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第二百三十二話

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そう言えば最近はミスリル以上の金属しか扱ってなかったことに気付いて、とりあえず鉄でレールを作ってみることにした。
精霊樹の脇の他の精霊樹の種の育成にも邪魔にならないところで試してみる。
あっ、これは材料が尽きない限り延々と作れるわ。
下手するとこの里からショッピングセンターまで継ぎ目無しで行けるんじゃね?
元々繋ぎ目は分からないように継ぎ足して行けるけど。

俺が創造魔法を外で使っているので精霊王を始めとして大精霊も寄って来て魔力と言うか、神の力の余剰分を吸収している。
鉄はインベントリに山ほど有るのだけれど、本当にショッピングセンターまで届きそうなほど作れそうなので100mで中断。
機会を失った大精霊たちが残念そうにしているのでアクセサリー作りを始めた。
商会での売り物は皆も作れるようになっているので久々の製作だ。
見本になるように宝石も使って指輪やネックレスを作っておく。

「今なら魔物素材の下着や服も高性能になってるのではなくて?
使われる神の力が多いから教会を飾る布にも丁度良いのではないかしら。」

教会内には神の力が多いほど良いのだから高性能の布は都合が良いか。
ミュリエルが新作が欲しいと言うのもあるのだろうけど。
マタニティで服は結構作ってるよね?
予約の魔物素材の服も滞っているから確認のためにも作るか。

「ああ、やはり高性能ね。
浄化の力も防御力も上がっているわ。
先ほどのアクセサリーも売りには出せないわよね。
精霊王たちに製作中の力を吸収してもらって性能を抑えた方が良さそうね。
売り物がここまで凄くなると値段を変えなくてはいけないわ。
ナギサがもう少し抑えられると良いのだけれど、まだ慣れないのよね。」

アマリア様の像以外はあまり作って無かったから抑える方向の練習はしてないな。
精霊王たちが喜んでいるので吸収してもらう方向で進みそうだ。
アダマンタイトを加工するのときに使わせてもらえるかな?

「ナギサの神の力が足りなくなる訳無いでしょう。
アマリアがすぐに補充してるのよ?
必要になるのは魔力の補充だけよ。
それも寝室へ行けば良いだけなのだから、どんどん物作りができるわよ。」

魔力が増えて来た分だけ大規模なものも作れるな。
今なら団地も高層住宅になりそうだ。

「教会を建てるときはそこの大精霊と精霊王が付いているだけで良いわよね。
神の力が少しくらい多くても構わないものね。」

教会だから性能が上がってても良いだろう。
聖水もどきが良くなると精霊樹に影響しそうだけれど、その辺も精霊王と大精霊が調整するかな。


「ひとつ教会も試しに建ててみましょうか。
おばばたちのところで良いわね。
大精霊とおばばを呼んできてちょうだい。」

転移陣で行けるところはどんどん建てておこうか。
まずは基準となる最初の一棟から。

「わしも見せてもらおうかの。
どうせわしらの知る教会とは別物なのじゃろう?」

爺さんとしてもどんな教会か興味が有るか。
とは言え大して違わないと思うけど。
俺が知っているこちらの教会は祝福をもらいに行ったところだけだし。
地球の教会とかは実物を見てないし。

場所は里の大精霊が指定してくれるようだ。
設計図は前もってアマリア様から頭にインプットされていた。
いつの間にそんな芸当を覚えたのやら。
記憶を改ざんされそうだぞ。
まあ、アマリア様はやらないだろうけど。

十字架が無いだけで、鐘楼も有るので多分地球風だろう。
アニメか何かで見て来たのだろうか。
こっちの教会に鐘は無いよね?
俺たちが村に作った教会には有るけど。
非常時に鳴らすのは便利だものね。

もちろん大聖堂にも有る。
一度も使ったことは無いけれど。

「信徒が居ない割には大きいものじゃのう。
あの色付きのガラスなぞこの世界では作れんじゃろ。
ナギサ殿の世界ではこう言うものなのかの。」

ステンドグラスは教会に付き物っぽいよね。
他の宗教でも教会とか神殿とかは派手になりがちだから、爺さんには慣れないか。
こっちの教会は言われないと教会と分からなかったものな。

「ステンドグラスと言うのじゃな。
我らでも作れるものかのう。
透明にすることに苦労しておるのに、色を付けてしまうとはの。
それを組み合わせて絵を作るなぞ、想像もせんかったわ。
ナギサ殿の世界は面白いことを考えるものじゃのう。」

魔法が有るんだからできそうなものだけどな。
鉱物を混ぜて色を付けるとかの科学的な知識が足りないか。
後はそう言ったことに魔法を使おうとしないからかね。
もっと便利使いすれば良いのにね。
貴族ばかりが魔法を使って来た弊害か。
職人が魔法を使って何かを作るとかしてこなかったのね。
平民だとレベル上げが難しかったものな。

うちの里だと皆が魔法を使うから便利に新しいものを作ってるけどな。
その内他所にも広がるだろうか。
神官たちもミスリルの加工に挑戦しているらしいからガラスの加工もできるんじゃね?

「他の国ではまだ貴族や一部の者が魔法を独占しておるからのう。
平民にレベルアップさせようとする者は居らんじゃろ。
平民が強くなると困る者ばかりじゃからの。
エルフたちのように圧倒的な強さを持って居るのなら別かもしれんがのう。」

力で抑える馬鹿な統治者ばかりだからな。
中途半端なのでエルフさんたちには丸で敵わないけれど。

もっと攻撃以外の魔法を利用すれば経済的にも助かるのだろうに。
カッセル商会のように。

職人さんはレベル高くないと稼げないぞ?

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