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第二百三十四話
しおりを挟む昨日4つの教会を建てたので今日の3つでこの大陸の教会は完成だ。
ただし爺さんのところは除く。
他大陸ほど遠く無いので若木を移動する頃には作る予定ではある。
そして本日はミランダと一緒だ。
教会要員としてケイトたちも来ている。
ミランダは服よりも鉄道の方に興味が行っているようだ。
鉄道を通す予定地の地図を広げながら、王都にも繋げるべきかを考えている。
貴族とかは王都から来るだろうから王都への路線は有る方が良いわな。
また王たちが他の土地にも欲しがるかもしれないけれど。
エルフさんも興味有りそうに聞いているので、その内エルフさんの里を繋げる鉄道も良いかもしれない。
転移じゃない移動で旅を味わうのも良いよね。
間に人族の土地が有ったりすると面倒だけど。
いざとなったら人族の土地はこっそり地下鉄で通しちゃうか。
午後には3つの教会も建て終え、ケイトたちの説明も終わった。
運ばれていたアマリア様の像も置かれたのできちんと目的の役割は果たせるだろう。
置かれた聖水もどきが使えるようになるまでは大聖堂から運ばれるのだけれど。
各里の精霊樹はまだまだうちの里の精霊樹と比べると小さいままだな。
これが普通の育ち方なのだろうけど。
やはり次に花を付けるのもうちの里の精霊樹なのだろうな。
「さすがにうちの里の精霊樹の育ち方が異常だったのですね。
この子には思い切り皆で魔力を注ぎましたものね。」
ミランダまで精霊樹をこの子扱いか。
セラフィナたちが言っているから移ったのかね。
そんな話をしながら、俺は鉄道模型とジオラマを作っている。
前に作った里のジオラマとは縮尺が違うけど。
正確に地図と合わせることも無く、鉄道の雰囲気が分かれば良いだけだ。
「鉄道も自動車のように運転免許が必要ですか?
自動車が運転できれば鉄道も運転できるのでしょうか。」
免許は要るかもしれないけれど、自動車とは別物だね。
ハンドル無いものね。
「無くても良いのですか?
レールが有るからそれに沿って動くものなのですか?」
まあ、レールが有るからとも言えるし、車輪の作りのお陰とも言える。
車輪の接地面に角度が付いてて外と内とで一回転によって進む距離が違うからだな。
おまけに遠心力やら慣性のおかげでも有るか?
レールだけのせいなら、もっとレールと車輪がこすれる音が煩いだろうな。
「なる…ほど?
実物を見れば分かるものでしょうか。
見よう見まねで職人が作れるものですか?」
同じように作れば同じ働きをするだろうね。
理屈を理解してなくても。
「いずれにせよ、動力はまた精霊に頼むのですよね?
エルフの協力がなければ実用化できませんね。」
まあ、そう言うこっちゃね。
何か精霊さんに頼らない動力を作らないといけないとは思ってるけど。
「すべて橋の上を走らせるのですか?
確かにこの方が妨害もできないとは思いますけど、運河と同じように結界を張れば良いのではないですか?」
結界でも良いのだけれど、踏切を作りたくないのよ。
踏切は結界でずっと塞いでる訳にはいかないからな。
運河だと上に橋を掛けて通せるけど、地面を走る鉄道だと踏切が弱点に成りかねない。
線路の結界で土地を分断する訳にもいかないし。
下手すると魔物を結界で誘導しかねないしな。
結界沿いに移動されて人の居る場所に来られても大変だ。
高架にする手間は掛かるけれど、この方が後々面倒が少なそうなのだ。
「なるほど、運河は一段下がっているのでその問題は無かったのですね。
運河でもやや魔物の誘導は有りそうですけれど、橋を沢山作ってあったのはそう言うことですか。
人の住まないところにも有りましたものね。
結界の上をそのまま通れるようにしてあったりもしましたね。
こちらだと高いところに在る分見える景色も良くなりますね。」
景色が良くなるのが最大のメリットかもね。
その分駅と地上との行き来の手間が増えるけれど。
「駅はそのままデパートみたいな施設に繋げてしまいましょう。
ショッピングセンターに繋げるのですから、それほどお店を入れることは無いでしょうが、必要なお店もあることでしょう。」
ミランダは駅ビルを発想するか。
中々にあちら式の商売に慣れたかな?
駅前の土地を押さえることも進言しておこう。
まあ、ミランダの領内ならどうにでもできるか。
「団地の側も通してあげてくださいね。
王都へも働きに出られるようになりますね。
通勤通学と言うのが始まるかもしれませんね。」
通す本数も問題だけどな。
1時間に1本じゃ中々使いづらいだろう。
「今、ショッピングセンターの巡回バスは日中には30分に1本走っていますから同じくらいは必要になりますね。
各地への移動に使うようになるならもっと増やしても良いかもしれません。」
グリエール領もスプリング領も人口増えたから列車の本数も沢山必要になるかもね。
町やショッピングセンターに買い出しや働きに行くことに慣れればだけど。
「貴族用のものを作っておけば赤字にはならないでしょう。
便乗して平民たちが使うようになるなら本数を増やせます。
グリエール領の領民なら多少のことにはすぐに慣れてしまうでしょうから大丈夫です。」
いきなり運河ができたり、見も知らない商品が売り出されて領民は鍛えられたからな。
ことごとく恩恵を受けているグリエール領領民なら慣れているだろう。
よし、領民は身分証を交通系ICカード代わりに使わせよう。
領外からの客の分別、身分照会にも役立つだろう。
「若木が育ってからの施工になりますね。
大きなものは運河で運んで鉄道は人員輸送がメインとなるのですね。
ショッピングセンターへ直通の特急と言うのも有った方が良いでしょうか。」
途中の村とかは貴族たちに関係無いから素通りする特急も有りかな。
ダイヤの管理が面倒になりそうだから複々線で作っちゃうか。
まずは里からショッピングセンター、ショッピングセンターから領都カッセルへの路線だな。
次の精霊樹の花が咲くまでに開通できるだろうか。
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