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第二百三十六話
しおりを挟む鉄道建設2日目。
精霊さんから噂を聞き付けたエルフさんたちが朝から駅周辺で待っていた。
建設作業も手伝ってくれるつもりのようだ。
早朝に精霊樹に魔力を与えた、今回の種の里では無いエルフさんたちらしい。
本当に新しいものが好きだねぇ。
さすがに種を育ててる里のエルフさんは参加できないか。
一応、昨日も精霊さんにお願いするのに数人付いて来てもらっていたのだけど、彼女らは今日も参加している。
人数が増えたので車両も増やした。
貴族用ではない一般用を加えた。
いきなり窓際に席が続くタイプは無理だろうから、中長距離用っぽい4人掛けに分けられているタイプにした。
きっと列車を降りるタイミングを逃したりする人が出るから停車時間は長めに取らないといけないだろうな。
混雑したら人をかき分けてドアまで辿り着けない人が出るよな?
しばらくはうちの里と途中の村人だけが使うこの路線で色々試した方が良さそうだ。
慣れていないこの世界の人はどう反応するか分からないからな。
建設作業はエルフさんが増えたのでかなり早く進んだ。
マンション建設で慣れたのか、手順を覚えるのも早かった。
大精霊たちまで増えているので魔力が尽きる心配は無さそうだ。
これならエルフさんたちが里に自分たちで路線引いちゃうんじゃね?
人族の土地を通るところが多そうだから無理か?
地下鉄を教えないとダメかね。
エルフさんたちは休むときに景色を眺めつつ、精霊さんから魔物情報が入ると討伐に行ったりしている。
魔法が有るとは言え、高架から飛び降りるとか、こちらの心臓に悪いので止めてくれ。
逆に飛び上がって来るのは列車を止めて途中乗車しそうなので止めてくれ。
列車の動力を担当している精霊さんが忖度して停車させそうだよね。
ちゃんと駅を利用してよ?
ショッピングセンターまで届くのはあっと言う間だった。
エルフさんたちのパワーは恐ろしいほどだ。
報酬代わりにショッピングセンターでお食事を提供した。
魔力を使ってるだけあって、よく食べるね。
里の食堂の方が安上がりだったな。
ついでに帰りの列車の中で駅弁を提供。
大した距離じゃないけど試しに作ってみたのだ。
列車で移動しながらの食事は受けたようだ。
もう少し長距離の路線では食堂車を導入するか?
どうせ貴族たちはコンパートメントに居るから車内販売で十分かね。
列車内を移動している時間で到着しそうだし。
「駅弁はショッピングセンターの駅で売った方が良いのではないでしょうか。
駅でなくても各お店でも売れると思います。
お土産にもできますし、マジックバッグを持っている人も増えましたから良いのではないでしょうか。」
ショッピングセンターに出店している食べ物屋の売り上げに貢献できるか。
お弁当類は各駅で目玉にできるかもね。
列車の利用者が増えれば車内販売が通れなくなるしな。
今日も付いて来ているミランダの方がショッピングセンターの売り上げ状況に詳しいからこう言った提案もできる。
商会長のお役目をしっかりしているようで何より。
ついでに乗客が自分たちでも作れるようにお弁当箱も売り出そう。
通勤通学が始まれば弁当持ちも増えるだろう。
それとどこかピクニックに相応しい駅でも作るかな。
遊園地はまだ早いよな?
「こうして商売が広がって行くのですね。
最近は商会にも要望の声が来るようになっているのです。
皆、生活に余裕ができて欲しいものを欲しいと言えるようになったのですね。」
お金に余裕ができてるからな。
それに言ってみたら作ってもらえることも多いだろうし。
大概は地球に有るものだろう。
言ってくれれば見本を作るよ?
「スプリング領にも早急に鉄道が必要ですね。
グリエールよりカッセル商会の影響がまだまだですから。
今は団地の人たちがほとんどですものね。」
スプリング領も商会員は増えているんだけどね。
離れている分の遅れは有るわな。
あとはショッピングセンターで鉄道を見た人たちから噂がどう広がるかだな。
王城からは見せろと言って来るだろうし。
費用が掛かるから発注はできないだろうけどな。
ミスリルと一緒に鉄もダンジョンで獲って来た方が良いぞ。
当面カッセル商会が大量に買い取るだろうからな。
しばらくは試運転と乗員の教育で列車を走らせるか。
村の人たちの意見を聞くためにもお客さんを乗せるかね。
バスや車の運転手のときと同じように、エルフさんたちが乗員に立候補しそうだけど。
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