差にはならないかもしれないけれど、楽に魔法が使えるならそっちの方が良かったな。
「そう言うことでスプリングの路線もすぐに作ってしまうそうよ。
ナギサが参加すれば1日で終わるでしょう?
車両は作って有るのよね?」
各路線が揃った方が利便性も上がるから早めに作った方が良いね。
豪華貸し切り車両も作ってあるぞ。
王族が使うことを前提にすべてソファー仕様だ。
拡張空間には寝室も作った。
短い時間でも休める空間は要るだろう。
拡張空間なら揺れないしね。
いつもの俺のお付きやエルフさんたちを引き連れてスプリングの精霊樹の下へと転移する。
精霊王や大精霊もぞろぞろ付いて来ている。
まずは挿し木のお世話だな。
切って渡されたときには輝きが落ちていたのだけれど、根付いたからなのか、ほんのり輝きを取り戻している。
大きく成る前から輝くとか、よってたかって皆で魔力をあげ過ぎてるんじゃないの?
「皆予備には成って欲しくないから精霊に止められるまで魔力をあげてしまうのよ。
止められた後は聖水もどきにして壁の中に撒いてるから、里並みに清浄な地になってるわ。」
そう言いながらミュリエルも魔力あげ過ぎっぽいですよ?
付いて来た皆もこれから鉄道作るんだから魔力は残しておいてね。
ジオラマを作るまでも無く駅の予定地は決まっていた。
領都スプリングの西門のすぐ外だ。
領主カトリーヌは領都を広げる中心をここにする予定らしい。
鉄道の高架がアーケードみたいに組み込まれるそうだ。
領都を広げた後には領都を突き抜けて東への路線に繋げてしまう予定だとか。
領都の壁も改変しないといけないな。
広げた方の壁ができるのだから取り壊しても良いのか。
まあそれは後での話だ。
西門の前の両脇に駅ビルを建てる。
運河側なので人も馬車も通っているところを構わず工事する。
頭の上に高架が作られて行く様を見上げているのも構わずどんどん進める。
里の人だとまるっきり気にしないのだけどな。
あれも慣れ過ぎて危ないだろう。
数人残って駅ビルの中を完成させているけど、高架は先に進める。
運河の近くは貨物専用の駅だけ作ってスルー。
一応東へと路線を伸ばしたとき用に作った。
そのままショッピングセンターを目指して高架作りを進めて行く。
休憩用にバスが付いて来ているので時折休みながら交代で作ってはどんどん進む。
高架上には豪華車両を置いたので、そっちの方が人気が有るようだ。
魔力回復させるのに拡張空間のベッドが使えるしな。
たまに精霊王たちの指示で魔物を狩ったり浄化したりしてもペースは速いな。
挿し木に近いから魔法の効果も高いのだろう。
途中の村には商店も作ってあるので駅ビルは省略。
村人も珍しそうに見ているけど、バスやショッピングセンターを見ているので今更なのか、声を掛けて来たりはしなかった。
むしろ宙に浮いている精霊王や大精霊の方が珍しいようだ。
精霊王たちによる浄化の注文は増えたけどな。
やはり人の住む場所は頻繁に浄化の必要が有るようだ。
農地には頻繁に聖水もどきが撒かれてるはずなんだけどな。
人が活動する場所にも同じように撒いた方が良いのだろうか。
雨の日にでも飛行機で撒いちゃうか?
昼過ぎにはショッピングセンターの駅に繋げることができた。
前もって大きく作って有るので、まだ他の路線を繋げる余裕も有る。
折角なのでショッピングセンターにバーベキュー場を作ってしまおう。
作ってる間に皆には食べたいものを買って来てもらう。
インベントリにも入ってるから必要無いと言えば必要無いのだけれど、お客さんと同じことを体験してもらうためだ。
食べ歩きをしているようだけど、どうせエルフさんたちは大食いなので大丈夫だろう。
「王都は少し距離も有るし精霊樹からも離れるから一日掛かりになるかしらね。
あの貸し切り用車両も有るのだから早めに繋げた方が良いわ。
エステ用の宿も増やしましょうか。」
訓練した神官さんたちもエステができるようになっているので人員は問題無いか。
その内爺さんのところに支店でも作って任せるか。
少しでも早く借金が返せるだろう。
いっそ教会で地元の貴族や商人の夫人をお客にして商売させる?
0
お気に入りに追加
1,462
あなたにおすすめの小説
死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜
猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。
ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。
そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。
それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。
ただし、スキルは選べず運のみが頼り。
しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。
それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・
そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
スキル運で、運がいい俺を追放したギルドは倒産したけど、俺の庭にダンジョン出来て億稼いでます。~ラッキー~
暁 とと
ファンタジー
スキル運のおかげでドロップ率や宝箱のアイテムに対する運が良く、確率の低いアイテムをドロップしたり、激レアな武器を宝箱から出したりすることが出来る佐藤はギルドを辞めさられた。
しかし、佐藤の庭にダンジョンが出来たので億を稼ぐことが出来ます。
もう、戻ってきてと言われても無駄です。こっちは、億稼いでいるので。
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる