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第二百四十九話

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「スプリングの領都の精霊樹が根付いたそうよ。
これで鉄道を引くにも魔法が使い易くなるわ。
カッセルにも鉄道を引くより先に精霊樹を挿し木しておいた方が良かったわね。」

ミュリエルによれば精霊樹が根付けば精霊さんが増え、活発になるので人族でも魔法が使い易くなるらしい。
見えずとも魔法は精霊さんの補助が有るそうだ。

カッセルの方が里に近いから精霊樹を分けるのが後回しになったのだろうな。
まあ、皆レベルアップしてるから大した差にはならないかもしれないけれど、楽に魔法が使えるならそっちの方が良かったな。

「そう言うことでスプリングの路線もすぐに作ってしまうそうよ。
ナギサが参加すれば1日で終わるでしょう?
車両は作って有るのよね?」

各路線が揃った方が利便性も上がるから早めに作った方が良いね。
豪華貸し切り車両も作ってあるぞ。
王族が使うことを前提にすべてソファー仕様だ。
拡張空間には寝室も作った。
短い時間でも休める空間は要るだろう。
拡張空間なら揺れないしね。


いつもの俺のお付きやエルフさんたちを引き連れてスプリングの精霊樹の下へと転移する。
精霊王や大精霊もぞろぞろ付いて来ている。
まずは挿し木のお世話だな。
切って渡されたときには輝きが落ちていたのだけれど、根付いたからなのか、ほんのり輝きを取り戻している。
大きく成る前から輝くとか、よってたかって皆で魔力をあげ過ぎてるんじゃないの?

「皆予備には成って欲しくないから精霊に止められるまで魔力をあげてしまうのよ。
止められた後は聖水もどきにして壁の中に撒いてるから、里並みに清浄な地になってるわ。」

そう言いながらミュリエルも魔力あげ過ぎっぽいですよ?
付いて来た皆もこれから鉄道作るんだから魔力は残しておいてね。


ジオラマを作るまでも無く駅の予定地は決まっていた。
領都スプリングの西門のすぐ外だ。
領主カトリーヌは領都を広げる中心をここにする予定らしい。
鉄道の高架がアーケードみたいに組み込まれるそうだ。
領都を広げた後には領都を突き抜けて東への路線に繋げてしまう予定だとか。
領都の壁も改変しないといけないな。
広げた方の壁ができるのだから取り壊しても良いのか。
まあそれは後での話だ。

西門の前の両脇に駅ビルを建てる。
運河側なので人も馬車も通っているところを構わず工事する。
頭の上に高架が作られて行く様を見上げているのも構わずどんどん進める。
里の人だとまるっきり気にしないのだけどな。
あれも慣れ過ぎて危ないだろう。

数人残って駅ビルの中を完成させているけど、高架は先に進める。
運河の近くは貨物専用の駅だけ作ってスルー。
一応東へと路線を伸ばしたとき用に作った。
そのままショッピングセンターを目指して高架作りを進めて行く。

休憩用にバスが付いて来ているので時折休みながら交代で作ってはどんどん進む。
高架上には豪華車両を置いたので、そっちの方が人気が有るようだ。
魔力回復させるのに拡張空間のベッドが使えるしな。
たまに精霊王たちの指示で魔物を狩ったり浄化したりしてもペースは速いな。
挿し木に近いから魔法の効果も高いのだろう。

途中の村には商店も作ってあるので駅ビルは省略。
村人も珍しそうに見ているけど、バスやショッピングセンターを見ているので今更なのか、声を掛けて来たりはしなかった。
むしろ宙に浮いている精霊王や大精霊の方が珍しいようだ。

精霊王たちによる浄化の注文は増えたけどな。
やはり人の住む場所は頻繁に浄化の必要が有るようだ。
農地には頻繁に聖水もどきが撒かれてるはずなんだけどな。
人が活動する場所にも同じように撒いた方が良いのだろうか。
雨の日にでも飛行機で撒いちゃうか?


昼過ぎにはショッピングセンターの駅に繋げることができた。
前もって大きく作って有るので、まだ他の路線を繋げる余裕も有る。
折角なのでショッピングセンターにバーベキュー場を作ってしまおう。
作ってる間に皆には食べたいものを買って来てもらう。
インベントリにも入ってるから必要無いと言えば必要無いのだけれど、お客さんと同じことを体験してもらうためだ。
食べ歩きをしているようだけど、どうせエルフさんたちは大食いなので大丈夫だろう。

「王都は少し距離も有るし精霊樹からも離れるから一日掛かりになるかしらね。
あの貸し切り用車両も有るのだから早めに繋げた方が良いわ。
エステ用の宿も増やしましょうか。」

訓練した神官さんたちもエステができるようになっているので人員は問題無いか。
その内爺さんのところに支店でも作って任せるか。
少しでも早く借金が返せるだろう。
いっそ教会で地元の貴族や商人の夫人をお客にして商売させる?

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